第13話
雄馬の元に入った悲しい報せとは一体?!
苺夏の挙式も無事終え、何事もない日々を過ごしていたある日、一本の電話が入った。
『もしもし、こちら、矢中雄馬様のお電話でお間違いないでしょうか?』
『はい、そうですが。』
『こちら、〇〇総合病院ですが、、落ち着いて聞いて下さいね。先ほど、お父様とお母様が交通事故に遭いまして、当院に搬送されましたが、、大変危険な状態です。すぐに来てください。』
俺はそれを聞いて、携帯電話を床に落とした。
すると近くにいたアヤメが首をかしげて、こちらを見ていた。
『あなた、どうしたの?誰からの電話?』
『〇〇病院からだ、、親父とおふくろが交通事故に遭って、危ないって、、、』
『え?!じゃあ、早く病院に行かなきゃ?!』
『ふ、あんなロクでもない親が、ついにくたばるんだ。自業自得だろ。ざまぁみろ。』
俺がそう言うと、アヤメは俺の頬を思いきりぶった。
『痛ってぇなぁ。なにする、、』
『例えどんな親だって、あなたをこの世に生み出してくれた、たった二人だけの親でしょ?それにあなた、そんなにショック受けてるのに、まだ見え透いた意地張るつもり?私はあなたに、後悔してほしくないの。』
アヤメは今にも泣きそうな表情でそう言った。
『すまない、、ありがとう、、お前のおかげで目が覚めたよ。病院に行こう。』
そうして病院に着いた俺とアヤメは、事情を受付で話すと、すぐに、案内された。
しかし、俺が着いた頃には、すでに親父とおふくろは息絶えていた。
俺は両親の亡骸を目の前にし、数秒間立ちつくし、放心状態となっていたが、二人の亡骸の間に向か
って歩き出し、その場にカクンと両膝を落とした。
そして、冷たくなっていく両親の手を強く握り、しばらくの間、涙を流した。
アヤメは俺が落ち着くまで、俺の背中に手を当て、ずっと、寄り添っていてくれたのだった。
しかしそれまでに、人が亡くなった時に、亡骸がどのようにして、病院から運び出されていたのかを知らなかった俺は、初めてそれを目にしてショックを受けた。
亡骸を拭いた後、亡くなって間もない両親の亡骸を、早々と病院の外へ運び出すのだった。
それから、すぐに葬儀の話を進めるという、その普通でごく自然に行われるそれが、俺には酷く冷酷に見えたのだった。
葬儀の話は、俺が放心状態になっている間に、アヤメが全て聞いてくれていた。
それから、少しして、苺夏が到着した。
『パパ、大丈夫?』
放心状態の俺に、苺夏はそう、声を掛けてきた。
『ああ、苺夏、、パパ、これからどうしたらいいだろう?』
『どうって?、、』
『パパさ、、じいちゃんばあちゃんのこと、死んでから、初めて、愛していたって、ちゃんと気が付いたんだ。本当に馬鹿だよな。』
『パパは、馬鹿なんかじゃないよ。それに、きっと、おじいちゃんも、おばあちゃんも、パパの気持ち分かっていたと、私は思うんだ。パパだって、私が子供の頃、私の気持ちをわかろうとして、必死になったくれたでしょ?』
『そうか?、、そうだったか、?俺はちゃんと俺は、、』
『少なくとも、私はそう信じるよ。だって、そうじゃなきゃ、おじいちゃんもおばあちゃんも、私たちも誰の心も救われないでしょ?それに、今、パパがそれだけ辛いのは、パパが、おじいちゃんとおばあちゃんから、沢山、愛情を貰った証拠だと私は思うの。』
『そっか、、そうだよな、苺夏、、ありがとう。』
そのあと、俺はしばらく泣き続け、その場で眠ってしまった。
泣き疲れて眠ってしまった雄馬だったが、、、




