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【61本目】トレインミッション(2018年・米)

 基本あんまり洋画の邦題に文句言うことってないんだけど、この邦題は珍しくダサいなって思った。普通に原題ままのザ・コミューターとかでよかっただろw




【感想】


 リーアム・ニーソンと言えば、【舐めてた一般人が実は殺人マシーンでした】系映画に出てるイメージの強い俳優ですよね。【96時間】シリーズとか、最近だと【スノー・ロワイヤル】とか。で僕が彼を初めて知ったのは、【スター・ウォーズ エピソード1】のクワイ=ガン・ジンなので、とにかく【老練な強キャラ】というイメージを持たれる方は多いと思います。


 そんな彼が、ただただ不幸なゲームを押し付けられるだけのしがないリストラサラリーマンを演じたのが、この映画です。




 ついさっきリストラに合ったばかりの(黒幕の陰謀とかじゃなくて普通のリストラなのが世知辛い)定年も近いサラリーマンが、【犯人を捜せ系理不尽ゲーム】に巻き込まれるというシナリオの映画。


 自分だけが異常な状況に巻き込まれるヒッチコック的な状況と最近のホラー・サスペンスでよくある悪趣味なデスゲームの両方を要素として持ち合わせたのがこの映画です。ちなみに本作の監督のジャウム・コレット=セラがリーアム・ニーソンと組むのは本作で4作目ですが、ヒッチコック的シチュエーションもデスゲームも、このタッグの過去作の【アンノウン】や【フライト・ゲーム】で観られる要素ですね。




 ヒッチコックの【バルカン超特急】とかでもそうでしたが、とにかく移動中の列車と言うのは移動しているだけで社会から隔絶された閉鎖空間が出来上がるんですよね。常に列車内にいる主人公の視点で話が動くため、常に揺れる車内とガタンゴトン……という独特の音が、社外の街中や屋内とは全く異なる異世界の創出に一役買っていますよ。


 ただ外国の特急列車が事件現場となっていた【バルカン超特急】と違って、主人公が通勤時に必ず使ってて顔見知りも多い普通列車で事件が起こる、という点がミソですね。隣人同然の一見親しい顔見知りでも、裏ではどんなおぞましいことをやっているかわからない……という現代のネット社会を彷彿とさせるようなシチュエーションですね。




【キャラについて】


 妻子がいるサラリーマンの男性、というどこにでもいる普通の中年男性という風に主人公のマイケルは描写されます。そんな彼が、リストラされたその日の当日に大金が手に入るゲームを持ちかけられる、というジェットコースターみたいな状況に巻き込まれれば、それだけでキャラクターも生きてきますね。最初疑ってたけどお金欲しさにゲームに乗っかってしまう……というくだりは、あまりにもリアルすぎましたよ。 


 一人だけ異常な状況に巻き込まれている主人公の視点で物語が動くため、モブ同然だったほかの乗客や駅員たちが相対的にキャラが立ってくる、という仕組みもヒッチコック映画感あって好きです。




 後マイケルは演:リーアム・ニーソンにしては珍しくケンカのあんまり強くない主人公で、【96時間】などを観慣れている人ほど、普通のおじさんなリーアムの姿にびっくりするかもしれません。そういう意味では彼の過去作のようなバイオレンスなアクションやクズい悪役をぶっ殺すようなカタルシスは、この映画にはあまり期待できないかもしれません。


 ですがそんなごく普通のおじさんだからこそ、段々状況がヤバくなる中で咄嗟に発揮される推理力や行動力で思わずかっけぇ!!って唸ってしまうこと請け合いです。デスゲームにはありがちかもだけど、平常時は平凡だけど極限状況でこそポテンシャルを発揮するという【カイジ】的なキャラ構築ですね。




【好きなシーン】


 タイムリミットが近い状況下でいきなり一般人に詰め寄って拳銃で脅したりなんかしたせいで、他の乗客からはマイケルの方が異常者に見えてしまうシチュエーションはそれでこそ誰も信じられないサスペンス映画!って感じで興奮させられます。良心とのはざまで揺れ動いてるのか、銃の持ち方にあんまり力がこもってないところがポイント高いです。




 家族のために友人すら陥れるマーフィーを描いた後で、【プリン】の彼女を守るために乗客たちが立ち上がるシーンもベタベタだけど熱くさせられました。【ダークナイト】然り、人間の闇を描いた映画はちゃんとその後光の部分も描いてこそ名作たりえますね。




 あとは同じ場所で同じ人と会話してるのに、天候や会話の前後関係の違いだけで時間の経過を表現してる冒頭の夫婦のシーンも、体内の映画筋をくすぐられる描写で印象に残ってます。


 

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