第10話
hmsstpyの手によって元の世界に戻された雄馬だったが、雄馬が異世界に行っていた間に元の世界は一体どうなってしまっているのだろうか?!
目を覚ますと、鉄格子の牢屋の中のような地面に横たわっていた。起き上がって周りを見渡すと、そこには神菜達もいた。
「やっと目を覚ましたみたいね。あなた、兵士の人の反撃で打ちどころが悪かったみたいで、そのまま気絶しちゃったのよ。覚えてる?頭の傷は痛まない?」
「ああ、だいじょう、、、イテテ、、少し痛むけど大丈夫だ。それより、みんなは怪我はしてないか?」
「ええ、私達は大丈夫よ。」
「そうか、、良かった、、。それから俺、みんなに謝らなきゃいけないことがあるんだ。俺、、、一人で勝手に突っ走って本当にごめん!」
「なぁに謝ってんすか!そんなのいつものことじゃないっすか!いつものことですけど、、でも、、。」
「そうね、雄馬さんはいつもそうだから、今更謝られてもとは思いますけど、ただ、もう少し自分を大事にしてください。そして、もう少し私達のことを信用して頼ってくださいね。
仲間だから私達が心配するのは当然ですが、雄馬さんが兵士の人に頭を打たれて気絶してから気が付く今まで、一番心配して、この世の終わりかのような面持ちで、雄馬さんのことを心配していたのは神菜でした。」
「キャシー!そんな、、私は、、、!」
「なに?神菜は心配じゃなかったっていうの?運が悪く、数時間前に兵士に雄馬さんが殺されていたとしても、それで良かったっていうの?」
「それは、、良くない、、全然良くない!!」
「それなら、きちんとその気持ちを伝えなきゃ、雄馬さんには伝わらないよ!」
「分かった。キャシー、そうだね、、、ありがとう。雄馬、、突っ走るのも良いけど、そういうあなたに引っ張られてきたのも、事実あったけれど、今のあなたにはあなたを愛する仲間がいる家族がいる、妻と子がいる。そのことを踏まえて、よく考えて、行動をして欲しい。そしてだからこそ、一人で抱えきれない時は、迷わず私に、、、私達に頼って欲しい。あなたは一人じゃないのよ。」
「神菜、仲田、キャシーさん、ありがとう。」
「ありがとうってなんすか?!憎い男ですね、雄馬さんは!まぁ!それは仕方がないから許してあげます!約束ですからね!」
「ああ。ありがとう。」
「くぅ~!憎い!同じ男として俺は雄馬さんが憎いです!!、、、それはそうと、あまりゆっくりと話している場合ではない感じなので、雄馬さんが気を失ってる間、どういう状況になったのかを簡単に話していきますね。」
「頼む。」
「あの後、ミュゲルさんも兵士の人達に拘束されて、俺達も拘束されている様子を見たミュゲルさんも違和感は感じ取ったんでしょうね。雄馬さんが兵士の人に頭を打たれて気を失った後、俺たちが兵士の人達の仲間じゃないのかをミュゲルさんが兵士の人に聞いたんです。
そうしたら、兵士の人が首を傾げたので、兵士の人達はそのミュゲルさんの質問を不信に思ったようで、念の為にと、俺達だけ、この城内にいる金星の兵とは離れたこの牢屋に入れられることになりました。
なのでおそらく、ミュゲルさんは俺たちがミュゲルさんを嵌めようとしたとは今は思っていないんじゃないかと思います。問題は、俺たちの話になかなか耳を傾けてくれない地球と水星の兵士さん達ですね。どうしたら俺たちの話を聞いてくれ、どうすれば、グラジオラスさんや政府の方達と話すことができ、どうすれば、この金星と水星、地球の関係を繋ぐことができるのでしょうか。この奇襲が無ければ、俺たちは宇宙船で地球に帰り、ミュゲルさんとの交渉に成功したっていう朗報を持ち帰る予定だったのに。」
「もう起こってしまったことを嘆いてもどうしようもないさ。その話だと、兵士の人達には、俺たちに対して何らかの違和感を覚えているはずだ。だから兵士の人はきっと俺たちに話を聞きに来るだろう。チャンスはその時、兵士の人に話をして、グラジオラスさんと政府の人に話をする機会を与えて貰えるように話してみるしかない。そしてミュゲルさんともう一度きちんと話をしたい、可能なら救出をしたいところだ。そしてもし兵士の人に話を聞いて貰えなかった時は、、、。」
