表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
hmsstpy  作者: ゆりえ
後編 第4章 闘い
93/117

第5話

金星人ザックルが、金星の元最高権力者ラルミスを崇拝するその理由とは一体?!


「ラルミス様を崇拝するワシらはその昔、ワシらの集団、種族のみに伝わるある血筋よって金星では激しい差別を受けていた。その血筋とは、ワシらの種族の先祖はかつて、この星の最高権力者だった。その時代に、地球でいえば資源や財産に値するものをかつての最高権力者はこの星の住民達から吸い上げ、それらを独占していた。そんな情勢の中、必死に働いたり、コネや他人の情報を売って暮らせる者もいたが、そうでない者ももちろん存在した。暮らしに困って行き詰った者達が集って、当時の最高権力者と一家を暗殺し、その者達のリーダーが最高権力者の地位に着き、権勢は一気にひっくり返ってしまったんじゃ。

ワシらは権勢がひっくり返る前の最高権力者と同じ種族という理由だけで、権勢がひっくり返った後、直接は手を下されはしなかったが、星の民に、ワシら種族が差や迫害されるような情報をすりこまれたと、ワシは幼いころ両親から聞いていた。事実はどうであったかは分からないが、この種族であったからとい

って特別優遇されていたわけでもなかったのにも関わらず、世の中はただ、それまでのフラストレーションをワシら種族に八つ当たりたかったのではないかとワシは感じた。当時、ワシはまだ幼かった為、両親はワシを飢えさせぬようにと、なけなしの財産も食料もワシに全て費やし、その結果ワシが幼い頃、二人共飢えにより他界してしまった。

その数日後、餓死寸前だったワシの元に突然訪れ救いの手を差し伸べて下すったのがラルミス様だったんじゃ。ラルミス様に看病して頂いてから元気になったワシは、ラルミス様の子供、、、そして弟子として側にいる生活をしたいとラルミス様にお伝えした。すると、ラルミス様は自分と来ると、これまでよりも険しい未来を行くことになるかもしれないとおっしゃったが、ワシはそれでもいいと答えた。それからラルミス様との生活が始まった。

その後、ラルミス様はワシだけではなく、ワシら種族の中でワシと同じように苦しむ者達を救っていらした。そして、ラルミス様自身も、ワシらと同じ種族であったのにも関わらず強く生きていらっしゃった。金星人は嗅覚が優れていると話したが、世の中にはワシら種族の血の匂いが認識されてしまっていて、匂いで差別されていたのだが、ラルミス様はその血の匂いを隠す為の魔法のような薬を発明した。その薬を使って一般の金星人を装い、一般の社会とこちら側の社会を行き来して、その狭間で生きている御方だった。ラルミス様は一般の社会で稼いだ財産の一部を使って、ワシら種族に発明した薬を配り歩き、一般の社会でワシら種族が生きて行けるようになるまで無償で配り続けた。更に暮らせるようになった者達から

、他にまだ苦しむ同じ種族の薬代として必要な分だけの募金を集めた。

そして、ワシら種族はラルミス様のお力によって、ほとんどの者が悟られることもなく社会に馴染むことができるようになった。その頃、ラルミス様は改革の為に、ある手を打つところであった。一般の社会でかなり名をあげていたラルミス様は、最高権力者との交流もしていらした。そして、その後継ぎとなる最高権力者の子供と年齢が近く、その当初は種族の事情なども互いに知らずにいたが、とても仲が良く、社会での権勢の在り方についての考え方の相性がとても良い二人のはずだった。

そして後に、その二人はこの星の共同最高権力者となったわけだが、その最高権力者の子供というのが、もう察しているかとは思うが、現在の最高権力者ミュゲル様じゃ。

前最高権力者が無くなった後、ミュゲル様からラルミス様をお誘いして、二人はこの星を治めることとな

ったわけじゃが、誘いを受ける時にラルミス様はあえて自分が迫害を受けている種族であることをミュゲル様に打ち明けた。そしてミュゲル様はそれを聞いてもラルミス様を受け入れて、二人は一番の仲間とも親友とも呼べる仲となり、金星の最高権力者にお二人はなったわけじゃ。お二人が最高権力者になってからは、星の民に種族の差別をしないように強く提唱された。そして、ワシら種族は薬を飲まずとも、一般の金星人と変わらずに普通暮らすことができるようになったというわけじゃ。

