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hmsstpy  作者: ゆりえ
後編 第5章 hmsstpy〜完結章
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第2話

突然雄馬の前に現れた「hmsstpy」は、突然究極の選択を雄馬に迫った。

雄馬は一体、何をどう選択するのか?!


「hmsstpyってなんだよ?君がなにを言っているのか、俺には全く理解できない。

何を知り過ぎたって?知り過ぎたことでこの身を、よく分からない君に捧げるくらいなら、この世界の言いなりになるくらいなら、俺はどっちも選ばない!」

俺はhmsstpyにそう言い放ち、DSTDの最後のボタン「0」を押した。


すると、辺りがテレビの電源が消えたように突然真っ暗になった。

その暗闇の中で何が起こったのかもわからないまま歩いて行くと、遠くの方に小さな真っ白な光が見えた。

その光に近づいていくとトンネルの出口のようになっていてた。向こう側はとても懐かしくて、すぐに行きたくなる場所のような気がして、光の方へと駆け出した。

振り返ると、歩いて来た道は消えて無くなっていた。

辺りを見渡すとそこは海だった。そこは幼い頃に家族でよく行った海で、そこへ行くと、すぐに水着に着替え、浮き輪を持って砂浜から海へ入って遊んでいたのを思い出した。すると、その

思い出した当時の海水浴場の風景が徐々に目の前に広がり、辺りは海水浴で来ている人達で一気に賑やかになった。

砂浜に立ちつくしていると、俺に後ろから声をかける者がいた。その人物は、子供の頃の俺だった。


「ねぇおじさん!なんでそんなところで、ボーっと立ってるの?遊ばないの?」


「ああ。おじさんは、こうしてここで、みんなが遊んでいるのを見ているのが楽しいからね。」


「そうなの?僕だったら、ただ見てるだけなんて、退屈で嫌んなっちゃう!じゃあ、僕は遊んでくるね!海のずーっと真ん中まで行ってくるよ!」


「そうか、楽しんでおいで。だけど足のつかない深いところまでは行くんじゃないぞ。危ないからな。」


「ありがとう!でもわかってるよ!おじさんに心配されなくても僕は大丈夫!おじさんこそ、暑さで倒れないように気をつけてね!」


「ありがとう。じゃあな!」


「バイバーイ!」


子供の頃の自分との対話を終えて、ほんの少しの会話の中で思うことが沢山あった。

子供の頃の自分は、無邪気で自由で夢があって、人の話を聞いてはいるものの、良くも悪くもマイペースということだった。ありのままだった。

考えてみれば、今の俺も大きくは変わらなく、相変わらずマイペースでありのまま。ただそこに守るものができ、責任がかかり、知っていることが増え、身体が大きくなったことで、大人と呼ばれるようにはなったが、決して俺がやっていることが正しいか間違っているかと自ら認識できているわけではない。

ただ俺がそうしたいか、そうしたくないか、ただ、そう生きていることでついてきてくれた人達がいることに感謝をして、迷わずに前を向いて進んでゆくことでしか、その人達には恩を返せないと思っている。

俺がやってきたこととやっていることが、正しいか間違っているか、正義か悪かなんてことは、自分で分かる日なんて永遠に来ることはない。けれど俺がそうしたいからやることをやって、それに手を貸してくれた人達がいたから、俺は動けてきたのも事実だ。

そんな考えを巡らせながら歩き、海水浴場を抜けて隣接する小さな山の樹々をかき分けて進んでいると、その奥にはまた光の差す場所が見えた。

その光は、また俺を強く引き寄せた。好奇心に駆られ、駆け寄ったその場所はある公園だった。

後ろを振り返ると、たった今通って来た道はまた消え、辺りの風景はガラッと変わっていた。

その公園は、今は無くなってしまったが、子供の頃よく遊びに行っていた公園だった。

なぜ自分はここに来たのかとわけも分からぬままベンチに腰を掛けボーっとしていると、この近所に住んでいるであろう、幼い子を連れたお母さん達が一斉に公園へと入ってきた。

楽しそうに遊ぶ子供たちをベンチで微笑ましくも、ボーっと眺めていた。すると、その中に、俺の母さんにそっくりな人がいた。いや、、その人は紛れもなく母さんだった。若いころの母さんだ。

ということは俺もどこかにいるだろうと思い、目で探していると、俺のすぐ側まで来て、俺をじーっと見つめていた子供がいた。その子供が、写真などで記憶が残っている俺の幼い頃の顔をしていたので、すぐにその子供が俺であることが分かった。