俺はその後も、細かくみんなに作戦を話し、牢屋に兵士が来るの待った。
数時間後、俺の予想通り兵士の一人が牢屋の前にやってきた。
「お前たちに聞きたいことがあって来たんだが、この星の最高権力者ミュゲルさんがおっしゃるには、お前たちは地球人だとか。だが、どこからどう見てもお前たちは金星人だ。本当に地球人というのなら、直ちに解放したいが、なぜ、どうやって金星に来たのかも聞いておきたいところだ。今からその証拠をこちらに提示してくれ。」
「わかりました。まず僕は、地球で科学者をしている矢中雄馬といいます。ここにいる三人も同じく僕と同じ化学者の地球人です。僕たちは水星の最高権力者グラジオラスさんや地球の政府の人と一緒に金星との交友関係を築くつもりでした。ですが、そのお二方とそのやり方が一致せず、勝手ではあるとは思いながらも、僕ら研究チームの独断で、金星との交友関係を築く為の作戦に踏み切りました。そして、その作戦は成功するあと一歩のところで、あなた方の奇襲がありました。
数時間前に金星の最高権力者ミュゲルさんとの交渉に成功し、これから地球に帰り、それを報告するところでしたが、どうか、この話をグラジオラスさんや地球の政府の方に話す機会を僕たちに与えて貰えないでしょうか?」
「その話を鵜呑みにするには証拠がまだ不十分です。」
「それじゃ、今身にまとっているこのスーツを脱いで地球人だと証明するので、僕たちをこのスーツが脱げる宇宙船まで連れて行ってくれませんか?」
「それは私が今、独断で判断することはできません。」
「じゃあ、トイレに行きたいのでこの扉を開けていただけませんか?」
「トイレですか、わかりました。開けますので、トイレに行きたい方だけ、出てきてください。」
「わかりました。」
そうして兵士によって牢屋のカギが開けられると、俺たちは一斉に兵士を羽交い絞めにし、兵士を拘束した後、牢屋から脱出した。
「やっぱりまともに話しても簡単には聞いてくれなかったか。作戦練っておいて良かったー!じゃあ、まずはミュゲルさんを探しに行こう!」
そうして俺たちは兵士に見つからないように、城の中を用心して移動しながらまずはミュゲルさんを探した。すると運良く、曲がり角を曲がって歩いていったミュゲルさんの話をしている二人の兵士を見つけた
。
「いやぁ金星の最高責任者の見張り番もなかなか神経にくるわ~。」「だなー、やっと休憩だし、なんか上手いもん食おうぜー。」
などと話していた。兵士達が来た方向を辿って行くと、その奥に一つの扉があった。そっと扉を少し開けて隙間から覗くと、そこには二人の兵士がいて、その奥にミュゲルさんが椅子に拘束されて座っていた。
俺たちは二手に分かれて勢いよく部屋に入ると兵士をやっとの思いで拘束し、ミュゲルさんを救出した。その後、ミュゲルさんは裏切りのことには触れずに、城の脱出最短ルートを教えてくれた。その甲斐あって無事、城から脱出し、全速力で逃げた先の民家の陰に五人で息を切らしながら身を潜めていた。
「ミュゲルさん、俺の計算ミスでごめんなさい。決してあなたを嵌めるつもりはなかったんです。」
「私の方こそ、一瞬でも君達を疑うような態度をとってしまって申し訳なかった。だが、今はそんな話をしている場合ではないでしょう。一刻も早く、兵士に見つからない場所を見つけなくては。」
「そうですね、、しかし、、、。」
俺はミュゲルさんを救出したものの、ミュゲルさんをかくまう場所を考えていなかったのだ。仮にこのままミュゲルさんを連れて俺たちの宇宙船まで行ったとしてもミュゲルさんを地球に連れて行くことは、金星人であるミュゲルさんの身体に多大な悪影響を与えてしまう。それに万が一、グラジオラスさんや政府の人に交渉の話をして、俺たちが単独行動したことを受け入れてもらえず、そのとばっちりがミュゲルさんにまで及ぶなんてことがあったらなんてことを考えると、地球にミュゲルさんを連れて行くにはリスクが大きすぎた。
そんな考えで頭がいっぱいになっていると、背後から俺たちに忍び寄る足音が聞こえた。
城をなんとか脱出した雄馬達だったが、その後の計画をたてていなかった雄馬達は八方塞がりになってしまった。そんな雄馬達の背後に忍びよる人物とは?!




