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【126本目】フロム・ダスク・ティル・ドーン(1996年・米)

 ああいうところで急に殺戮パーティー始まるの、漫画版デビルマンの最初感なくない?




【感想】


 元祖ゾンビ映画こと【ナイト・オブ・ザ・リビングデッド】とかが正にそうですけど、ホラー映画の怪物は突然脈絡なく現れるからこその怖さがあります。


 この【フロム・ダスク・ティル・ドーン】は、そのホラー映画の【突然脈絡なく出現】という要素をこの上なく強調した映画と言えるでしょう。


 


 監督は【エルマリアッチ】で彗星のごとく映画界に現れたロバート・ロドリゲス、主演はTVドラマ俳優として人気を獲得しつつあったジョージ・クルーニー、そして脚本および助演に我らがクエンティン・タランティーノ、という豪華な布陣が揃う本作は、前半と後半のあまりの作風の違いと、そのあまりにも唐突すぎる作風の転換から、多くの映画好きを戸惑わせた作品です。それ故にカルト映画としての人気も高く、続編が2作ビデオ映画として製作されたほか、ケーブルTV(日本ではネトフリにて)TVドラマ版も制作されています。




 途中(前半)までは、刑事ドラマの1話完結のストーリーにありそうな、クライムサスペンスが続きます。正直映画としては地味なつくりだな……と思いながらも、タランティーノ演じる弟のキャラが面白いので僕もそのまま普通にサスペンスとして楽しんでました。


 中盤くらいで舞台はテキサスから、メキシコの美女がおっぱいを放り出して踊ってる酒場へと移ります。正直お色気パートとか別にいいから話進めてよ、と思っていたところで、その店で主役の兄弟が喧嘩の末に発砲事件を起こしてしまいます。




 おっ、やっと話が動き出すのか?と思っていたところに……まさかの急展開が起きます。


 僕も見ていてあっけにとられました。




 通常のホラー映画が、ある程度フリとして冒頭で平和な映像を流すのが定番(それこそ【ナイト・オブ・ザ・リビングデッド】もだったし)ですけど、10人近く殺してる犯罪者とその人質、というそれなりに緊張感ある状況で、全く別の角度から急展開が観客に襲いかかってくるというこの【フロム・ダスク・ティル・ドーン】の展開は死角を狙い打ちされたような気持のいい敗北感がありましたね。同時に下手な監督が真似したら大事故必至だろうなとも思いましたがw




 最近見た韓国映画【悪人伝】で、冒頭ヤクザの組長と警官が対立するドラマかと思ったらその後急に猟奇殺人犯が組長をメッタ刺しにし出していい意味で戸惑ったんですけど、【フロム・ダスク・ティル・ドーン】の場合ある程度クライムサスペンスドラマが続いてこのまま終わるのかな?と思わせたところにあの展開がやってきますので、衝撃も戸惑いも【悪人伝】のときより凄かったです。


 ある程度の有名映画を一通り見て、各ジャンルのセオリーも理解しだしたくらいの段階で見たら一番面白く見れる映画かもしれません。




 また他の映画で出演するときはあくまで映画監督として特別出演してる感が強めなタランティーノですが、この映画では珍しく俳優としてのタランティーノを堪能することができます。妄想癖の強めなやべー犯罪者(そして後半は……)、という難しい役どころを違和感なく演じ切っているので、【パルプ・フィクション】【ワンハリ】などは見てるけど映画監督としてのタランティーノしか知らない人にこそ見てほしいですね。




【好きなシーン】


 後半全部。


 で終わらすのもアレなので前半から挙げると、前半の主役兄弟が平然と会話してる背後で雑貨屋が大爆発する(兄弟は振り向かず会話を続ける)シーンは、ロドリゲス映画ながら会話シーンに重点を置くタランティーノイズムが垣間見られて興味深かったですね。


 今作のタランティーノはあくまで脚本および助演ですけど、ああいうシーンの撮影時はロドリゲスとタランティーノの間でどういうやりとりがあったのかすごい気になります。




 あと邪道中の邪道みたいな構成なのに、ヒロインのケイトが首に提げてる十字架がちゃんと効力を発揮する、というシーンも面白かったですw


 そこはホラー映画のセオリー守るんだ、って感じでw

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