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【124本目】ナイト・オブ・ザ・リビングデッド(1968年・米)

 噛まれた女の子がゾンビ化してて謎にホッとしたのは自分だけかな?


 いや噛まれたからゾンビになる前に殺す、みたいな展開の方が個人的には耐えられないので……




【感想】


 ゾンビホラー映画のパイオニアにして金字塔となる作品で行きます。


 製作費11万4000ドル(同年の【猿の惑星】が580万ドル)、シーンはほぼ一軒の屋敷の中、プロデューサーや監督自身が役者として出演、登場する車はスタッフの身内の車、とThat's B級映画という感じのつくりでありながら、最終的に世界各国で3000万ドルの売り上げを記録した映画です。


 ジョージ・A・ロメロはこの映画で監督としてデビューしましたが、この映画が当たったことで後に【ゾンビ】などのゾンビ映画を数多く製作することになり、ホラー映画界の鬼才として知られることになりました。


 自分はゾンビ映画は【ワールド・ウォーZ】と【28日後……】と【プラネット・テラー】を見た程度ですけど、そんな僕でも「あの映画で見たぞこの展開!」という描写が数多く見られて感激しましたね。


 ちなみに元祖ゾンビ映画ながら劇中でゾンビという言葉は使われておらず(【リビングデッド】や【グール】など。和訳でも【バケモノ】としか言ってなかった気がする)、現代的ホラー映画が一ジャンルとして完成していなかった時代の残り香が感じ取れます。




 ゾンビ映画として既に完成されてる脚本なんかも見どころですが、僕が元祖ゾンビ映画(初じゃないらしいけど)を見て思うのは、【ホラー映画に『理由』とかいらねぇんだな】ってことですね。墓参りに来ていた兄妹に何の脈絡もなくゾンビが襲い掛かって、兄貴は殺されて妹は逃走。それだけで十分緊張感のある物語の『起』ができ上がっています。だいぶ後半の方で衛星からの放射能の影響、という一応の理由が言及されますが、その情報もさらっと触れる程度。完全に【なぜ、ゾンビが現れたのか】ではなく【どうやってゾンビから生き残るのか】という問題を軸として物語が動いています。


 そういう物語展開で思い出すのは、やはり謎それ自体ではなく謎を解く中で展開される人間模様にスポットを当てるヒッチコックの【マクガフィン】理論ですね。ロメロ監督は若い頃に【北北西に進路をとれ】のパシリスタッフをやってたなんて話もあるから当然といえば当然ですけど、【サイコ】を彷彿とさせる【13日の金曜日】1作目に同じく、ホラー映画におけるヒッチコック監督の影響力を改めて思い知らされます。(個人的にだけど、唐突なゾンビの現れ方も、【鳥】の突然人間を襲う鳥たちを彷彿とさせる)




 またグロ描写もそうですが、主人公格のバーバラやベンすらもああいう風に死ぬ無常感のあるラスト、ゾンビのみならず人間同士でも殺し合いが起こる展開など、この当時始まりつつあったアメリカン・ニューシネマの影響を感じる映画でもありますね。


 




 【好きなシーン】


 ヒロインのバーバラが兄貴を殺されて屋敷まで逃亡する一連の流れかもしれませんね。ただ一体のゾンビから逃げるだけなのに緊張感が凄いんですよ。


 セットがチャチくても、音響と撮影と照明、あとは役者の演技の質が高ければ十分緊張感を演出できる、という良い証明になるシーンだと思います。


 それなりの予算がかかってて視覚効果もそれなりなのに役者の演技で台無しになる映画が多いからこそ余計にそう思うw




 その後のバーバラが精神を疲弊させてほぼソファの上で置物状態になってるのも、却ってパニックムービー系演出の一つとして秀逸だったと思います。

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