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第十話 訪ねてきたのは

 広場で開いた宴も終わり、各自解散し睡眠をとって朝を迎え、根本的に木材が足りないという事で、広場に集まった皆は各々に伐採準備をし伐採を開始した。

 里総出でやったため順調に進んではいたが、一部どうやっても伐採できない木があちらこちらで見つかる。

 ガズに聞いたところ、伐採できない木には種類があり、それぞれ命の木、石の木、反射の木と呼んでいるそうだ。

 そのうちの石の木とやらを切り倒せそうとガズが言い出したので、まずは枝を伐ってみてそれを調べてからにしようという事に成り、それを叩き落した時に起こった。

 落ちてきた枝が、地面にめり込んだのだ。何とか掘り起こして持ち上げようとしたが、ガズが辛うじて持てる程度だった。

 何やらおかしいという事で、レグアが冬夜達に相談に来たのだが…


「んん…笹山家(ささやまけ)?御用の方はこちらを押して。なんで読めるんだろう」


 文字という文化が無かったにもかかわらず何故か読めた、あとで聞いたところ日本語というらしい。

 押してとなっていたが、まずは門を開けて中に入ろうとしてみたが、門が開かないどころか、見えない壁によって防がれた。

 仕方なく、押してみるも何やら気の抜けた音がするだけで一向に何も起きないので、ポチポチと押し続けてみた。

 すると、押していたところから声が聞こえてきた。


『はいー。ああレグアか今行くから待ってれ』


 冬夜の声が聞こえた、何故私だと分かったのだろうとかまってれって何だろうと悩んでいたが、ひとまずはおとなしく待っていた。

 何やらてらてらした緑色に白い縦線が両サイドに一本だけ入った上下の服とサンダル姿で出てきた。

 ああ、ジャージが気に成ったのか、寝起きだからまだ着替えてないんだなどと言われても、起こしてしまったのか、申し訳ないという気持ちが込み上げてきた。


 時は少し遡る、呼び鈴に起こされて冬夜はどうしたものかと考えながら音の元へと向かった。

 台所にある受信機の前に着くと、そこにはモニターが付いており、しっかりと外の様子が映し出されていた。

 応答というボタンを押すと、声が出るようなので押して答えた。


「はいー。ああレグアか今行くから待ってれ」


 念のためジャージ上下とはいえ寝癖などだけチェックしてから向かった。

 寝起きの格好のままで済まないと言ったら、起こしてしまったのかとすまなそうな顔をしていた。


「気にするな、いつもはもっと早くから起きてるから、むしろ起こしてくれてありがとうだな」

「そう言ってくれると助かるよ。それより大変なんだ、材料が足りないから伐採していたら、良く判らない木がいくつかあって、それの一つの枝を落としてみたんだけど…ああきたきた、ガズこっちー」


 遠くの方から、ガズがのろのろと歩いてくる。両手で何かを抱えているようだが物凄く重そうにしている。

 時間がかかりそうだし大変そうなので、門を開けて急いでガズの方へと向かった。


「ガズ大丈夫か!何が有った」

「これ伐った、地面穴開いた、持ってきた」


 たぶんこれを伐ったら地面に穴が開いて、良く判らないのが気になるから持ってきたんだろう。

 早速、アカレ子に聞こうとしてみるも反応がない、寝てると駄目なのか?以前の検索エンジンのようなものは呼び出せたので、そちらで調べてみるとアダマンツリーとなっていた。


アダマンツリー:長い年月をかけて地面の鉱脈から吸い上げた水で成長した木が付けた種は、稀に金属植物として発生する。それが魔素の濃い場所で成長した際に稀に発生する樹木。金属のアダマンチウムとほぼ同じ性能を持つ木となるが、その硬さゆえまず伐れる者が滅多にいない。切り倒しても切株が残っていて魔素が十分に周囲にあると、再び成長を始める生命力の強い木。


アダマンチウム:アダマンタイトと言われる魔法金属を作る元素材、加工が非常に難しく色々な加工方法がある、もともとは物凄く重いが加工次第では物凄く軽く頑丈な素材ともなる。


 うまいこと加工してしまえば、防壁のコーティングとかに使えそうだが、まだ先の話になるだろう。

 ひとまず切り倒してどこかに保管しておきたいがそもそも切り倒せるかどうかが問題だ。


「アダマンツリーというものらしいが、切り倒して保管できるような場所があるか」

「切り倒すはできる、重すぎて運べない、置いていいかこれ」


 ガズはずっと抱えていたが流石に限界だったらしく、構わないというと少し離れた位置に投げた。

 ドンっと腹に響く音がして、少し揺れたがこれは重過ぎるというのは確かみたいだ。

 後ほど、アカレ子に聞いて何とかして伐採してしまおう。巨大な集会所をこれで作っていざと言う時の避難場所にするのもありかもしれない。

 音を聞きつけたのか、アカレ子と詩歌が眠そうに眼をこすりながら寝巻のままやってきた。

 冬夜は詩歌を見て慌てて駆けつけて上に来ていたジャージを羽織らせる。

 アカレ子は昨日のワンピースのままだったが、詩歌は寝るときのシミーズ一枚のまま出てきたのだ。


「詩歌さんここ外、その格好はダメでしょ」

「ん~大丈夫だって見えないでしょ~」


 寝ぼけながらそう言っているが、見えそうであったので、とりあえず顔洗って着替えてくるように言ったら、寝ぼけながら返事をして戻っていった。

 顔を洗ったら冷静になったのか悲鳴を上げていたが気にしない事にしようと思う。


「しかしこれ、重いなどうしたもんか」


 試しに持ち上げようとしてみたものの、一向に持ち上がらなかった。


『おとうさん、それにまず力を軽くなれと思いながら込めてみてください』


 思念が飛んできたので、早速やってみると普通の枝並みに軽くなったので、持ち上げて振り回してみた。

 ガズがすごいなと言うので、軽くしたんだよと投げてみたら、慌てて重い物だと思い両手で構えて受け取るも、普通の枝だったことに拍子抜けしていた。

 試しに曲げられるかを挑戦したが、硬さは以前のままらしく、軽いだけで加工はできなさそうだった。

 アカレ子情報だと、切り倒した後でないとこういった軽くしたり、加工しやすくしたりといった形質変化はできないとの事だったので、ひとまずは切り倒そうという事に成り、午後からガズと詩歌が二人がかりで取り組むことが決まった。

 他の木についても調べてみるという事に成り、三人は朝食や着替えなどを済ませたら皆に合流するという事でいったん別れて、ガズ達は戻って皆に説明に向かった。

ブクマ評価ありがとうございます。

励みになっております。

ちょっと不定期気味で申し訳ありません。


待ってれは誤字ではなくわざと言っているだけです。

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