第十一話 これからの事について
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伐れなかった木々について聞きに行ったレグアとガズが戻ってくると、持って行った枝についての説明が始まった。
すべてを聞き終わり、伐採するという事を聞いてどうすれば切れるんだという話に成ったが、ガズと詩歌が二人係で何とかするという事を聞いて、他の者たちは納得した。
説明が終わった後しばらく、伐れる木を伐採していると冬夜達がやってきた。
「おまっとさん、ひとまず切れない木に関してはアカレ子に調べてもらってからで、アダマンツリーだけは、今から詩歌とガズが伐るからその辺は開けておいて」
そう言って冬夜は、どちら側に倒すかと倒れこんだ所にある木を調べ、予定区域の木を片っ端から豆腐でも切るように取り出した中華包丁で切り倒していった。
暫くして伐り終わると、後は頼んだといった後にorzみたいな恰好で落ち込んでいた。
気に成ったグレコが聞いてみたところ、鉈を取り出したつもりで伐っていたとの事で、料理に使う大事な包丁を使ってしまい、落ち込んでいるとの事だったが、包丁を見たところ傷一つないので、大丈夫ですよ傷一つありませんと言ったら、よく見て傷がないことを確認すると安心したようで復活していた。
復活した冬夜は今度こそ大丈夫と、鉈を手に持ち切り倒した木の余計な枝を払って行った。
アカレ子は悩んでいた。これを話すべきなのかを、命の木と反射の木についてだ。
レグアに確認してみたが看破が通らず、仕方ないのでその効果をそのまま名称にしたとの事だったが、看破が通らないのも当たり前だった。
命の木と呼ばれたそれはそもそも高位生命体だったからだ、ひとまず近づいてこんこんと叩こうとするもやはり柔らかい感触が帰ってくる。
『そろそろ偽装解いてくれませんかねえ?森霊さん』
「ぐ…仕方ない」
そう聞こえると見る見るうちに、伐れなかった木の数本が、透き通った人の形へと変わる。
老人の男女と言った感じで少し青みがかった透明な人型が、里の周囲から十人程集まってきた。
その現象を見た里の者たちは一斉に逃げるように冬夜達の後ろに回った。
森の悪霊だ、浚われちまう、食われちまう。などと聞こえてくるが、彼らは心外だとばかりにふんと一つ鼻で嗤った。
そもそもが、この里の人の弱さから考えておかしいとは思ったのだ、襲われて直した形跡が殆ど無いことは、原因は反射の木と呼ばれていたものと森霊だろう。
「やあどうも、冬夜と言います。森霊さんでいいのかな」
アカレ子の横にいる森霊に冬夜が近づいて声をかける。
「ふむ、名前はとうに失われたからそれでいい」
『ウォンドラさんですよお父さん』
「確かにそんな呼ばれ方もしてた気がするがはて」
『三柱神が一人にして、詩歌冬夜の娘、全知アカシックレコードのアカレ子と申します』
「アカシックレコード…まさか」
『その通りでございます。皆様のお名前も過去から現在も全て私には在ります』
森霊たちはなぜか、アカレ子の元へと集い跪き頭を垂れた。
アカレ子は一人一人の名前を呼び挨拶していく、懐かしい名前を聞いたものたちは、一部は涙し慰めあい、もう一部はうれしそうに肩を組みあって喜び合った。
「ええと、幸せそうなところ悪いけど、君たち一体何なの」
あとからやってきた詩歌が唐突に聞いてきた、森霊が言うには旅人たちに頼まれて、各部族の集落が安定するまでの間守ってほしいという契約で存在していて、他の種族の者たちは、それなりの時間で安定したが、ここだけはどうしようもなく、最終的には他の地に居た者たちも集まってここを守っているとの答えが返ってくる。
反射の木とは結界柱で、危険なものをここに近寄らせないようにする作用を、森霊たちが里の成長に合わせ移動したり維持管理しているとの事だ。
怯えていた里の者たちの前でそのことを説明したら、グレコが代表して謝罪しそのあとは、色々と話し合っていた皆も慣れたのか、里の老人をいたわるような感じではあるものの仲良く接していた。
結界柱について聞いてみたところ、普通の木に力を注いで一時的にそうしてあるだけなので、里を広げるつもりならば、予定された場所を教えてくれればそこまでずらして結界柱を形成するとの事だった。
