【125本目】ゾンビ ディレクターズカット版(1978年・伊)
たまーにほぼ肌色だったり、動きがほぼ人間だったりなゾンビが見つかる。
【感想】
連続でゾンビ映画の傑作でいきます。
【ナイト・オブ・ザ・リビングデッド】に同じく65万ドルというかなりの低予算でありながら(同年の実写版スーパーマンが5500万ドル)、全世界で5500万ドルの興行収入をたたき出した映画で、この映画がきっかけとなって知る人ぞ知る監督だったジョージ・A・ロメロ監督がホラー映画の名手として知られるきっかけになった映画でもあります。
なお製作及び音響には【サスペリア】などで知られるイタリアン・ホラーの巨匠・ダリオ・アルジェントがかかわっており、ある意味でホラー映画における二人の天才の夢の共演が実現した映画でもあります。
内容が物議をかもした映画だったためか、【米国劇場公開版】【ディレクターズカット版】【ダリオ・アルジェント監修版】【日本劇場公開版】……と状況によって編集が異なっており、結果いくつものバージョンが存在する映画になっています。
監督が同じジョージ・A・ロメロということもあって【ナイト・オブ・ザ・リビングデッド】に同じく、ほぼ一つの建物の中のみで話が展開されます。
まあ一家屋にこもってた【ナイト~】に比べるとこっちはショッピングモールなので全然マシですけど、ゾンビものでこういう一空間に籠ってる映画見てると、低予算映画とゾンビものの相性について考えさせられますね。
ゾンビ自体低予算でもちょっと青塗りしてフラフラ歩かせたらそれっぽく魅せられるから、いうのもありますけど、最悪【ゾンビが出歩いてるから外に出られない】という設定さえあれば一家屋内でも物語を進められるわけですから。
(関係ないけど、【ダイ・ハード】みたいな閉鎖空間系アクションってもしかしてこういう映画の影響があったりする?)
で振り返るとね、ゾンビが蔓延しているディストピアでありながら、明るいBGMが流れているシーンが多いんですよ。しかもゾンビが跋扈してるシーンは特に。
明るいBGMで逆に絶望感を強調、っていうよくあるホラー演出なのかもしれませんけど、なんかラストシーンといい、むしろ人間が滅んでゾンビの天下となりつつある世界を明るく祝っているようにも見えてきます。
(ホラー好きに限らず、僕含め映画好きの人々ならそのくらいの破滅願望は大なり小なりあるはず)
【好きなシーン】
中盤後半寄りの、ゾンビを締め出して密閉空間を作った後でやることがないからスポーツとかゲームとかやってるピーターとスティーヴン、ファッションとかメイクとかにいそしんでるフラニーですかね。
一見ゾンビに囲まれている状況下で何やってんだよ!と突っ込みたくなるところなんですけど、彼らは【一応ゾンビを完全に封鎖したけど、出られないし助けも来ない】という八方塞がりな状況なんですよね。そういう希望の見えない状況下では、遊びとか娯楽に触れていないとマジで気が狂いそうになるから現実逃避の一環として遊んでいる、と考えると、あれらのシーンは逆に終末的に見えてきます。
(【がっこうぐらし!】とか、案外こういうシーンから着想を得てるのかもしれない)
あと、主人公やチンピラ集団がの車やバイクでモール内を爆走しているシーンは、製作陣の【一度やって見たかった】感が出ててほほえましかったですw




