第14話
航は飛鳥の車に乗り込み、連れられ、何処かに向かっていたが、、
一数時間後一
その場所は、草も刈られていない様な山の奥深くだった。飛鳥は目的地に到着するなり、車から降りると、自分の身長よりも高く伸びた雑草を掻き分けながら、山の中を歩き進んでいった。航はその後を黙って着いて行った。少し歩くと、雑草を踏み鳴らしたような道が一本出現した。その先を歩いて行くと、そこには石碑のような物が一つあった。すると、飛鳥が口を開いた。
『着きました。ここです。ところで航さん、
行きたい時間や場所、考えて貰えたでしょうか?』
『はい、もちろんです。』
『では、そろそろ時間でしょうか。』
そう言うと、飛鳥は腕時計見た。
その時計が、昼の12時34分を示した瞬間、石碑に、強く鋭い一点の光が差した。
その途端、飛鳥と航は、真っ白な空間に包まれた。
『では、目を閉じて石碑に手をあてながら、航さんが、行きたいと思う時間と場所を強くイメージして下さい。』
『わかりました。』
航は行きたい時間と場所を強くイメージした。それから数秒後、目を開くと、航は飛鳥と一緒に研究所前に立っていた。
『ここは、、ここが航さんの来たかった時間と場所ですか?』
『はい、ここの筈です。ここにはどのくらいいられるんですか?』
『好きなだけいられます。ただ僕と航さんの体には、ここにいただけの年月が課せられます。元の世界に戻った際にも、その課せられた時間だけの時間が僕達に課せられます。戻りたくなったら、また僕に言って下さいね。』
『わかりました、ありがとうございます。』
航は、研究所の出入り口正面が、ちょうど見えるベンチに座り、研究所の様子を伺っていた。しばらくすると、研究所から、雄馬と暁、由羅の三人が出てきた。その瞬間、航は驚いた表情を浮かべると、動揺した様子で口を開いた。
『これは、、どういうことですか?、、飛鳥さん
、、。』
『どういうとは?何かおかしなことでもありましたか?』
『はい。来たい時間に来られていないんです。』
『イメージが足りなかったのでは?』
『そうなのでしょうか?ではもう一度やり直します。元の世界に戻して下さい。』
『わかりました。それでは一旦戻りましょう。あの石碑のあった場所を強くイメージして下さい。』
そうして、すぐに、元の世界へと戻った。
その後、何日もかけて、何度も何度も試したが、航が行きたい時間に行ける事は一度もなかった。しびれを切らした航は飛鳥を問い詰めた。
『こんなに何度もあの過去へ行こうとしているのに、何故行けないのですか?!』
『もしかすると、、、僕に、この石碑の存在を教えた、時空の番人と名乗る奴らがいたのですが、奴らの中の一人が僕にこう言ったんです。
もし、石碑の力を用いても行けない空間があるとすれば、それは、この世界に存在しない空間だからだと。』
『どういうことですか?』
『おそらくその言葉通り、航さんが行きたがっている空間は、この世界に存在しないということです。あの時空にいる方々、御三方は、航さんが知らない何かを知っているのでは?』
『それはどうか分かりませんが、、確かめてみる価値はありそうですね。』
『是非、そうして頂けると嬉しく思います。僕も不具合の原因を知りたいですし。』
研究所にいる3人に、時空の移動が出来ない理由を確認しようと、航に提案した飛鳥だった。一見快く引き受けた様に見えた航だったが、、




