↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/17

第003話 犬の門番さん

 城門前で通せ、通さん、押し問答をする猫たち一行と衛兵隊。


 門番はがっしりとした体格の、柴犬系の犬獣人、背筋はピシッと伸び、人一倍の忠誠と使命感がみなぎっている。


「通行証がない者の通行は認められません。これは人族の主より預かった、絶対の職務です」


「にゃ……なんか妙にキッチリしてるにゃこの人」


 クロがひるむ。門番――名札には「ポチ二等兵」とある――はビシッと敬礼した。


「当然です! 我々犬獣人は、ご主人様への忠義をもって生まれてきた種族! 命令は絶対、規則は絶対、任務放棄などあり得ません!」


「にゃるほど……」


 タマが箱から出て、感心したように頷く。


「うちの子たちと真逆にゃ……」


 その時、シロがのそっと起き上がり、ポチ二等兵をじーっと見つめた。


「……お前、暇な時は何してるにゃ?」


「暇な時間などありません! 常にご主人様の役に立てるよう、待機と鍛錬に努めております!」


「……昼寝は?」


「不要です! ご主人様がお呼びになればいつでも動けるよう、常に臨戦態勢を維持しております!」


 シロとミケが顔を見合わせた。


「「別の生き物にゃ……」」


 そこへ、隊長格らしき年配の犬獣人(プードル系、貫禄あり)が到着した。


「ポチ、状況は」


「はっ! 通行証を持たない猫獣人四名が通行を求めております!」


 隊長は一行を見渡し――ふと、箱に入ったままのミケに目を留めた。


「……なぜ箱に入っている?」


「にゃ? 落ち着くからにゃ」


「理由になっていない」


 犬たちの間に、微妙な沈黙が流れる。忠誠と規律で固められた彼らにとって、この猫たちの行動原理はあまりにも予測不能だった。


 隊長が小さく咳払いをした。


「……通行証は東の役所で発行できる。手続きには半刻ほどかかるが」


「半刻!?そんなに待てにゃい!冒険王への道のりが……!」


「規則です」


 犬獣人たちは一糸乱れず、同じ言葉を返した。


 こうして猫たちは、忠犬たちの鉄壁の規律の前に、あっさりと足止めを食らうのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。