第2話
マキシムからの電話で、モヤモヤしたまま、朝を迎えた雄馬だったが、果たして、雄馬に変化を与える出会いとは?!
人が行き交う街中で、俺は、寝不足気味の目を擦りながら有村さんとの待ち合わせ場所で待っていた。少しすると、人ごみに紛れて向こう側から有村さんがやって来るのが見えた。
『こんにちは!お待たせしてしまって、すみません!』
『いや、まだ待ち合わせ時間にもなってないし、俺が早く来過ぎただけだから気にしないで!』
『ありがとうございます!やっぱり、、、矢中さんって優しいですね!』
神菜はそう言うとにっこりと微笑んだ。俺は、その笑顔から目が離せなくなりそうになったが、あまり顔をジロジロと見過ぎて気持ち悪いと思われ、嫌われても嫌だったので、視線を少し逸らして話題を切り替えた。
『ところで、どこに飯食いに行こうか?』
『矢中さんは何が食べたいですか?』
『俺は、できれば、あっさりしたものが食べたいかな。』
『あっさりしたものですね!、、、じゃあ、、和食のあっさりしたメニューが沢山あるお店があるので、そこへ行きませんか?』
『へぇー、そんなお店があるんだ。俺、あんまり外食しないから、そういうの、うとくて、、そこにしよう!』
『はい!気に入って貰えるか分かりませんが、行きましょう!』
それから15分くらい歩くと、その店に到着した。
『着きました!ここです!』
店の看板を見上げると、看板には『月の和膳』と書いてあった。店の中に入ると、お洒落でシックな感じの雰囲気が主流で、小上がりの個室の席と窓際に区切り区切りの椅子席があった。なんとなく、その場の雰囲気と流れにより、小上がり個室の席に座ることとなった。席に座ってからメニュー表を見ると、刺身、煮物、焼き魚や天ぷらなど種類豊富な和食メニューがあり、値段もリーゾナブルだった。
『本当に色々あるね!』
『気に入っていただけたなら良かったです!あっさりしたものを食べたい時には、友達とよくここのお店に来るんです。』
そんなたわいもない会話をしながらオーダーを決めると、注文をした後、神菜が話を切り出した。
『ところで矢中さん、大丈夫ですか?』
『大丈夫って何が?』
『昨日、矢中さんに声を掛ける前に、矢中さんがとても元気がないように見えたので、、何かあったのかな?と思って、気になってしまって、、。』
『そんなに俺、元気ない感じだった?』
『はい、とても、、、。もし、私でも良ければ、何があったのかお話してくれませんか?何か、矢中さんの助けになりたくて、、、。』
『そんなに気にかけてくれたなんて、思ってもなかったから、ありがとう、、じゃあ、、少し長くなるけど聞いてくれるかな?』
『はい、もちろんです!』
『実は、、俺、しばらく一緒に暮らしてた友達がいたんだ。そいつの他にもう二人友達がいて、その片方が女の子で、その二人はよく家に遊びに来てたんだけど、俺の気が付かない内に、俺以外のその三人が三角関係になってたんだ。その結果、俺と一緒に住んでいた奴の恋が実らず、あいつは、部屋を出て行った。多分、あいつは俺からさえも距離をおくことで、その辛さや、孤独を忘れようとしたんだと思う。四人で一緒にいた時、あんなに楽しそうにしてたのに、、せめて俺にくらい一言、何か話してくれれば良かったのに、離れて行ってしまって、、俺たち四人の関係はめちゃくちゃになってさ。俺は一体どうすれば良かったのかなぁって、ずっと考えてたんだ。』
俺は異世界に行っていたことなどを話せるわけもなく、ざっくりと話をする形となってしまった。
『私は、孤独の感じ方は、人それぞれだと思うんです。相手の気持ちになろうと寄り添おうとする気持ちは、大切な人であるなら、大事だと思うんです。けれど、本当に自分の心を救えるのって、他でもない、自分自身だと私は思います。』
『なんでそう思うの?』
『私も、昔、孤独を感じたことがあったからでしょうか。』
『昔、何があったの?』
『・・・・・。』
『ご、ごめん、話したくないなら、無理に話さなくていいんだ。』
『いえ、、矢中さんだって話してくれたんだから、私も話すべきだと思うので、お話します。ただ、一つだけお願いをしてもいいですか?』
『うん、なに?』
『きっと、こんな話を聞いたら、きっと私に対して、こう思うと思うんです。『可哀想』と。でもどうか、可哀想って思わないで、今まで通り、変わらずに接して欲しいのが私からのお願いです。』
『俺だって、暗い話しちゃったし、それに対して有村さんだって本気で考えてくれてるから、俺だってその気持ちに応える義務があるでしょ?約束する。』
『ありがとうございます、、では、何からお話しましょうか、、。』
神菜が孤独を感じた過去とは一体どんな過去か?!




