第1話
雄馬は様々な決意を胸に、次々と行動を起こしていくが、、、。
数日後、俺はある決断をしていた。雪もちらついてきそうな季節だった。
再来年の春の入学を目指して、受験勉強に励む計画をたてていた。そして、もう一つの決意を胸に、それを両親に打ち明けるところだった。
『それで雄馬、また深刻な顔をして、なんの話しだ?』
『うん、、俺、色々考えたんだけど、家を出ようと思うんだ。』
俺がそういうと、想像していた通り、おふくろが心配そうな顔をして言った。
『雄馬、、あんたはまた突拍子もないことを、、。これから大学受験をするのに、なにも今、家を出ることないじゃない?家で勉強をしていた方が集中できるでしょ?』
『それじゃあなんか違う気がするんだ。今まで親父と母さんに散々甘えて生きてきた。だからこれを機に、俺、自立したいんだ。貯金も少しだけど、部屋を借りれるくらいの貯金はある。だから!』
『分かった。お前がそう決めたなら、引き止めはしない。ただ一つだけ言っておくぞ。そう生きると決めたなら、何に対しても、何一つ、言い訳はできなくなるぞ。』
『分かってる。俺が自分で決めたことだから。』
『分かった、お前の好きなように生きればいい。ただし二ヶ月以内に住む部屋を決めて、荷物をまとめてこの家から出ていけ。』
『ちょっとあなた!何もそんな言い方しなくても、、、!』
『わかった。言われなくてもさっさと出てくよ!』
俺は、頭に血が上って親父に大きな声でそう吐き捨て、自分の部屋に戻った。それから少しの間落ち着かなかったが、自分が今すべきことをよく考え、数時間後に神菜と仲田と『月の和膳』で待ち合わせていることを思い出した。
まだ時間があったが、外の風に当たって気を紛らす為、早めに家を出た。
そうして外をふらふら一人で歩いている内に、あっという間に待ち合わせの時間が来てしまい、少し遅れて、月の和膳へと向かった。
店に着いて席に座ると、俺は二人に話をし始めた。
『すまん、呼び出しておいて遅くなって。』
『いえ、俺は全然良いんですけど、、。大事な話って一体なんすか?俺だけ来てるのかと思ったら、有村さんも来てるし、、。』
『ああ、急で本当にすまん。そして今からする話もかなり急なんだが、、単刀直入に言う。今日二人を呼び出したのは、、、三人で部屋を借りて、一緒に住まないか?』
そういうと、神菜と仲田は声を揃えて、驚いた様子だった。
『は!?え!?矢中さんぶっ飛び過ぎ!!ど、どういうことっすか?!』
『え、、ええ、私も流石に、驚いちゃった。でも、雄馬さんはどうしてそう考えたの?』
『うん、まぁ二人の反応は予想してた通りだけど。俺がそう思ったのはさ、、俺達は同じ夢を持ってて、それでもって偶然にもこんな身近に居合わせたのに、別々に夢を目指していく方が俺には不自然に思えたんだ。
俺はまだ、大学に入学すらしてないけど、同じ夢持ったお前らといた方が、良い環境になると思ったのと、一人より、三人の方が大科学者になる近道だと思ったんだ。』
『ちょ、ちょっと待ってくださいよ。矢中さん、言ってること突発的過ぎて全く理解できないです。大体、お二人、付き合ってるんですよね?それで、一緒に住む俺ってなんなんですか?馬鹿にしてるんですか?同棲したいなら、お二人でどうぞ。』
『支離滅裂で、自分勝手なこと言ってるのは分かってる。だけど俺さ、やっと見つけた、、気付けた夢に対して、それを叶えていく過程で、自分に小さな嘘を一つもつきたくないんだ。やりたいことを言葉にしないで、何も行動せずに、ただ時間が過ぎていって得体のしれない劣等感に駆られているような生活に俺は絶対に戻りたくないんだ。仲田、お前がそんな風に思うなら仕方ないと思う。神菜はどう思う?』
『、、、ごめんなさい、少し考えさせて。』
『分かった。二人がどういう決断をするにせよ、俺は実家を出ようと思ってる。部屋は俺が探しておくから、一ヶ月以内に返事をくれ。話はこれだけだ。じゃあ俺帰るから。』
そう言って俺が席を立っても二人は俯いたままだった。俺はその二人の様子を横目に、振り返らずに店を出た。
雄馬は自分の思いを周囲に伝えるが、思ったようにはいかずにいたが、、、。




