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hmsstpy  作者: ゆりえ
前編 第5章 鋼の意志
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第4話

新たに生活を始めようとする雄馬達は、、、!!!

数日後、新しく住む部屋が決まった俺達は、荷物をそれぞれの部屋から運び出して、引っ越しも終盤に迫っていた。俺は最後の荷物を運び出すべく、実家へ向かっていた。

実家に着くと、親父も母さんも家にいた。今日は平日、そして真昼間だった。母さんは専業主婦だから家にいるのは分かったが、普段平日は、親父は仕事に行っているはずなのに、その日に限っては家にいた。その光景を横目に見ながら、俺は最後の荷物を取りに自分の部屋へと向かった。

部屋に入り、荷物をパンパンに詰めたリュックを運び出そうと持ち上げると持ち上げた拍子にリュックの口から何かが落ちたのが見えた。それは身に覚えのない封筒がだった。封筒を拾い中身を確認すると、俺の名義の通帳と印鑑が入っていた。身に覚えがなかった為、こんな通帳いつ作っただろうかと思いながら、何気に通帳の残高を確認すると、通帳の中には、1000万円の残高が入っていた。その瞬間、ようやくこの通帳が今ここにある意味を理解し、その途端、涙が溢れ出てきて止まらなくなった。

それから俺は気持ちと考えを整理してから部屋を出た。家を出る際に、母さんはいってらっしゃいと言いながら微笑んで見送ってくれたが、親父は、俺に背を向けたままだった。俺は、出しかけた言葉をグッと堪えて、両親にただ、一言『いってきます。』と一言いうと実家を出たのだった。


それから仲田と神菜と三人で生活をし始めて、初めて知ったことがあった。仲田は元々,実家からバイト先に通っていたのは知っていたが、神菜が今までどうやって生計を立てていたのかは俺は全く聞いた事がなかった。それを知ったのは、一緒に住み始めて数日が経ってからの事だった。神菜は以前から、週三回程度、コンビニの職場に夕方以降から、夜10時まで来ていたが、それ以外の時間は学校で忙しくしているものだとばかり思っていたのだが、バイトがある以外の日と日曜日以外の日は、19時くらいになると出掛けて行き、夜中3時くらいまでは帰らなかった。神菜は最初の数週間は友達の家にに行遊びに行くなどと言って出て行っていたが、それが数週間続くとなると、俺は何処へ行っているのか気になって聞かずにはいられなくなっていた。そしてある日の朝、朝食を食べ終えると、ついに俺は聞いてしまった。


『神菜、話したいことがあるんだけど、学校行くまでの時間ちょっと良いか?』


『うん、大丈夫、、だよ。何かな?』


『昨日の夜も帰り遅かったみたいだけど、また友達の所に行ってたのか?』


『うん、そうだよ。』


『そうか、、うん、、そうだよな、、、って、やっぱ納得できない!流石にこれだけ続くとそれは信じられない。信じてやれなくてすまん。怒らないから、本当のことを話してくれないか?』


『だよね、、これ以上は無理だよね、、、。雄馬さんごめんなさい、私嘘ついてた。実はね、この部屋に来る前から一人暮らしをしていて、普通に稼ぐんじゃ食べていけないと思ったから、ホステスとして働いて生計を立てていたんです。でもそれだけで働くとなると勉強する時間が取れないし、それに、お水の仕事だけじゃなく時給の安い場所で一般社会で働く経験もしたかったの。世の中のことを色々知りたかったから、、、。隠していて、本当にごめんなさい!』


『そうだったのか、、。でも、こうやって話してくれたから良いんだ。生きて行く上で何の仕事をして食べていくかは、神菜の自由だと思うし、全然構わないと思う。だた、もし一つ提案できるのであれば、俺らと生活費を分担して払っている今、そんなに稼がなくても生活費はなんとかなるんじゃないか?。だからもし、勉強する時間がもっと欲しいと思うなら、仕事の仕方を変えるのも一つの手じゃないだろうか?今君は、働く時間を増やすか減らすか、それを選べるんだよ。』


『そっか、そうだよね。私、今まで一人で暮らしてたから、みんなと暮らしてたからって、今まで通り稼いでいかなきゃって思い続けてて、、それにホステスだって雄馬さんに知られたら嫌われちゃうと思ってたから言えなかった。隠してて本当にごめんなさい。』


『良いんだ。こうして神菜が本当のことを話してくれたことが俺は嬉しいよ。ありがとう。』


それから数日後、神菜はホステスの仕事を辞め、コンビニのアルバイトの出勤回数を増やし、より勉強の時間を増やす手段を選んだのだった。

新たな生活を始め、周囲の知らなかった想いに気付かされる雄馬。まだまだ新たな生活は始まったばかりだが、徐々に小さな試練が浮彫に出始めていくのだった。

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