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hmsstpy  作者: ゆりえ
後編 第1章 無二の魂
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第3話

もう鳴ると思っていなかったDSTDが久しく鳴り始めた。DSTDのコールを鳴らした人物とは一体?!

DSTDにかかってきた電話の相手はナンシーだった。


「もしもし雄馬さん?今日は大切な話しがあるの。実はマキシムがまだ消滅していなかったの。

と言っても、今、私がいるこの世界には存在していないのだけどね。」


「どういうことですか?」


「あなたのいる世界と私のいる世界、その狭間、つまり過去と未来の狭間で彼は今、存在してるの。

そこはまだ未完成な世界だから真っ白で何もない空間なのだけれど、なぜか私とだけは、テレパシーの様なもので会話をすることができる様になったの。

最初は幻聴か何かで、私の気がどうかしたんじゃないかとも思ったわ。あなたが過去を変え、マキシムの正体を知ったことで、私達も一緒に消滅するのだと思っていたけれど、そうじゃなかった。

この世界では、ただ。マキシムが失踪したということになったのよ。私はマキシムが失踪して、マキシムの声が聞こえるようになってから、そのことを周りに話したけれど、ただの幻聴じゃないかと言う人達も少なくなかった。

けれど、ケイシーと何人かの研究仲間はそれを信じてくれたのよ。

それにあの人が、、マキシムだけがこの世界から消えていなくなったなんて、信じたくない気持ちもあったし、どうにかできるならしたいとも思ったのも確かで、、。だから、こうして今あなたに連絡をすることに決めたのよ。あなたは信じてくれる?」


「信じるかどうかは別として、それを確かめる方法はあるんですか?」


「ええ、あるわ。DSTDを使えば、きっとあの人に会うことができる。」


「会ってどうするんですか?」


「過去と未来の自分の存在を認識し合った時に、マキシムは自分が消滅すると言っていたけど、そうじゃなかった。その仮説が違ったその理由を探す良い機会だし、、それに、あなたにあの人を連れ戻して欲しいの。」


「連れ戻すってどうやってですか?」


「分からない。けれど、きっとあなたになら、それができる気がするの。」


「分かりました…。やるだけやってみます。」


「お願いね、雄馬くん。」


「はい。」


電話を切ると、DSTDを使い、異世界に行くことを仲田にだけ話すと、DSTDの6を押して、すぐに眠りについた。




目を覚ますとそこは、一面真っ白な世界で、すぐ側にはマキシムが立っていた。


「やぁ、久しぶりだね。」


「どうもお久しぶりです。あなたがここにいるって、ナンシーさんから聞いて来ました。どうして、こんな所にいるんですか?」


「そうだね、それはね…、分からないんだよ。」


「そうですよね、それが分かっていたら、俺もここに来てないですしね。」


「ああ。一体どうすれば、この真っ白な世界から抜け出せるんだか、さっぱりだ。腹も空かないし、時間がどのくらい経ったのかも分からないが、このままでは僕の精神がどうにかなってしまいそうだ。

そういえば、、、もう君に、僕の正体を知られたんだったね。色々と取り繕う必要もなくなったな。名前とか、いちを作っていたキャラとか…。」


「あ…まあ、そうですよね。もう最後のお別れだから、お涙頂戴みたいな感じで電話してたのに、お別れじゃなかった現状も、日本人なのになぜ、マキシムっていう名前にした?ネーミングセンスの無さ。って思っちゃったけどそれは未来の自分が付けた名前だったとか、俺だって、取り繕って、気にしてる感じ出さなくて全然いいですよね…。」


マキシムと俺は少しの間、沈黙した後、互いの目を見つめ合い、真顔で小さく頷いた後、何事もなかったかのように話し始めた。


「あの、変なこと聞いても良いですか?」


「ああ、なんだい?」


「もし、一番最初に行った異世界であのまま僕が生涯を遂げていたら、どんな人生を送っていたと思いますか?」


「多分、君が、あの世界であのままいても、最初は楽しいと思うけど、きっと、君の、僕の事だからその生活に慣れてきた頃に、平凡過ぎて、物足りなさを感じただろうと思うよ。

でも、あの世界で、恋愛を通して、何か得たものはあっただろう?」


「確かに、ありました。けど、たまに思うんです。あの世界に限らず、俺があのままDSTDで行った世界から立ち去らずに、そこで死ぬまで生きていたら、とか生き続けなきゃいけなかったんじゃないか、自分だけが何かを得て、そこにいた世界の人たちはその世界でしか生きることを知らないのに

、俺だけ、自分が行きたい世界にただ逃げ回ってるだけじゃないかって、そう思う時があるんです。


「じゃあ君は、今日に至るまでに、何も失わずに、やるべきことも何一つやらずに、ただ逃げていただけで、今、君に手を差し伸べてくれている周りの人達は、君の逃亡に加担していだけということになるぞ。それでもそんな風に思うのか?」


「俺が色々な世界を見たいと思って、色々欲しがったから、それで色々な人を巻き込んで、傷つけたり、傷ついたり、何かをしてそれが絶対に誰も何も傷つかない補償なんて、どこにもないのに、自分から何かをすることが本当に正しくて、真っ当な生き方っていうのかな?って時々、そんな考えが止まらなくなるんですよ。

そして、これからも、俺が何かをしていく度に、誰かを傷つけて、傷つけられて、犠牲にして、そんな風に俺はこれからも生きていくのかなって。」


「そういうことで僕も悩んだことがあるが、生きるってことはそういうことなんだよ。それに、僕は思ってたら本当にそうなってしまうと思うから、明るい未来をイメージして生きているけれど。」


「でも!イメージをしていても、あなたには明るい未来は来なかったのが現実ですよね。」


「そうかもしれん。だが、君に未来を繋げたじゃないか。」


「でも!あなたの未来は明るくなかった!」


「君は一体何を知りたいんだ?」


「分かりません。でも、何かがつかえた感じがして、取れないんです。」


俺がそう言った瞬間、真っ白だった空間が見る見る間に情景を変え始めた。

マキシムが一人で閉じ込められていた真っ白な謎の空間。それが雄馬が取り乱したタイミングと同時かのように情景を変え始めた。

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