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胞子系終末短編集  作者: 胞子観測者
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夜行性生物の装備解除

夜行性生物の装備解除


玄関で黒い装備をひとつずつ外していく。

調光レンズ。長袖。光を避けるための薄い盾。


外の世界は明るすぎる。


靴底に残った昼の熱が、ゆっくり床に逃げていく。

ようやく呼吸が深くなった頃、

服の内側からシンガーデンの匂いがした。


冷蔵庫の奥で長く眠っていたくせに、外気に触れてからは妙に、機嫌がいい。


薄暗い部屋の空気に混ざりながら、

甘い匂いだけが先に巣へ帰っていく。


夜行性生物は、少し安心して、巣の灯りをつけた。


白すぎない光が、静かに壁へ広がる。


外ではまだ昼の名残が動いていたが、

ここはもう、ゆっくり夜になりはじめていた。

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