第3話
金星の最高権力者を名乗るミュゲルという名の人物に、関わることを拒絶された雄馬達、そして地球人、水星人は今後、金星と今後、関わり合うことができるのだろうか?!
俺たち4人は金星の最高権力者を名乗るミュゲルという人物からの通信が切れた後、あまりに突然のことで状況をうまく呑み込めず、数分間静まり返ってしまった。
「今のって、、、これってつまり、、、金星と交渉できなくなったってことですよね?」
そう切り出したのは仲田だった。
「そういうことになるな。けど、グラジオラスさんや政府の人達がなんていうか、、、。」
俺がそう言った矢先に、政府の人から連絡が入った。
「今のミュゲルさんからの通信、ご覧になられましたか?」
「はい、観ていました。金星の方は交渉するつもりはないようですが、どうしますか?」
「はい、、、ミュゲルさんは、ああ言っていましたが、、グラジオラスさんともお話しましたが、もう一度、ミュゲルさんと直接お話をしてみようということになったのです。交渉はできなくとも、せめて金星と水星の関係は断ち切らないでいただきたいとお話をする為に。」
「ですが、金星の最高権力者の方が、もう俺たちを含む地球人や水星人とは関わりたくないと話していましたよね?それなのにまた近づいたら、今度はどうなるか分かりませんよ。俺は、やめておいた方が良いと思います。」
「では、今後どのように動いていけば視野を広げて行けるか、何か提案はありますか?」
「それは、、、」
「どの道決定するのは私達です。あなた達は黙って私達の指示に従っていれば良い。」
「そんな、、、。」
「では、また指示がある時に連絡します。」
そうして政府の人からの連絡は切られた。
「チキショウ!!このままじゃ、宇宙戦争になっちまう!どうしてなんだ!どうしていつもあの人達は俺たちの言い分を全く聞かずに、なんでも勝手に決めちまうんだ!」
「まーまー雄馬さん、落ち着いて下さい。そんな風に興奮して怒ったところで解決するわけじゃありませんし。」
「この状況が落ち着いてられるか!!」
「俺だって何も感じてないわけじゃありません!それに、、、」
「それになんだ?」
「キャシーが、一度、グラジオラスさんにも話をしてみようって、言ってます。」
「でもさっき政府の人が、グラジオラスさんと話した結果、金星に話をしてみると決めたって言ってたよな?だとしたら、話したところで結果は目に見えてるんじゃ、、。」
「そうかもしれませんが、一度、私から父に話をさせてもらえませんか?可能性は低いかもしれませんが
、話をすればなにかが変わるかもしれません。」
「わかりました。何か良い策が俺にあるわけでもないので、キャシーさん、お願いします。」
「はい。では今から早速、父に連絡してみます!」
それからキャシーさんがグラジオラスさんに連絡をしてみたものの、グラジオラスさんと連絡は繋がらなかった。
「ダメです、繋がらないです、、、。お父様、、一体何を考えているのかしら、、、。」
「そうですか、、、仕方ないです。」
「俺たちこれから一体何をすれば良いんでしょう。このままなにもせずに待っていればおそらく、、、。
」
「そうだ!私に良い考えがあるわ!」
とつぜん神菜が明るい大きな声で切り出した。
「良い考えって?」
「私達が金星のミュゲルさんに直接会いに行けば良いのよ!」
「何を馬鹿な、、、相手はもう、こちらの顔すら見たくないと言っているんだぞ。それなのに堂々と、こちらから会いに行ったらどうなると思う?それに会いに行ったところで俺たちに何ができるんだよ?」
「堂々とは行かないわ。だから、ミュゲルさんに会えるまでは金星人に変装するのよ。そして、話して和解をする。」
「なるほど!神菜ちゃん、あったま良い!!」
「いや、それで仮にミュゲルさんに会えたとして和解できるなんて、もはや賭けでしかない。仲田も神菜を変におだててんじゃねぇ。これは遊びじゃないんだぞ。失敗したら、戦争になって沢山の人が何の理由もなく命を落とすことになる。それを分かって、そんなふざけた作戦の話をしてるのか?」
