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hmsstpy  作者: ゆりえ
前編 第5章 鋼の意志
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第10話

現実世界に戻り、受験当日を迎えた雄馬。

緊張した雄馬だったが、、、。

朝起きると、いつも通りに身支度を済ませ、朝食を済ますと、リビングのソファに座って問題集を見


直していた。異世界でいくら完璧に勉強したとはいえ、万が一という時のことも考えて、ギリギリま


で勉強していたかった。すると、俺より少し後に朝食を済ませた神菜と仲田が俺の両隣に座った。


『そんなに眉間にシワ寄せちゃって~!シワ!消えなくなっちゃいますよ~!!』


そう言ってきた仲田をキッと睨むと、仲田は慌てた様子で弁解した。


『冗談ですって!!そんなにカリカリしないで下さいよ、、、きっと、いや、雄馬さんなら絶対大丈夫だって、俺、分かってますから。受験なんてホント小さな関門でしかないんですよね?だって、これ(科学)には雄馬さん、、あんたの人生をかけてるんですもんね?』


『ああ。』


『雄馬さん、私も信じてます。あんなに勉強してきたんだから、絶対に大丈夫。むしろ私はこうしてる間にも、雄馬さんに追いつかれないか不安にすら思うわ。』


『ありがとう、、二人ともありがとう。俺、精一杯やってくるよ。』


そう言って俺は部屋を出ると、受験会場へと向かった。


受験会場に着いて席に座り、試験が始まるまでの間、少し、考え事をしていた。異世界でどのくらい


勉強していたのか具体的には分からないものの、自信満々だったはずが、いざ本番になると、緊張を


していたのだった。だが、そんな緊張を長くしている間もなく、数分後に試験が始まり、気が付け


ば、あっという間に試験を終えていた。手ごたえは、、というと、恐ろしいくらいに分からないこと


が見つからなく、全ての問題がスラスラと解けたのだった。


そんな調子だったので、数日後、当然の様に、合格通知を受け取り、合格通知を受け取った日は、神


菜と仲田が盛大に祝ってくれ、俺はこれから大学入学、卒業、就職にその後、この二人と自分達の研


究所を構えて、いつかは世界一の大科学者になることを想像し、夢をみて大きく胸を膨らませていた


。それから入学して数年の月日が流れ、俺は、神菜と仲田より数年遅れて大学を卒業した。就職先も


決まり、その経験を積んで、神菜と仲田と三人で研究所を、、、!!と思っていた矢先の事だった。


母さんから一本の電話が入った。


『もしもし雄馬?お父さんが心筋梗塞で倒れたの。命に別条はないんだけどね、発見が遅くなったせいで後遺症がかなり残るみたいで。雄馬、今、大切な時期だから母さん、雄馬には黙っていようかと思ったんだけど、、ごめん。母さん、どうしたらいいか分からなくなって。本当にごめんね。』


