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hmsstpy  作者: ゆりえ
前編 第4章 未知の世界
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第5話

神菜に酷い言い方をしてしまった雄馬だったが、また元の関係に戻れる日は来るのだろうか?!

目を覚ますと、自分の部屋いたが、いつもと何かが違って見えた。俺は、その違和感にハッとして、カレンダーを確認すると、そこは四年後の世界だった。DSTDのボタンを押してから、何も変わらない世界のように思えていたから、異世界には来ていないのではないかとすら思い始めていたので、不意を突かれたような気分になった。

そう思った瞬間に、突然、経過した四年分の記憶が、俺の頭の中に刷り込まれてきた。

この四年間、神菜とのあの電話以来、神菜は俺を避けるようになった。そんな態度の神菜に対して、俺から話しかけようとすることもなく、時間が経てば、、また、神菜から話しかけてきてくれるだろうと、頭の片隅で期待をし続けたが、気が付けば、神菜は大学を卒業し、バイトを辞め、現在は仲田と同じ研究所に就職していることを耳にしたのだった。肝心の俺はというと、今も実家で暮らしながらコンビニで働き続け、時間が空けば、パチンコにゲームなどをする生活を続けていた。

そして、その記憶が頭の中に刷り込まれてきた所で、俺は、現状をどうにかしようとも、何とも思えなかった。そして今日もまた、、身支度を済ませ職場に向かう準備をし、到着すると、いつものように店内で坦々と作業を進めていたその時だった。

仲田と神菜が店に来て、俺に話かけてきた。


『おっす!矢中さん、元気っすか?俺はこの通り、超元気っす!』


『あっそう。』


俺はそう言い放った後、仲田の背後にいた神菜に不意に目線をやってしまい、一瞬目が合ったが、すぐに目線を逸らされてしまった。そして、仲田はまだ話し続けたのだった。


『そういえば、俺、神菜と付き合うことになったんで、矢中さんに言っておこうと思って。』


『あっそう。お前、わざわざそんなこと言いに来たの?こんな夢も目標もなしの、なんの取り柄もない糞フリーターに、そんな自慢しに来る時間があるなんて、お前も暇だな。』


『暇じゃないっすよ。忙しい中合間ぬって、こうして、可哀想で寂しい矢中さんに会いに来てあげてるんじゃないっすか。』


『へぇー。お前らが話してた大科学者になろうとしている人間ってのは、こんなくだらない糞フリーターに、大切な時間をわざわざ費やすような、間抜けだったんだな。』


『どういう意味っすか?』


『大科学者を目指すってことはさぁ、研究に夢中になりすぎて、三度の飯より、睡眠より研究に夢中になって、研究所から出られなくなるくらいじゃないと大科学者になるなんて無理じゃないの?こんな所で油うってる暇があんなら、さっさと、研究所に戻れば?』


『そんなこと、矢中さんに言われなくたって分かってますよ!神菜、行くぞ!』


そうして二人が帰った後、なんで、なにもしようとも、してもいない自分が、他人にあんな説教ができたのか自分の神経を疑いながらも、あれだけ篤くなって、説教をする気持ちなった自分の感情を疑問に思った。

しかし時間と共に気持ちが落ち着き、いつも通り仕事を終え、なんだかむしゃくしゃした、自分でも原因のよく分からない感情だけが残り、パチンコ屋にでも寄って帰ろうと思って歩いていると、携帯電話の着信音が鳴り響いた。神菜からだった。俺は少し躊躇ったが、その電話を取らずにはいられない衝動にかられた。


『もしもし。』


『もしもし、さっきは、ごめんね。』


『なんで謝るの?それより、どうしたんだよ、君がこうやって電話くれるなんて、数年ぶりだね。』


『そうだね、数年ぶり。ちょっとね、雄馬さんに話したいことがあったの。』


『なに?』


『うん、、雄馬さんは、なんで、そんなに劣等感を抱いているの?夢がないとか目標がないとかフリーターだとか、そんなこと関係ないでしょ?雄馬さんがそういう生き方をすることを自分で選んで自分で決めたんじゃないの?それとも何か、後悔でもあるの?』


『そんなの、ないよ!なんでそんなこと君に言われなきゃならないんだよ!じゃあ、君こそ、四年前のあの電話をした日、あの電話で、自分自身に劣等感があって、自信がないから、大事な決断をわざわざ俺に決めて貰おうとか、そんな風に思って相談してきたんじゃないのか?』


『そうね、その通りだわ。ねぇ、雄馬さん、人には、色々な可能性があって、それでもって、必ずその可能性と一緒に欠点もあると思うの。それは、雄馬さんも私も、今だって変わってないし、きっと、私も傷つくことが怖くて、上手くいかなかった時のことを想像してしまって、すべきことから逃げてる。それでも、自分が決めた今だから、間違いではないと思うんだ。けどね、、雄馬さんにだけは、伝えたい。あなたが今やっていることに対して、胸を張れない生き方はあなたにだけはして欲しくないよ。だからあなたはあなたらしく、正々堂々と生きて。』


『なんだよ、それ?まるで言ってることが滅茶苦茶、、、。』


俺がそう言いかけた時に、一方的に電話は切られてしまった。


それから、神菜の訃報が俺の元に届いたのは、その数日後だった。








神菜の死の訳とは一体?!

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