↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/81

気を抜き過ぎた

「私さ、わかんないんだよね」アキラが少しうつむいて言う。「友達としてジュンの事好きなんだし、ジュンも友達だと思って好きだって言ってくれてんのが嬉しいんだけど。…気持ち悪い!と思ってもいいからね。ジュンの事を、友達としてか友達としてじゃなく好きかどっちなんだろう、って結構最近考えるんだけど。普通考えないじゃんそんな事」

「…アキラは…女の子が好きなの?」

「ううん。ジュンが好き」

「そうじゃなくて!」と私が強い口調で言うのでアキラが普通にビックリしている。

「男子よりも女子が好きなのかって聞いてんの」

「ん~~そういうわけじゃないと思う。好きになった人が好きなんだと思う」

「今まで女の子好きになった事は?」女の子に好かれたって話は前聞いたけど。

「普通に友達として好きなだけしかないよ。ジュンぐらいに好きだなって思った子はいないけど?」

 へ~~そうなんだ~。…なんか赤くなるわ私。どうしたらいいのかな。

 じゃあ、と思って聞いてみる。「男子を普通に好きにもなるの?」

「んん~~…良い子だなって思うような子はいるにはいたけど、そういう彼氏になって欲しい、みたいな気持ちで男子を見た事はないかも」

 へ~~そうなんだ…



「じゃあ…私のどこが好きなの?」

なんだろうなこの質問、と思いながらの質問だ。

「そういう質問してくれるとことか」とアキラが答える。「普通はやっぱ気持悪がるんじゃないかな。それかそのまま友達の振りはしてくれるけど、だんだん疎遠になっちゃう感じ?不思議だよね、女の子で私の事を好きだとか言ってくる子とかには嫌な気持ちになっちゃうのに」

 そっか~~どうしたらいいのかな。



「でもね」と私はぶっちゃけてみる事にする。「受け止めてみようとはしてるし、嫌だとは思わないけど、めんどくさいとは思ってるからね!」

 一瞬ビックリした顔をしたアキラがキャハハハハ、と思い切り笑った。そして私をガバッと抱き締めて来た。

「ぎゃっ!」と声に出して驚く。「もう!ビックリする!アキラっ!痛い…痛いから!」

「うん」とアキラが笑う。「ごめん。やっぱジュン好きだな~」

「わかった。もうわかったから取りあえず離して。向こうの人が変な感じで見てる」

「変な目で見られたら嫌なの?」少しからかったようにアキラが聞く。

「嫌だよ、そんなの」

「アハハ」とアキラが耳元で笑うのでウザい。「そうだよね。ジュンは常識的!」

「ちょっ…アキラ、今すぐ止めないと腹殴るからね」

アキラはやっと離してくれたけれど、必要以上にニコニコしている。

「なに笑ってんの?ほんと怒るよ」

「うん、ごめん。でも嬉しいから」



「前も言ったけど」と私は言う。「私に本当に好きな人が出来るとするでしょ?それでも私は、前に聞いたアキラの中学の友達みたいにはならないよ。だから必要以上にそんなに好きだって言わなくても大丈夫だよ?言われるのは嬉しいけどさ」

そしてその後私は従姉妹のチハルちゃんの事をかいつまんで話した。

「アキラの友達も、今は正気に戻って、きっとちゃんと暮らしてるよ」そう言ってあげる。

「そうかな。そうだったらいいな」アキラが空を見上げながら言う。「その後連絡もしてないから…」

「そっか~」と二人でちょっとしんみりする。

 なんか女子っぽいね!



 よし、と思って私は「私の好きな人設定」の事も話す事にした。

 この際だから!

 それに今日をもってその設定も止める事にしたし。

 そして好きな人に女子を何回か選んだ事があるにもかかわらず、アキラを選んでない事とその理由も話した。

 そこで予鈴だ。密度の濃い昼休みだった。お腹パンパンだ。

が、アキラは「う~~ん」と唸った。

教室に戻りながら聞く。唸った後アキラが喋らなくなったからだ。

「…アキラ?…もしかして私の事すんごいバカだなって思って呆れてるんでしょ?」

「…ううん」力無いアキラの返事に不安になる。

 さっきまであんなに好き好き言ってくれてたのに。

 ぶっちゃけ過ぎたのか?自分のバカな所を。でもアキラだってその前に思ってる事を打ち明けてくれたし。



「それに気付いてなかった私がすごい嫌だ」とアキラが言った。

なんだそんな事か。

「だって気付かれないようにやってたもん」少し自慢げに言ってしまう。

「でも!ウエダと水本とイケダさんは気付いてたんでしょ?私ねぇ、すんごいショック!中学ん時の友達の事よりよっぽどショックだから。それに…」

「でもアキラもほとんど気付いてたじゃん、水本の事を好きなんじゃないかって」

「水本なんてどうでもいい!」

私は苦笑してしまう。「タケノシタ君の事とかもほとんど気付いてたようなもんじゃん」

「うるさいよ」

え~~~…

「ジュンの事が…」言いかけてアキラは止める。

「何?ほんとバカだなって思えて来た?」

 出来るだけ明るく聞いてみたのにアキラは返事をしてくれなかった。



 …なんか失敗した感。

 言わなきゃ良かったな。私のバカな「好きな人設定」。調子に乗り過ぎた。

 私は一人っ子の人見知りで、ネガティブだし、人との距離感おかしいかなって思う時もよくあるし、友達少ないしね、それでもアキラも結構そんな感じだし、今日アキラも変だったから気を抜き過ぎた。やっぱ親しくしてくれてる子にももっと節度を持って接しなきゃ。 

 早めにアキラに謝った方がいいかな…って何をどう謝るんだろう。

 あ~なんかほんとにめんどくさいなってまた思ってる自分が、本当にダメだと思う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。