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hmsstpy  作者: ゆりえ
後編 第3章 赦し
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第8話

過去のキャシーと、母クレマチスを救う為に、雄馬とキャシーは行動に出るが、救うために一体どのような作戦を決行していくのか?!


俺とキャシーは、キャシーの祖父であるカルミア・ローズ・ヴェインの部屋に向かっていた。作戦について話しながら、一つ気になっていたことがあったのでキャシーさんにそのことを聞いてみることにした。


「あの、、、キャシーさん、前から気になっていたんですが、カルミアさんの話は何度も聞きましたが、

、カルミアさんの妃である、つまり、、キャシーさんのお祖母さんって、どんな人で、暗殺のことは知っていたんですが?」


「暗殺のことは恐らく、何も知らなかったと思います。」


「恐らくってどういうことですか?」


「はい、、それが、、hmsringの反応で結ばれた二人は相性が良いはずなのですが、私がみる限り、お祖父様とお祖母様の相性は最悪な様に見えました。私はお祖母様が本当に楽しそうにしている顔は一度も見たことがないですし、怒っている顔もさえも見たことがありません。お祖父様は、お祖母様にいつもこう言っていました。お前は私の言いなりにさえなっていれば良いのだ。勝手に発言することも必要のない時に笑うことも泣くことも許さない、と。あとは、想像はつくかと思いますが、、、お祖母様には、何かを自分の意志でする権利など無く、まるで生きる屍のようでした。絶対権力者であるお祖父様を前に、お父様もお母様もそのことに介入することなど、できるはずもなく、、、。どの道、何かで暗殺のことを知っていたとしても、きっとお祖母様はどうすることもできなかったでしょう。」


「そうでしたか、、、。カルミアさんって冷酷な人だったんですね。でも、どうしてhmsringで結ばれたはずのに、そんなに相性が悪かったんでしょうね。」


「さあ、、、、私は稀にそういうこともあると思って、あまり深くは考えたことはなかったですが、、。


「そうですか、、、。それはそうと、これからカルミアさんの部屋に向かってどうします?」


「私に考えがあります。これは予測ですが、きっと作戦を実行する前に、暗殺を依頼する人と会うと思うんです。その人とお祖父様の会話を姿を見られない私達が近距離から盗み聞いて、その人が暗殺を行う者だと確信できたら、顔をしっかりと確認し覚えた後、二手に分かれて、雄馬さんはお母様たちの所へ行き、お母様には子守をしてもらいながら、いつも通り、さっきまで私達がいた部屋の隣の部屋の寝室で護衛を部屋に隠れ忍ばせて、実行犯が来てから襲われる直前に護衛に守って貰えるように準備をしておいてもらって、実行犯が来たら、護衛の皆さんに救ってもらうための合図をお母様に考えてもらってください。私達では護衛の皆さんに姿が見えなく合図が出せないので。

そして、その犯人を殺さずに捕まえてもらって、誰に依頼されたのかを吐いてもらえば、お祖父様の悪事の計画も公となり、反論もできることでしょう。

私は、そのまま実行犯の後をつけます。私のテレパシーを使って、雄馬さんと離れた場所からでも会話できますので、もし雄馬さんと確認し合いながら準備が間に合わないと判断した時には、私がこの手で実行犯を裁きます。お願いできますか?」


