第四話 確認
急いでアパートに戻った俺は直ぐに実験に取りかかる。
まずは箸置きだ。
早速キッチンに行って箸置きを探すが、生憎箸置きは購入していなかった。
ほとんど自炊しない俺にとって、箸と言えばコンビニの割り箸だ。
必然箸置きを買う必要もない。
仕方ないのでコップで代用する。
ウイスキー用のタンブラーをテーブルに置き、先ほどと同様、両掌をコップにかざし集中する。
1分、2分、3分……
掌に先ほどと同じような暖かさが集まる間隔はあったが、ダメだった。
どうやら大きすぎるようだ。あるいは重すぎるのかも知れない。
もう少し小さい手頃なものはないか探す。
なかなかこれといったものが見つからない中、ふとテーブルに目をやると、金魚と呼ばれる醤油入れが転がっているのを見つけた。
昨日食べたコンビニ弁当の魚フライについていた醤油だ。
半分使ってそのまま忘れていた。
俺は醤油入れの金魚を自分の正面におき、静かに両手をかざして集中する。
幾ばくもせずに金魚がコトリと動いた。
そう、明らかに手を触れずに動いたのだ。
本当に超能力なのか……?
俺は自問自答する。
ふと思いついてノートパソコンを立ち上げ、災害情報から地震のニュースを見る。
直近の地震は夕べの11時過ぎに起こった択捉島沖の地震であり、日本で観測された最大震度は1、それ以降地震の情報はない。
地震の揺れで動いたのではない。
俺はあらためて金魚に集中する。
金魚はふわりと空中に浮いた。
そのまま維持出来る。
金魚が浮いている。
俺が集中を解くと金魚はポタリとテーブルに落ちる。
自分の頬をつねってみるが、明らかに痛かった。
夢ではない。
間違いない。俺は超能力者だ。




