第5話
目覚めた雄馬が目にした光景は?!
目を覚まし、ベッドから起き上がると、前日とは、見える景色が違うことに気が付いた。
俺は、それに違和感を感じ、部屋を見渡すと、部屋の物の配置なども変わっていた。俺はまさかと思
いながら半信半疑な気持ちで、部屋にあったカレンダーを見つけて見ると
、そこが、八年後の世界であることを知った。すると、次の瞬間、八年分の記憶だけが、急に頭の中
へと流れ込んできた。
親父は相も変わらず、借金癖は直らず、今度は、周囲の人達からお金を借りては、おふくろが周りに
頭を下げて回り、お金を返すということが続いていたが、おふくろはそれでも、親父と離婚をしなか
った。そして、やり場のないおふくろは、俺に八つ当たりのようなことを何度も何度も、繰り返しす
るようになった。
俺はその荒んだ家庭環境から逃げ出したいが為に、あのケータイのクリアボタンを何度も押そうとし
たが、ここでまたクリアボタンを押せば、自分が知りたかった何かを知ることも、得ることもなく全
てが消えてしまう、という理由だけで、クリアボタンを押さずに、俺は、18歳になり、今、高校を卒
業した数日後にいるのだった。
突然、頭の中に飛び込んできた情報に少し動揺をしたが、そんな時でも空腹というのは訪れるのだっ
た。お腹が空いた俺は、何か、食べ物はないかと探しに、リビングの方へと向かった。
リビングには、親父の姿も、おふくろの姿も見当たらなかった。そして、何気なくテーブルの方に視
線をやると、そこには、一枚の書置きがあった。それにはこう書いてあった。
雄馬へ
まずは、雄馬ごめんね、もう限界です。我が子が高校を卒業して、この家庭から早々に逃げ出す母を、どうか許して下さい。どうか私を探さないで下さい。
母より
その書置きを見た俺は、家を飛び出し、おふくろを探し回ったが、どこにも姿を見つけることは、で
きなかった。
俺は、うな垂れながら帰宅すると、親父が帰っていた。俺が親父に怒鳴りかかろうとしたその瞬間、
その俺の声を掻き消すかのように、親父は言い放った。
『雄馬、金貸してくれ。』
俺は言葉を失った。そして、その日中に、荷物を全てまとめて、俺は実家を出たのだった。
それから俺が向かったのは、親友の涼雅の家だった。涼雅は中学の頃からの親友だ。涼雅は高校へは
行かず、中学を出て、すぐに働き始め、お金を貯めると、すぐに実家を出て、ホストクラブで働き、
一人暮らしをしていたのだった。
俺は、涼雅に家の事情を話し、働き先が決まり、お金が貯まるまで住ませて欲しいと話すと、涼雅は快く迎えてくれた。
その数日後、俺は、涼雅の紹介で、涼雅と同じホストクラブで働き始めていた。
その店には色々な客がいた。
女社長、未亡人、OL,ホステス、風俗嬢と様々な客増だった。
どの客も実生活をまるで忘れ、狂ったかのように、狙ったホストに、貢いで貢いで貢ぎまくってい
た。
俺は、店で働き始めて間もない頃に、マダムといった風な未亡人に気に入られ、運が良く、早くも指
名をとれていた。
そんなある日、いつもの様に店で働いていると、見かけない若い女から指名がかかった。その若い女
は仏頂面でこそあったがとにかく、美人で、俺のタイプだった。
そして俺は、彼女が座る席に向かったのだった。
若い謎の美人がなぜ俺に指名を?と思いながら席に向かった雄馬だったが、、、。




