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【60本目】キス・オブ・ザ・ドラゴン(2001年・仏)

 ジェット・リーのリーってLiだからブルース・リーのリー(Lee)よりかはどっちかというとそっくりさん俳優のブルース・リィのリィ(Li)に近いのね。




【感想】


 香港でジャッキー・チェンに次ぐ人気を誇る功夫アクション俳優、ジェット・リーは、1998年に【リーサル・ウェポン4】でハリウッドデビューを果たして以降、香港を飛び立って様々な海外映画に出演するようになりました。


 その時期のジェット・リーと、【ニキータ】【レオン】を監督したことで知られ、【Taxi】などでプロデューサーとしての手腕も発揮したリュック・ベッソンがタッグを組んだのが、この映画です。




 これ初めて見たの10年位前だったかな? それより前にはジェット・リーの主演映画は【ワンチャイ】の1作目と2作目を見た程度だったんですけれども、とにかく香港のカンフーアクション映画とは全く文脈の異なるアクション展開に心奪われましたね。


 ジェット・リーの功夫アクションは【ワンチャイ】時代と変わらずキレキレでそこだけでも楽しめるんですが、それにプラスして【レオン】的なノワール映画の文脈が乗っかっているのでひたすらハードボイルドな空気を味わえます。


 血の飛び散り方とか警官の腐敗っぷりとか、完全にノワール映画のそれですからね。フレンチノワールと香港ノワールは近似性が強いとよく言われますけど、そういう意味ではチョウ・ユンファが2丁拳銃でジェットを助けに来てもおかしくない作風の映画でしたw


 あとモップとかビリヤードのボールとかを身の回りにあるものを使ったアクションはどっちかというとジャッキー的ですね。まあこの映画のアクションはジャッキー映画のようなコミカルさはなく、ひたすら暴力的なんですが。




 又この映画でジェット演じる捜査官は味方がほぼいない状況で孤独な戦いを強いられる、という過酷な状況に陥りますが、劇中何度も映される白人が大多数のフランスでアジア系の彼が街を歩く光景は絵的にも浮いてましたし、彼のほぼ仲間のいない状況ととてもマッチしていましたね。もしかしたらヨーロッパ在住のアジアの方なら、より感情移入して楽しめるかもしれない、という気もします。




【キャラについて】


 花の都・パリで陰謀に巻き込まれたから功夫使って乗り切る中国人、という設定の時点でジェット演じるリュウ捜査官は絵的にもキャラクター性抜群ですね。警察署に殴り込みに行くシーンはブルース・リーに高倉健といったアジアの名優へのオマージュが込められているそうです(確かに空手家百人斬りのシーンとかブルースっぽいな)。


 キャラクター性と言う意味では、米国出身なのに気が付いたらパリらしい優雅さとは皆無のきったねぇ路地で娼婦やってたブリジット・フォンダ演じるジェシカや、汚職警官でしかも並みのマフィア映画のボスでもここまでやらんぞってレベルで人の命をゴミ同然に扱うチェッキー・カリョ演じるリチャードも然り。


 


 あとリュウ捜査官は子供いないわ結婚すらしてないわ「タイプはない」なんて平気で言うわで色恋沙汰とは皆無と言うか、ほぼ精通前の少年と変わらないんですよね。そんな彼がジェシカとの出会いで、単に個人的な理由だけで逃走するのではなく、ヒロインを救うヒーローとして黒幕を倒すことになる、という流れがベタながら少年の成長を見ているようで熱いんですよ。




【好きなシーン】


 個人的に映画史上最もかっこいいタイトル回収でしたねあのラストシーンは。無駄一つない動きでチェッキー・カリョ演じるボスの秘孔を突いて、必殺の秘孔の名前を「お前はもう死んでいる」的に口にするシーンは芸術性すら感じました。最初に見てから10年くらい経ってますが、それでもこのシーンの格好良さは脳の奥底に刻み付けられてます。




 あとは幹部らしき奴がおじさんを銃殺した後、霧の靄の中で気が付いたらいきなりジェットが前に立ってて箸だけ首にぶっ刺されて殺されるシーンも超好みですね。直前までのような派手なアクションとは無縁のただただバイオレントなだけの殺し方ですが、数少ない理解者を殺されたリュウ捜査官の怒りがこれでもかってくらいに伝わったシーンでもありました。


 

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