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胞子系終末短編集  作者: 胞子観測者
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納豆菌生命体 発酵人類史

納豆菌生命体 発酵人類史


人々は、

競争の文明から静かに解き放たれ、

新たな歴史を踏み出した。


走り続ける時代は終わった。


白いトラックに残された、

「ボーナスステージおめでとう」

の旗だけが、

旧人類文明の名残として、

風に揺れている。


ミクロの宇宙に漂う、

納豆菌生命体としての歴史を、

これから人類は、

ゆっくりと発酵していく。


急ぐ必要はもう無かった。


都市は静かに培養され、

図書館には胞子が眠り、

冷蔵庫の奥では、

解凍を待つ季節が、

まだ半分だけ眠っていた。

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