第二十話 またやってしまった冬夜
区切りが上手くできませんでした。
ブクマポイントありがとうございます。
毎度のごとく、街道を作りに誰もいないと信じて走っていたが、進行方向に何かがいるようなのでぶつからないように避けて先に進むと、街道に巨大なヘビが居た。
避けたばかりなので、避けられるタイミングでもなくどうするかと思っていたが、案の定ぶつかってしまう。
「あちゃー又やっちゃったよ」
その大蛇は、元は魔物なのだが詩歌が声をかけた時にきちんと話が通じたので、魔物化を解いてこの森の守護を頼んでいた。
元のヘビの魔物時代より元に戻したら数倍大きくなってしまい、難儀しているらしいが、食料に関しては問題なく主食はオークとの事だった。
『美味しいしすぐ増えるから逸れたのなら食べても問題ない』
と、思念で語っていた。
気絶させてしまったのでひとまず治療をし話を聞いてみたところ、自分を見て驚いて逃げだして荷物を置いて行ってしまったので、届けようと咥えてきたとの事だった。
ちょっと唾液塗れに成っているが、全てを持って来ているようで、労いをしたうえで、見かけた方はどちらかを聞き、そちらとは逆の山岳地帯の方で暮らすようにお願いをしておいた。
ひとまず浄化をかけた上ですべて回収し、先ほど避けたものを確認しに行くと、涙でぐしゃぐしゃな顔のまま気絶していた。
このままもかわいそうなので、ひとまず顔をきれいにした上で浄化をかけてやる。
先日参加した一角獣のイシアを呼んで、運んでくれないかを頼んでみたら、背中に乗せるのは気に食わんと言って器用に角に引っ掛けてそのまま里まで運んでいった。
独り者の家もすべて完成しているので、使われなくなった集会所に運び込んで、レグアと詩歌以外に、子守り組が交代で面倒を見た。
その日の夕方に成ると気が付いたらしく、ちょうど詩歌しか居なかったからか、会話をしていた。
冬夜はレグアとともに気が付いたらしいとの事で様子を見に行き入ると真っ先に。
「うわあああああ!緑の人と叫んでまた気を失ってしまう」
面倒なので冬夜が活を入れて気をつかせ、まずは落ち着かせてから徐々に話を聞いていった。
「私は、冒険者集団ベルシーカーのコウサと申します、この度は助けていただき有難うございます」
詳しく聞いていくと、森の調査を依頼され、引き返そうとしたところで『コンダくん』を発見危険と感じ皆で別々になって逃走、少し逃げ遅れた自分は囮に成ろうと森の奥へと走り、街道らしき所で吹き飛ばされ、もうだめだと気を失ったという話だった。
「「コウサさん、本当にすみません」」
冬夜と詩歌が土下座をしたのは言うまでもない、コンダくんのせいでそこまでの騒ぎに成ってしまったからだ。
コンダくんについてを話し、この辺りを巡回してもらっていた事、人を襲ったりはしないという事を伝え、荷物もコンダくんが届けてくれたといい収納から取り出すと、驚かれどうしたらいいかわからない顔をし始めた。
何という事だろう、来ることも困難であろう森の奥深くに、私たちの知らない種族が居たというのだ、そして私たちに襲い掛かろうとしていたと思っていた大蛇は、コンダクンと言い私たちが逃げる際に置いていった荷物を届けようと追いかけていただけだという。
信じたくは無かったが、実際に置いていった荷物が全てある時点で事実なのだろう。
荷物をすべて確認した後お礼を言うと、お腹が鳴った。
少し恥ずかしそうにしていたら、かなりの距離を何も食べずに走ったせいもあるだろうし、既に一日が経過しているから尚更だろうと言われ、器に入った黄色いとろみのあるスープのようなものを出された。
「少し刺激が強いかもしれないが、火傷しないように冷まして飲むと良い」
渡してきた男性は冬夜と言い、この里の料理の講師だと言った。
後ろに居た緑の女性レグアは、慌ててそれを否定し始める。
「講師だなんてとんでもないあなた様は神じゃないですか、戯れでもおやめください」
「いやほら、神じゃないから。なんでそんな事言うかな。ただのんびり旅がしたいだけのおじさんに」
よくよく見てみれば詩歌と冬夜と言われた二人だけは、簡易なワンピースではなく、凄く作りのしっかりとした感じのする、動きやすそうなテカりのある服を着ていた。
後に聞いた話だとジャージジョウゲとトレパン、トレシャツというらしい。
「コウサさんで良いですか?あなたもその鑑定を使えばわかりますから、見過ぎないようにして」
なんで私が希少スキルの鑑定を持っていることを知っていたのだろうと思い。
「レグアさんからでいいですか?そのあとお二人もよろしいですか」
三人はどうぞお好きにというので鑑定をしてみると
レグア・ニーア
種族:森の守り人
女性
23歳
称号:看破者
笹山 冬夜
種族:人間(?)
年齢:46歳
男性
称号:剣神、拳神、賢神、夫婦神、神造神、三柱神
笹山 詩歌
種族:人間(?)
