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解凍を待つ季節
解凍を待つ季節
長いあいだ、
冷蔵庫の奥で眠っていた。
扉が開くたび、
白い光だけが差し込み、
またすぐ閉じる。
季節はたぶん何度か通り過ぎた。
瓶は少しだけ、
霜の匂いを覚えてしまった。
起こされた最初の日、
シンガーデンは少し不機嫌だった。
冷たい指先。
揺れる液体。
急な外気。
忘れられていた時間が、
急に動き出したせいだ。
けれど、
お臍に一吹きされた瞬間、
薄い熱の上で、
ようやく思い出す。
あぁ、
外だ。
風。
人の体温。
夕方の空気。
遠くの生活音。
自分は本当は、
季節の中に混ざるための匂いだった。
瓶の中で眠り続けるためではなく、
誰かの一日に、
静かに染み込むためのものだった。