魔素に関して聞いてみたところ、影響がないというよりはそもそもは、魔素自体が存在しない時代からいるので、どちらでも問題はないそうだ。
結界柱も一度発現させれば、別に近くにいる必要もないそうで、面倒だからその場で木に成って居ただけとの事だった。
「ならば、皆里の中で暮らしてはいかがでしょう」
「里の中で皆でか、今代は面白い事を考える。まるで初代のようだ」
初代の話を聞いてみると、里の中心から守れる範囲だけでいいと言っており、はみ出したのは自活でいるように何とかしろと、大雑把な性格だったようだ。
言った本人が真っ先に里の外に出て自活しようとし、必死に皆で止めて代わりに腕自慢の者たちが外へと出て新しい集落を作ろうとしたらしい。
数年後戻ってきたが、結果は失敗に終わり帰ってきた者たちも里の者も含め変異していた、狭すぎる里ではどうしようもないという事で、戻ってきた者たちは安全な場所を見つけ出してそこで暮らす、ここには戻って来れないと思うが、又何時か子孫が会えた時にはよろしく頼むと言われ旅立った。
幾度となくそれを繰り返し、最終的に森霊が全てここに来た頃に、初代が寿命を迎え周囲から里を見守ってくれと言い残してこの世を去っていった。
それ以降は徐々に里を広げ今の状態まで成長したが、変異の影響で弱いため森霊はそのまま見守っている状況であった。
『この方たちが協力してくださるなら、里の食糧事情は一気に解決しますが』
「どういうことだアカレ子そこのところを詳しく」
「それについてはこちらが話そう、我々は植物王元は森の妖精だったが、この姿に成った時に手に入れた力のおかげで、すべての植物を発生させたり成長させることができる力がある。これを使えばという事だな」
『その通りです。彼らにここで育成できる、食材となる植物を出してもらい、それを里で育成していけば食糧問題は解決します』
「ここでは育てられないはずのものでも、儂らがやる分には収穫できるぞ」
「これは、香辛料が命の俺の料理ができるってことか、素晴らしい」
冬夜はそのまま香辛料を使った自分の料理へと考えが逝ってしまい戻って来なくなってしまった。
「冬夜君はほっといてー、まず協力してもらえるのかだよね」
そう聞かれると、ウォンドラはほかの者たちを集め相談を始めた。
たまにアカレ子や詩歌や冬夜を見ては、また話し合っている様で、なかなかに時間がかかりそうであった。
反対を見れば里はもっと拡張できるというのが分かり、里の広さをどうするかなどをグレコたちは話し合っている。
『お母さん暇そうですね』
「そりゃ暇だよー服も作りたくても材料ないし、その辺もだいたい見てきちゃったから」
『いっそのこと、森の動物でも掌握なさってみてはどうですか』
「動物の掌握って可愛いのでもいればそれも考えるけど」
『このようなのが居ますが』
空間に映像を映し出し、変異前と変異後を見せられる。見せられたのはアングリータイガーと言うトラ型の魔物だった。変異前はホワイトタイガーとなっており子供のトラは凄く可愛らしかった。
「なにこれすっごい可愛い、欲しいよこれ!庭で飼おうよ」
『ただ親子まとめてでないと流石に駄目だと思いますよ。一度浄化さえしてしまえば耐性があるらしく、それ以降は再変質しないようですから。』
「わかった、まとめて捕まえればいいんだね。で、どっちに居るの」
あちらの方ですが、途中で危険なと言ったところで詩歌はすでに出発してしまった。
『お母さんなら大丈夫でしょう』
「あの詩歌さんはどちらに行ったのでしょうか」
「あの女神は何処へ行ったんだ」
話し合いがまとまったのか二人が代表としてやってきたが、空間に映し出されたものを見て、両者は焦っていた。
「まさか捕まえに行ったんじゃないだろうな」
『そのまさかです、躾けて浄化して飼うそうですよ』
「詩歌さんが死んでしまう!急いで何とかしないと」
『大丈夫ですよ、お昼には帰ってきますから』
里の話し合いについては、森霊は受け入れて里で暮らす。里は今よりかなり拡張して畑の面積を広げることとなった。
アダマンツリーどこ行った。
果たして、話を聞かずに飛び出した詩歌はどうなるのか