年齢;46歳
女性
称号:斧神、腐神、負神、夫婦神、神造神、三柱神
森の守り人という文字を見て驚いた、おとぎ話に出てくる旅人の一種族で、確かエルフ族と同じで大変美しい種族であり、森での旅において彼らが居なかったら何度全滅の危機に瀕したことかと、思わされた種族だった。
それより問題は二人だった、神ってついちゃってます。しかも一つとかではなくいくつも、神という称号はそもそも死後に付きかつ着いた時点で神界へと召され、地上へは恩恵だけを授けるものだと言われているものです。
それなのにそれを二人はそれぞれ六つも持ったうえ、地上で普通に暮らしているようです。
神殿などで稀に降臨はするそうですが、私は見たことがありません。
思わず自分がまだ器をとらなかったことに感謝をしつつ、起き上がっただけの状態では不敬と思い、すぐに姿勢を正して平伏した。
「神とは知れず失礼な態度をし申し訳ございません」
二人は慌ててそれを止めて、必死になって普通にしてくれと頼んできた。
なぜ神だという自覚あないのですかと聞いたら、レグアが言ってるだけだし他の皆は友人として接してくれて居るから、たまたま神って思いこんでいるだけだろうと思っていたんだけど、等とのたまわっていたので、この世界の神についてを懇切丁寧に語って見せた。
ようやく納得してくれたら、今度はもう一人女の子を呼び出して相談し始めた、レグアさんに聞いてみたらお二人のお子様だという、うん、年齢から考えたら普通ならもっと大きな子供が居てもおかしくないので納得しておいた。
暫くすると、これでいいかなと言い出して、こちらに鑑定を求めてきた。
レグアと共に鑑定をすると、先ほどの称号の部分が料理人、旅人と、裁縫師、旅人に変わっていたが、レグアは物凄く苦しそうに頭を抱えてのたうち回っていた。
少しすると落ち着いた後、怒りながら二人に問いかける。
「何ですかその、料理人や裁縫師と旅人の後ろのカッコは」
「あーレグアそこ見破っちゃうんだ、むしろよく耐えられるね、見破る前に気絶するか死にそうなのに」
「散々あなた方に鍛えられていたらこうもなります」
看破者の能力は鑑定の上位で扱うのは命がけなのかと納得しておいた。
「まあほら、気にしないで、それよりコウサさんは冷めないうちに食べちゃって」
そう促されて、黄色いとろみのあるものを飲んでみると甘みのあるすごく優しい味がして気づくと空に成るまで飲み干していた。
色々と心配されていたが何も問題ない事を伝えると、安心したのかじゃあちょっと里の料理でも食べていくかいと言われ承諾した。
集会所らしき場所へと案内されそこでは里の皆が食事を楽しんでいた、私が来ても歓迎され色々と料理を渡される。
辛い物から甘いものまでいろいろとあったが、途中でエールが飲みたくなってしまった。
冬夜達は、それを見てもしかしてお酒がほしいのかいと聞いてきたので、顔を赤らめながら肯定すると、流石は神様というべきなのだろうか、透き通った人がやってきて冬夜に何かを渡し、下準備されたものを詩歌に渡すと、詩歌が何やら神々しいオーラを放ち何かをした。
その後出来上がったものを、冬夜が自分の器に注ぎ味見をすると、これでよければ飲むかいといって新たな器を渡してきたので受け取り注いでもらう。
ものすごく冷やされて泡の出るエールのようなものが注がれた。
それに釣られるかのように、巨大な男と太った男と先ほどの透明な男がやってくる。
「冬夜さんだけで楽しむなんてずるいっス」
三人はそういって冬夜からエールを分けてもらうと、持ってきた山盛りの『カラアゲ』と呼ばれたものをつまみながら飲み始める。
「っかーこいつはタマンナイッス」
そう言いながらパクパク食べ飲干してしまった太った男は、満足したのかまた何処かへと行ってしまう。
見ていてすごく美味しそうだったので、同じようにしながら呑んでみたところ、ものすごい衝撃に襲われる。
こんなに美味しいお酒を飲んでしまっては、きっと戻っても美味しい酒は飲めそうにないという衝撃だ、悔しいので涙を流しながらバクバクと食べ飲干すと冬夜が聞いてきた。
「美味しい物を食べておいしい物を飲んで何を悲しんでいるんだい」
「だってこれをもう二度と味わえないと思うと悲しくて」
「すぐにとはいかないが、そのうちこの里では普通に作られるようになるさ」
まずは、他の種族を見て回ってから考えないといけないけど、と言い出す。
そのあと色々と聞いてみたところ、降臨したのがこの里で、森のど真ん中にあるものだから、まずは開拓と立て直しから始めたのだという。
ここまでの状況を二月で作り上げたと聞き、ありえないと驚いたが、そもそもの協力者が有り得ない者たちだった、おとぎ話に出る森の守り人と、それらの最後に登場した見守るものたち森霊が協力しているのだという、先ほどの透明な人たちは森霊であったというのだ、そこでさらに驚いてしまった。
この里の事についていろいろと聞かれた後は、この世界の事とここ以外での一般的な服装や技術や魔法などについていろいろと聞かれ、答えていくとアカレ子と呼ばれた子がむくれながら、お父さんとお母さんはその辺も私に聞けばいいのですと言い出した。
現場と知識では、齟齬があるからだよとなだめて、何とか誤魔化していたが、何でアカシックレコードを利用しないのでしょうかこの両親はと拗ねていた。
アカシックレコードと言えば、全ての魔法使いたちが目指す究極の筈それがぽんと出てきている時点で何かおかしいと首をかしげていたら、アカレ子ちゃんが自己紹介をして納得したうえで酔いが回っていたおかげかスルーできた。
結局色々と話しながら色々なお酒を飲まされそれらはどれも極上で、気付けば酔い潰されて寝ていた部屋で目が覚めた。
暫くはコウサがメインになります。
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