「ふざけてなんかない!私は本気よ!じゃあ、雄馬に何か良い策があるっていうの?!あるなら言ってみなさいよ!」
「ない!ないけど、そんな無謀な作戦はないだろ!!誰がやるっていうんだ?!」
「私が言い出したんだもの、私がやるに決まってるじゃない!」
「だめだ!危険すぎる!」
「じゃあこのまま時間が過ぎて行って、何もせずに色々な人が死んでいくのを、星が死んでいくのを黙ってみていろっていうの?それに、そうなれば私達と私達の子供達や家族の命の保障もないわ。」
「俺は神菜ちゃんについていきます。」
「私も神菜と一緒に行きます。」
仲田とキャシーさんも神菜の策に同意だった。そして大きな声で言い争いをしていた為に、ガラス張りの遊び場の部屋の中にいた子供たち(ゆな、デイシー)が、その言い争う大きな声と俺たちの異変に気が付いて部屋から出て、俺たちの方へとやってきた。
「どうしたの?パパ達喧嘩してるの?喧嘩しないで、、僕たち良い子にするから、、ヒ、、ヒ、、ヒック、、ウエーーーーーン!!ウワーーーーーーン!!!」
部屋から出てきた子供たちは、泣き出してしまった。
「あーーーーーー!泣くんじゃなぁああああい!!パパたち喧嘩なんてしてないよ!わーーーーって大きな声を出す練習をしていたんだよ!ほら見て!わーーーー!」
俺は全力の顔芸を使いながら、子供たちを必死で落ち着かせようとし、更に神菜達にも声出しの練習をするフリをするようにアイコンタクトをした。その甲斐あって、子供たちを本腰の泣きに入る前になんとか落ち着かせることができ、今はすっかり笑顔になっていた。そうして一旦子供たちを部屋に帰すと、先程の話に会話を戻した。
「分かった、俺が悪かった。俺にもっと良い考えがあれば良かったけど、なにも良い考えはないし、時間もない。俺の発想力が至らないばかりにみんなを危険な目に遭わせるかもしれないが、悪い、一緒に金星に行ってくれるか?」
そういうと、仲田もキャシーさんも神菜もしっかりとうなずいてくれたものの、神菜はとある条件を話した。
「雄馬、これは私の作戦よ。失敗しても成功しても私の責任だし、私のおかげよ。だから、、、もし成功したら、みんなで研究を一ヶ月くらい休んで、旅行に行くのが手柄っていうのはどう?」
「神菜ちゃん、それいいね!そーいや俺たち旅行ってしたことなかったもんね!」
「神菜、ナイスアイディア!それ良い!」
「お前ら、、、こんな大変な時に、、、。」
「ね!いいでしょ?!」
「わかった考えておく。」
俺がそう答えると、神菜達は飛び上がって喜んでいた。
そうして早速、神菜達はその話を子供たちに報告しに行った。その報告は、とても大きな声で少し離れている俺にも聞こえるようにされた。その内容はこういったものだった。
「ゆなー!デイシー!ちょっと聞いてくれるかなぁ?」
「うん!なにぃ?!」
「ちょ~っと悲しいお話と、すっっごい嬉しいお話があるの!まず悲しいお話!ママたち、すっごく大切なお仕事が入っちゃって、今日お約束してた夕食が行けなくなっちゃったの、ごめんね。でも、その大切なお仕事が終わったら、長~いお休みとって、みんなで何日もお出かけできるようになったんだ!これからそのお仕事がもっと忙しくなって、お留守にすることもあるかもしれないけど、二人とも良い子にしていられるかな~?」
そう神菜が話すと子供たちは、少し、俯いて考える素振りを見せた後、二人ともはっきりと返事をした。
」
「うん、わかった!!私良い子にしてるね!!」
「僕も!良い子にしてる!約束だよ!絶対だよ!!!」
そう答えた子供たちを神菜達は抱き寄せていたが、俺はそのやり取りを遠くで薄っすらと微笑みを浮かべながら見ていることしかできなかった。
政府とグラジオラスの判断のままに動けば、未来が危ないと判断した雄馬達は、どうにかせねばと策を練る。結果、神菜が出した策、金星に行って、金星の最高権力者ミュゲルと直接話しをし和解するという一成一代の賭けのような策となった。地球人の姿のまま行くと危険な為、金星人に変装してミュゲルの所まで行く策もたてたが果たして、まず、潜入は上手くいくのだろうか?!




