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hmsstpy  作者: ゆりえ
前編 第2章 夢
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第9話

スイッチを入れ、生命を吹き込まれた航は一体どの様な人物に育っていくのか?!

一数週間後一

航は、たったの数週間で、歩行から走行が可能になり、会話やコミュニケーション、表情の使い分けを可能とし、知能においては、僕らと同等か、既に超えているのではないかと予測していたその頃だった。

最近、航は、感情があるかの様に何か思い悩んでいるような表情を浮かべるようになった

。そう考えながら、航のほうに目をやっていると

、航は俺に話をかけてきた。

『先生、僕の父と母はどんな人だったのでしょうか?そして、父と母はどんな出会い方をして、どんな恋愛をして、なぜ僕だけが生き残ってしまったのでしょうか?こんなこと聞けるの先生しかいなくて。』

航には、以前から作り話を吹き込んでいた。

その作り話とは、、航の両親は、航自身が大人になってから、就職して初めて貰ったお給料で両親を旅行へ連れて行こうと、車を走らせていた時に交通事故に遭い、航だけが生き残り、両親は他界した。

そして航はその事故で記憶喪失となり、身寄りの無かった航を、大学時代に、航の両親と物凄く親しかった俺が引き取ったという話だった。その為

、俺は航のこの質問に対して、また嘘に嘘を重ねなければならなかった。

『君のお父さんとお母さんはとても優しい人だったよ。二人とは大学時代の同級生だったから、二人とも両思いなのは、目に見えて、分かったんだが、素直じゃなくてね。僕が二人の間に入って、恋のキューピットになったんだ。それから二人は恋愛をして、結婚をして、君が誕生したわけだ。なぜ生き残ったかなんて考えるよりも、君は今を1番大切にした方が良いよ。それが君が出来る唯一の両親への恩返しなんじゃないかな?』

『そうですよね。頭では分かっているんです。分かっているんですが、、、あともう一つ聞いても良いですか?』

『ああ、構わないよ。なんだい?』

『先生には愛する人っていますか?』

俺は、唐突にその質問をされ、そういえば、そんなこと考えたことがなかったなと思いながらも必死に言葉を吐き出した。

『僕自身、愛というものが何なのかよく分からないのだが、、おそらく、自分がどんな状況下にあっても、誰かに何かをしてあげたいと思う感情が愛なんだと思うんだ。だとしたら、航、これからも、お前を我が子の様に愛していくと約束するよ

。』

『先生、ありがとう。僕も無条件で誰かを愛せる様になりたいです。僕にもそれが出来るでしょうか?』

『出来るさ、航が強く願うならば。』

この時、俺は嘘に嘘を重ねた罪悪感に苛まれながらも、ここ数週間、寝不足が続く中、航を育て、航と過ごした時間だけは嘘では無かったと、自分に言い聞かせたいが為に最大の嘘をついてしまったのかもしれない。

そして、航に感情というものが芽生え始めているのではないかと疑い始めたのもこの頃だった。


一数日後一

航の知能が高まってきたことを、俺と暁、由羅の三人で話し合い、見据えた結果、それからというもの、徐々に航にも研究を手伝って貰うようになった。

そんなある日、由羅が何かを閃いたと口を開いたのだった。

『実は私、昨夜、ふと気が付いたんです。』

『何をだね?』

『本当に当たり前の事なんですが、全ての惑星はいつか消滅するじゃないですか。ということは、惑星も年齢を重ねているということで、つまり、どこの星でも時間が進んでいるということではないかということです。

そのことは宇宙に関しても全く無関係とは言えず

、宇宙も時を刻んでいるのだとしたら、いずれは消滅するのではないかと思ったんです。』

『なるほどね、、佐伯さん、、君は天才だ!

なんでこんな単純な事に気が付かなかったんだろうね。お陰で大切な事に気が付けた気がするよ。そもそも新たな発見というのは、既に目に見えていて、見る視点を変えることで出来るものだと、忘れる所だったよ。佐伯さん、思い出させてくれて、ありがとう。』

『いえ、私はただ思い付いたことを話しただけで

、そんな大それたことは言えていません!』

由羅がそう言い切った時に、暁も口を開いた。

『実は俺も気が付いたことがあります。』

『なんだい?』

『今、由羅が話したことを踏まえた上で、それじゃあ、ブラックホールやホワイトホールって一体何なんでしょう?そこでも、同じ様に時間が進んでいるのでしょうか?』

『僕にその謎を解く為の策があります。』

そう答えたのは航だった。

『どんな策だ?聞かせてくれ。』

暁がそう聞き返すと航は話し始めた。

『はい。まずは、ブラックホールとホワイトホールの間に、ワームホールというものがあるのはご存知ですね?そこを通り抜けることが出来れば時空を越えるという説があるのもご存知かと思いますが、当然、ブラックホールに人が近づけば、強力な重力があるので、、どうなるかは大方、想像出来るでしょう?

ではその空間を通り抜ける為の何かを発明するという手もありますが、現在、発明する以外の方法で、それを可能としているであろう人物を見つけたんです。

まだ会ったことは無いのですが、、それを既に、可能としている人物がいるのであれば、その人物に直接会って、話を聞いた方が早いと思いませんか?』

そう話した航に暁は反論をした。

『仮に、本当にそいつが時空を超えることが出来たとして、素直に俺達にその方法を話すと思うか

?大体、会ったことないって、どうやってそいつを知ったんだよ。』

『SNSで見つけたんです。』

『ほらみろ!そんなこったろうと思ったよ!

俺達は趣味や、お遊びで集ってる訳じゃねぇーんだぞ。もっとマシな方法探せよ!』

そう言葉を吐き捨てた暁に、由羅が話し始めた。

『じゃあ、あんたは何か、良い方法を考えてるの

?』

『それは、、別に何もないけど。』

『それなら、せめて考えてくれた航の話を最後まで聞いたらどうなのよ?!』

『、、、わかった、聞くよ。しゃーねーな。んで

、航、話の続きは?』

『はい。僕も初めは、SNSでそういう人物が堂々とそういうことが出来ると、公表は愚か、ほのめかすことすらないのではないと考えたのですが、逆にそれが盲点となって、今まで、そういう人物とは、なかなか接触しにくい世の中になっているのでは?と考えたんです。』

『それも、そうだな。お遊びだとか言って悪かった、航。』

『いいえ、新しいものに対して、初めに拒絶反応が起こるのは自然なことだと思いますので。』

『それで、その人物は特定出来てるのか?』

『はい、出来ています。あとは連絡をするだけです。』

この会話を聞きながら、俺は一つ疑問を抱いていた。航は、何故、時空を超える手段を先に探し始めていたのか。疑問だったが、その時は研究熱心の為、隅々まで、調べ尽くしているからとしか思えなかったのだった。

時空を超えることが出来る人物とは一体どの様な人物なのか?!

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