『分かったよ。今からそっち向かうから、とりあえず、落ち着いて。』


そう言って電話を切るなり、病院に向かい到着して病室に入ると母さんが、俺の姿を見るなり駆け寄


り、泣き崩れたのだった。


俺は数分間、母さんの話を聞いてなだめると、ようやくベッドに寝ている親父の傍に行くことができ


た。親父は目を開けて何かを言いたそうにしているが、何を言っているか分からなかったが、親父の


ことだから、きっと、俺に『帰れ』とでも言っている様に思えたが、俺は、親父のその姿を見て、号


泣してしまった。その後、しばらくして、俺も母さんも少し気持ちが落ち着いてから、これからの話


をしたが、冷静になった母さんは、『父さんと母さんのことは心配しないでね。』と言うのだった。


俺は、母さんのその言葉を聞いて、一旦、自分の部屋に帰り、その数日後、就職が決まっていた会社


に入社をした。時々父さんの病院に見舞いに行っていたが、数ヶ月の内に状況は深刻になっていくば


かりだった。母さんの賢明な介護の末に、親父は日常会話ができるようになり、自分で食事も出来る


程になった。しかし、あと少しで定年だった父さんは、会社をクビになり、年金は受給できる年齢ま


では後、数年あったが、貯金で何とかやっていけると話していた矢先に、今度は母さんが、過労で倒


れたのだった。


その状況の中で、就職して数ヶ月経った俺の頭の中には、ある考えが浮かび始めていた。そしてその


考えを、ついに、神菜と仲田に話す決意をしてしまったのだった。俺は2人をリビングに呼び、話を


した。


『2人とも、忙しいのに急に時間割かせて悪い。』


『良いんすよ、気にしないで下さい。それで話しってなんすか?』


『うん、気にしないで。大事な話ってなに?』


『ああ、悪い。俺、、、さ、、、。』


『なんすか~?!俺等の仲じゃないですか!遠慮なしにはっきり言って下さいよ~!』


俺は俯き加減だった自分の顔を上げて、二人にはっきりと言った。


『俺、仕事辞めて、実家に帰ろうと思ってるんだ。』


その瞬間、二人は、ハッとした表情を浮かべた。最初に口を開いたのは仲田だった。


『何言ってるんですか?』


『何言ってるってそういうことだよ。』


『なんでですか?』


『それは、、なんとなく二人には話してたかもしれないけど、俺の親父が病気で倒れて、母さんも最近過労で倒れてさ、、、それで、、、』


『それでなんすか?!』


『それでなんだって、そういうことだよ!俺が親父や母さんの面倒みないで、一体誰がみるんだよ!!』


『あんた、自分の寿命削って、自分の人生賭けてでも、大科学者目指すって言ってたじゃないですか?それをそんなことを理由に、、俺達とやってきたことも、俺たちの期待も全て踏みにじってあんたは実家に帰るっていうんですか?!』


『そんなこととはなんだよ!!!俺の親の人生のことをそんな事とはなんだよ!!』


『ちょっと待って!!!2人とも落ち着いて!!私も雄馬さんに聞きたいことがある。雄馬さんが実家に帰るってこと、お母さんには話したの?』


『話してない。』


『それなら、、、お母さんとよく話し合ってから決めるんでも遅くないんじゃないかな?』


『いや、それは俺が決める。俺の親のことだ。いくら神菜の言うことでも、聞けないよ。』


『どうして?私は決めているんじゃなくて、ただ、お母さんや、お父さんの意思だって尊重しなきゃっていっているだけ、、、』


『お前らさ、他人事だから、そんな簡単に言えんだよ。もういい。この話をするって決めた時から、お前らに理解して貰おうなんて思ってなかったよ。だから、また五年後、十年後に一緒に大科学者目指してくれとも頼まないよ。けどさ、俺は、自分の親を大事にしたいだけなんだ。』


『あんた、どんだけ自分勝手なんだ!勝手にしろ、俺はあんたとはもう、大科学者を目指さない。』


『雄馬さん、私はあなたがまた戻って来ることを信じてる。けれど、そこで揺らいじゃうってことは、あなたにとってこの夢は本物じゃなかったのかなぁって、私はそう思えてしまうよ。』


『ああ、だけど、なんと言われても俺の考えは変わらない。』


『分かったわ。もうこれ以上私は何も言わないわ。けれどあなたが目を背けて見ようとしなかったそれによって、どれだけのブランクになるのか、私があなたよりもっと先で走って見続けているわ。果たして追いついて来れるかしらね?』


『ああ、君には必ず追いつくさ。』


そうして数日後、仲田にも神菜にもちゃんとした別れを告げられないまま、部屋を後にした。

























雄馬は将来の夢と希望を語り合った仲間、恋人を捨てるという、結果的に残酷な選択をしてしまったが、見方によっては、どちらを選んだとしても残酷な選択として、結果的にはなってしまうような選択肢に迫られた雄馬だったが、彼が選択したことで、果たしてこの先、どのような未来を辿ってゆくのだろうか、、、後編、第六章へ続く~

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