「わかりました。でも、、裁くってどうやってですか?」


「さっき、そこいら辺りに立てかけてあった木の棒を持ちあげて掴むことができたので、いざという時にはそこいらの物を持ち上げて、実行犯に私が攻撃をします。」


「そんな、無茶な、、、そっちの役割は俺が引き受けます。」


「でももし雄馬さんの身に何かあったら私、一生引きずります。だから、実行犯を追うのは私がやります。やらせてください!」


「、、、わかりました、その代わり、攻撃する時は俺も一緒にやります。だから、攻撃する前に俺を呼んでくださいね。」


「わかりました。すみません、私の家族のことに雄馬さんを巻き込んでしまって。」


「気にしないでください。俺たちは研究仲間なんですから。」


「ありがとうございます、、すみません、よろしくおねがいします。もう少しでお祖父さまの部屋に着きます。」


「キャシーさんの予測通り、実行犯が来ていると良いですね。」


「はい。」


そうして、部屋につくと、カルミアさんの部屋の扉が人が一人通れる分くらいの隙間が空いていたので、そのまま部屋の奥へと入っていった。


そこには、貫禄があり高貴な服装をした人の姿をした男女と、もう一人、護衛の服装をした人物がいた。


その人達を見たキャシーさんは、その高貴な服装をした二人がカルミアさんとクロエさんだと教えてくれた。


あとのもう一人が実行犯であるかを確認するべく、俺たちは三人に近づいた。


近づくと、カルミアさんと護衛の服装をした人物が話していて、クロエさんはその会話が聞こえる位置にはいたものの、ただ椅子に座っているだけで会話に参加している様子はなかった。

様子を伺いながら俺たちは、その二人の会話をじっと聞いた。


「ついに、この日がやってきたのか。グラジオラスはもちろん、くれぐれも、周りの者たちに見つからぬよう上手くやってくれ。終わったら、約束の報酬は渡す。」


「かしこまりました。僕は、この道20年の腕利きの殺し屋です。そうそうミスなんてしませんよ。報酬の方、終わったらお願いしますね。」


「ああ。ターゲットは間違いなく覚えているか?」


「はい、覚えてます。ターゲットはクレマチス様とキャシー様ですね。」


「そうだ。頼んだぞ。」


カルミアさんがそう言い切った後、それまで静かに隣に座っているだけだったクロエさんが口を開いた。


「あなた、それは一体どういうことですか?」


「どういうって、そういうことだ。今日、クレマチスとキャシーをこの殺し屋に始末してもらうんだ。」


「なぜ、そのようなことをされるのですか?」


「お前には関係のないこと。それに私のすることに口を挟むのは愚か、意見するなどもってのほか。それ以上、口を開くのであれば、お前にも制裁を与えるぞ!!」


「もう我慢できません。これまであなたのやることには、何も言わず、十分に尽くしてきたつもりです。しかし、実の息子の愛する妻と子供を殺そうなどと、それでは、あなたが憎んだ、あなたのお父様とやっていることが何も変わらないでしょう?私はあなたのお父様に、本当に結ばれるべきhmsringのパートナーと引き離され、もし言う通りにしなければ、私のパートナーを殺すと脅され、結果今ここにいます。そして、あなたはお義父様に、地球人のパートナーであった女性を殺されました。でも、それと同じことを、実の子供にもしたのでは、あなたはあなたが憎んだお父様と同じような道を歩んでいくことなるでしょう。それを分かっても尚、クレマチスとキャシーを暗殺するのですか?」


「そうだ。そんなことは分かっている。私の両親は普通に水星人同士のごく普通のパートナー同士だった

。だから、私が水星人ではない地球人に始めてhmsringを光らせた日、両親は俺をとても軽蔑した目で見ていた。普通の子じゃない、だからそのことをどう世の中から隠し通そうかということだけに、両親は必死になっていった。私の気持ちや本音を聞いてくれる者など、誰一人いなかった。今もだ。両親も、地位や名誉や富だけにすり寄ってくる友人も、この城にいる者も、息子も、お前も皆そうだ。私の心休まる場所は一体どこにあるのだろうか。それでも私は、あの憎き父親とは別の生き方をして、両親が死んだ今、両親を見返す為に、我が子を祝福して生きていこうと堪えようとしたんだ。でも我が子の幸せを願う一方、妬ましさと羨ましさで心が覆いつくされてしまって、自分が手に入れられなかったものを全て持っている我が子を見ると、感情をどこにどう吐き出したら良いのか分からなくなったんだ。そしてこの感情の憤りのやり場として思いついたのが、我が子にも自分と同じ苦痛を与えることだった。お前にはわからないだろう?まだ愛する者がこの世界に生きていると信じられているお前には。」

これまでキャシーと雄馬はグラジオラスとクレマチスが異星人同氏のパートナーとして、水星の歴史上で初だと思っていた。がしかし、初めて異星人同士のパートナー達の存在を知られたのは、カルミアだった

。そしてまさか、キャシーは祖父母のカルミアとクロエに、荒んだ過去があったなど知る由もなかったが

、これを期に全てを知り、複雑な思いを抱いた。このままカルミアは愛する者を失った憎しみから抜け出せないのだろうか?!


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