俺はそこに俺がいることに気が付かなかった為に少し驚いたが、さっきの砂浜にいた自分より幼くなっ

た自分に平静を装って、話しかけた。


「どうした?みんなと一緒に遊ばないのか?」


「遊ぶよ!遊びたいんだけど、、、」


「けど?」


「僕、ブランコで遊びたいんだ。だけど、違う子が遊んでて遊べないんだ。」


「じゃあ、あの子と一緒に遊べば良いじゃないか。」


「一緒に?」


「そう一緒に。」


「一緒に遊べるの?!」


「ああ、遊べるさ。」


「わかった!一緒に遊んでくるね!」


そういうと幼い俺は、勢いよくブランコを漕いでいた見知らぬ子の方へ全力で走り出した。

手前で止まって、その子にブランコを次に貸して欲しいと声をかけるものだと思っていた。でも幼い俺は止まらなかった。そのままブランコを漕いでいた見知らぬ子の方へと走ってゆき思い切りぶつかって、擦り傷の大怪我をし、母さんが幼い俺をそのまま病院へと連れて行った。


その怪我をした日のことは記憶にはないが、母から、ブランコを漕いでいる知らない子の所に何故か子供だった俺が走っていったとだけ聞かされていたのを俺は思い出していた。その時に負った傷跡が俺の顔にはまだ残っていた。

俺は解釈の仕方が人とは違っていることが多く、幼い頃から「変り者」と呼ばれることが多かった。

走ってぶつかっていけば、痛い思いをするということが当時の俺には本当に分からなかったのだろうか。いやきっと、そうしたことに大きな理由なんてなかったのだろう。なんにせよ、最終的に俺がそうしたかったから、そうなってしまったのだから。

仮に一緒に遊べるよと言ったのが俺じゃなかったとしても、今更誰かを罪に問うこともしたくないし

、誰かにブランコで一緒に遊べるよと言われたことすら、今日まではっきり思い出すことができなかったし、結果として未来の自分と当時の自分、つまり自分が原因だったわけだから、誰かのせいではなく自分のせいだろうけど、見方が変われば、見る人が変われば、この状況で何が正義で何が悪なのかも、全てが変わってしまうのだろうなとも思った。


そんなことを考えながら、行く先も考えずに歩いていたが、その公園から数分歩いたところにある堤防に向かって無意識に歩いていた。堤防を登りきるとそこには、首が長く体長の大きい恐竜や小さな物静かそうな恐竜がそこいら中にいた。後ろを振り返ると、来た道や風景も消え、また一気に風景も変わっていた。

どうやら、俺は恐竜のいる時代に来てしまったようだ。


よく見るとその近くには何人かの人間がいるようだった。声をかけようと一歩踏み出した瞬間、彼らは槍のようなものをその手に持ち、大勢で一斉に一体の恐竜に襲い掛かった。

きっと狩りをしているのだろう。俺はこんな風に間近で狩りをしているのを見たことが無かった為

、その光景を見て、その場で嘔吐してしまった。

しばらくそんな状態になってしまったため、そこから動けずにいると、この時代の人達がこちらに気が付いて近寄ってきた

。彼らは俺に何かを言ってきたものの、全く言葉が分からず、とにかくこちらが無抵抗であることを両手をあげるなどのジェスチャーをして必死で訴えた。

すると彼らは、俺に肩を貸してくれ、どこかに俺を連れて行くのだった。


狩りの時は物凄い剣幕だった彼らも、恐竜の亡骸を運びながらも、穏やかな表情で俺を助けてくれているようだった。

しばらく歩くと、藁で覆われた家がいくつもある集落のような場所に辿り着いた。

そこに着くと一つの家に案内され、彼らが身にまとっている衣を俺にも差し出して、着れと言うように差し出してきた。そして俺は、その衣に着替えて、そこで休ませてもらった。


狩りの光景を見て嘔吐してしまったが、考えてみればこの時代には、スーパーもコンビニも何もない

。彼らが生きてゆく為に必要最低限な行いだと、さっきの光景を振り返って思った。

狩りをすることが正しいか、間違っているかなんてことを考えるよりも、彼らが生きてゆく為に、そうしなければ生きられなかったことをありのままにしているだけだと、俺の目にはそう写っていた。
















hmsstpyや世界の言いなりになることを拒絶した雄馬はどうするかも思いつかないまま、DSTD最後のスイッチ「0」を押した。

その先で、過去の自分に会ったり、全く知りもしない時代に行くものの、それらの世界に行くことによって、雄馬の中では何らかの変化をもたらしていた。

しかしhmsstpyと世界に反発してしまった雄馬。

果たして、自分が本当に知りたかったことを知り、本当に欲しかったものを手に入れ、大切な家族や仲間たちとまた会う日がくるのだろうか。

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