だが、ラルミス様はワシをミュゲル様に紹介することはなかった。その理由を聞いてもラルミス様が答えてくださることはついに最期の日まで来なかったんじゃ。しかし今ならその理由がうっすらと、分かる気がするんじゃ。」


「それは、、、なぜだと思うんですか?」


「これはあくまでワシの推測じゃが、ラルミス様はミュゲル様に種族の問題ことを受け入れてもらえたものの、その他のことでラルミス様はミュゲル様とはっきりと合わない、違うと感じていた思想があることを確信して、信用しきれていなかったからじゃないかと思うのじゃ。」


「そうでしょうか。俺はそうは思いません。」


「というと?」


「思想が違うということはあったのかもしれませんが、信用しているかいないかとは別の問題ではないかと。だって、この世に全く同じ考えの人なんていないじゃないですか。それでも思い合える人達だっているだろうし、信用している人=何一つ知らないことがない人という訳ではないと俺は思います。」


「それもそうじゃな。本当の所は分からないが、君の考え方も聞けて、とても新鮮な気分じゃ。とまぁ、それはさておき、ワシがラルミス様を崇拝する理由は分かって貰えたかな?」


「はい、、お話は分かりました。それからさっき、あなたは地球人に会ったことがあると話していましたが、どういう形で会ったんですか?」


「それは、ラルミス様が最高権力者となって少し経ってから、地球という星に行ってみたいとお話しだした際に、地球人に変装をして数度行ったんじゃ。ラルミス様が結婚された時、ラルミス様が亡くなられた際も、、、。

ワシとワシら同種族の中から数十名付き添いとして何度か行ったんじゃ。その時に多数の人間の匂いや何より会話の仕方は少しの時間じゃったが、ラルミス様の奥様であるジェシー様から教わったり、通りすがる地球人の話す言葉を聞きながら学んだわけじゃ。ジェシー様は本当にお優しいお方じゃった。その上、知的で社交的な素晴らしい御方であった。しかし、金星人が地球に行くと、寿命を縮めてしまうことを知

った時から、ラルミス様はお一人で地球に行かれるようになった。そして、ラルミス様が地球に住むようになってからはミュゲル様が地球との接触をはかるものがいないか監視をしていらしたので、地球へ行くことは、容易ではなくなってしまい、ラルミス様が地球に行かれてからは、徐々に会う機会は減っていき

、、だから、君達とこうして会うまでは、地球人に会うのは、ラルミス様が亡くなられた時以来じゃった

。」


「そうでしたか、、。そのお話を聞いて、さっきよりはザックルさんを信用できた気がします。そしてどの道、俺たちだけでは潜入は難しそうですし、信用するかしないかは別として、あなたに協力していただけると、とても助かります。改めて、俺たちに協力していただけますか?」


「是非とも。喜んで協力させていただきたい。それで、まず潜入をする前に、君たちにこれを渡しておこう。」


「これは、、、なんですか?」


「さっき話した昔ラルミス様が発明した、ワシら種族がかつて、種族の血の匂いを消す為に使っていた薬じゃ。」


「どうしてこれを?」


「その薬はどうやら、成分を調べた結果ワシらの種族だけに有効なのではなく、ワシらの種族以外の金星人の血の匂いに変える為の薬みたいなのじゃ。ミュゲル様はこの星の最高権力者。

それゆえ、存在を認識した星にいつでも行けるのに、一度も行っていない可能性の方が低いと思うのじゃ地球人に会ったことが無かったとしても、嗅いだことのない血の匂いで潜入中に城の中の者に気が付かれても困るじゃろう。少し深読みし過ぎかもしれんが、あの城に潜入するにはそのくらいの深読みは必要であろう。」


「そんなに厳重なんですか?」


「ああ。何かの時の為にと前々から何度か、団員を潜入させて城内の構造などを探っていたが、何人か帰らぬものもいた。」


「そうですか、、、。それで、城内にはどう潜入すれば良いんでしょうか?」


「ワシが案内しよう、と言いたいところじゃが、ワシは老いぼれの身、ゆえに、行っても足でまといになるじゃろう。ミュゲル様のいるところまで、団員に案内させよう。着いてきてくれ。」

ついに、ミュゲルのいる城に潜入することとなったが、ザックルの話によるとこれまでに潜入したものの中で帰って来なかった者もいるくらい厳重で難しいという。果たして雄馬たちは潜入し金星の最高権力者ミュゲルに接触することができるのか?!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