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hmsstpy  作者: ゆりえ
前編 第3章 終わらない真実
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第14話

両親を亡くした雄馬だったが、悲しみのあまり、泣き続け、泣き疲れて、知らぬ間にそのまま眠ってしまっていた。目を覚ますと辺りの様子や身体に違和感が?一体、雄馬の身に何が起こったのか?

目を覚ますと俺はベッドで横になっていた。と、その直後、俺は全身に、異常な倦怠感を覚えた。それでもなんとか、ゆっくりと起き上った俺は、昨夜、床でそのまま眠ってしまったことを思い出した

それなのに、なぜか今、ベッドで寝ていたことを疑問に思った。


そして、立ち上がった俺は、なぜか背筋をピンと伸ばすことが出来なかった。そして、何気に視界に入った自分の手を見て、俺は愕然とした。


その手は、シワくちゃで、まるで、老人のようだった。


そして俺は、部屋にあったカレンダーを見つけるなり、西暦を確認すると、そこは更に30年後の世界だということを目にした。俺は79歳になっていた。そのことに気が付いた瞬間、また、俺の頭の中に空白の時間だった30年分の記憶が流れ込んできた。


親父とおふくろが死んだ後、俺はしばらく塞ぎ込んでいたが、アヤメと苺夏の支えがあって、その悲しみを何とか乗り越えることができた。


それから数年して、孫が生まれ、娘の苺夏も幸せな過程を築き上げ、その孫もすっかり成人していたのだった。


俺とアヤメはというと、、、定年後に二人で、一匹の猫を飼い、穏やかにその老後の日常を過ごしていたのだった。


そして、俺が目を覚ましたのは、そんな穏やかな日常の朝だった。


『あなた、ご飯が出来たわよ。起きて一緒に食べましょう。』


アヤメが部屋の扉を開けてそう言った。


『分かった今行く。』


そう答えた俺は、少し深呼吸をしてから、リビングの方へと向かった。


リビングに行くとアヤメが質問をしてきた。


『あなた、今日は何月何日かしら?』


『五月九日だよ。』


『そう。今日は、天気が良いみたいね。』


アヤメはテレビの天気予報を観ながら、俺にそう言った。それから数分後、アヤメはまた俺に同じ質問をしてきた。


『今日は何月何日かしら?』


俺は耳を疑った。俺は、アヤメが寝ぼけてか、ふざけて同じ質問をしているのかと思い、少し、キツめに言い返した。


『五月九日だと言っているだろう。さっきも同じこと聞いただろう?からかっているのか?』


『私はからかってなんかいないわ。さっきも同じ質問なんて、私、あなたにしたかしら?何も日付を聞いただけで、そんなに怒らなくても、、、。』


『アヤメ、、お前、本気で言ってるのか?』


『そんなことであなたをからかってどうするの?』


『そ、そうか、、。』


俺はその時、(アヤメも、年を取ったんだなぁ)としか思わなかったのだった。


そんなある日、いつものように夫婦でスーパーに買い物を行った時のことだった。


店内を一通り見て回り、レジに並んでいる時に、アヤメが買い忘れがあったと言って、何か商品を取りに行った。後ろには、三人程並んでいたが、買い物カゴいっぱいに詰めてあったので、アヤメが買い忘れたものを買いに行くくらいの時間的な余裕はあるだろうと思っていた。だが、待てど暮らせどアヤメは、なかなか、レジに戻らなかった。ついには、お会計の所まで来てしまい、後ろの客が、早くしてくれなどと、文句を言い始めていた時に、ようやくアヤメの姿が見えてきた。俺は、早く戻るように、少し離れた距離から、アヤメを少しキツめに呼んだ。


それから会計を済ませた後、後ろに並んでいた客が、俺たち夫婦の悪口を店員にぶつけていた。後ろの客の言い分はこうだった。


『すいませんの一言も無しかよ。』


それを聞いた俺は、アヤメに八つ当たるように、アヤメを叱ってしまった。


『後ろに並んでいる人がいるのに、なにをそんなに迷っていたんだ?!』


『なによ?!私が悪いっていうの?』


『そうだろ?何か間違っているか?』


『ええ、私は生活に必要なものを買いたかっただけですもの。』


『そうか、、もういい。』


そのことをきっかけに、アヤメと喧嘩になってしまい、お互いに無言で帰宅することとなった。


自宅に着いてからも、俺はアヤメと口をきかないまま、過ごしていると、そのうち苺夏が家にやって来た。


苺夏は家に来るなり、明るく俺たちに話をかけてきた。


『パパ、ママ久しぶり!元気にしてた?』


俺は、アヤメと喧嘩をしていて、イライラしていたが、元気だと答えた。


そしてそんなギクシャクした空気ではあったが、苺夏が来てくれたことがとても嬉しく、純粋に、家族団欒を楽しんでいたが、日常の些細な会話から、不穏な足音が聞こえ始めようとは、思いも寄らなった。


『そういえば、苺夏、旦那は今日仕事なの?あれ、あなたの旦那の名前は、なんていうんだっけ?』


『ママ、本気で言っているの?私の旦那の名前は悠誠よ。何度も会っているでしょ?』


『あはは、そうだったわね!最近ちょっと物忘れが多くてね。』


俺は、それに重ねる様に、苺夏に話した。


『苺夏、聞いてくれ、、!最近、本当にママの物忘れが酷くてな。さっきも買い物に行った時に変なことをしていたし、この間なんて、何度も今日の日付を聞いてきたんだ。』


『私はおかしいことなんてしていないし、何度も日付だって聞いていないわ。どうしてそんなことを言うの?』


『まぁ、二人とも、喧嘩はその辺にしておいて、状況は分かったよ。とりあえずママ、今度、一緒に病院行ってみよう。』


『私はどこもおかしくなんてないわ!』


『そうかもしれないけど、、もういい歳だし、定期健診だと思って、行ってみよう?ね?』


『わかったわ、定期健診ね。』


苺夏がそう説得すると、アヤメは嫌々ながらも、定期健診なら、、と病院に行くことに納得した。


俺は苺夏が、アヤメの物忘れに対して、病院に行くという判断をしたことに対して疑問を抱いたが、アヤメがしてくれようとしていることに対して否定する理由もなかったので、アヤメのことは、苺夏に頼んだ。


後に、苺夏が下した判断の重要さと、己の無知さによる愚かさを知ることになるとは、この時の俺は、想像すらしていなかった。










苺夏が、アヤメの違和感に気が付き、病院に行くように説得し病院に行くこととなったが、アヤメは一体どうしてしまったのか?

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