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第2話
それまで俺は、ただ飯を食って、寝て、起きて、ただそれを繰り返して暮らしているだけだった。
無関心に中傷、受けるのもするのも、全て世の中のせいにして、他人のせいにして、一番惰性で生きていたのは自分だったのに、本当は分かっていたのに、ずっと見えないフリをしていた。
そのせいで、他人から受けられたはずの希望やチャンス全てを無にして、自分で自分の首を絞めていた。
他人がやってくれることを最初から宛てにして、自分からすることをしなかった俺に、あのケータイは変化をもたらしたのは紛れもない事実だった。
それから数時間後、バイトを終えた俺は帰宅し、食事などを終えると部屋で休んだ。
心境に変化があったとはいえ、昨日までいたアニメの世界のことが夢のように感じ、妙に自宅にいることに安心をした。
だが、あの世界にあのままいれば、雪と恋愛をして、大人になって、結婚をして幸せな家庭を築いていたなんて考えると、少し寂しい気持ちになった。
少し?なのかな。俺は今、この現実世界では最高なんて気持ちになれる何かは一つも持っていない。
夢とか希望とか、社会に出てからは自分とは無関係のものだと思っていた。
『現実を見ろ。』
常に誰かにそう言われている気がして生きていた。
俺の夢ってなんだっけ?




