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サクラが花盛りの季節。一旦、死んで、この世界の下級貴族の三男坊のウィル・イレビドゥスクピディタースに転生した私──大神 実こと、俺は卒業証書を片手に王都をブラついていた。
この世界では十五歳からが社会人だ。一応、高校のような上の学校はあるが俺の家は三男坊である俺に出す金は無いと、言われ、このままではニートまっしぐら。
一応、知り合いのツテで就職しようと色々と面接に赴くも、いずれも「すみません、今回はご縁が無かったということで」と言われて、全滅。
「……このままじゃ、ニートどころか、浮浪者まっしぐら、ね」
おっと、つい前世の口調が出ちまった。今や俺は男──そう、男なんだから。
王都の繁華街は平日でも賑わい常にお祭りみたいだ。
そんな事を考えながら、何か良い案は無いかと模索する中、ふと天啓が閃く。
──前世の高二の冬。私は幼馴染みの小兎 誠と学校に遅刻しそうになり走っていた。多分、それがイケなかったのだろう。私は歩道橋の階段を一段抜かして昇っていた。そして、昇りきったところで、クルリと後ろを走る誠を見やったとき、昨日まで降っていた雪が踏み固められて出来たアイスバーンで足を滑らせた。その結果、私は歩道橋の階段を転げ落ち、誠を巻き込み共に転げ落ち、打ち所が悪く死んでしまった。
んで、こっちに転生したワケ。そして、こっちに転生して数年後のことだ。隣の大貴族が幼子を連れて挨拶回りにきた。それが、誠の生まれ変わりだったのだ。しかも、俺は誠の家に行儀見習いとして世話となり、誠の家の人間とは顔見知り。
「これなら、イケる! イケるぞ!」
俺はひとり小躍りして、早速、今世の誠の家へ──。
王宮近くの貴族街。俺の実家の隣に建つ、俺の実家が犬小屋か何かに見えてしまう荘厳な屋敷。
ここが今世の誠──フィーリアの家だ。俺は顔見知りの片方の門番に、
「なあなあ、ゲイルさん、呼んでくれねーか?」
そう告げる。対して、門番はもう片方の門番と少し顔を見合わせてから、
「待ってろ」
そう告げて、屋敷の中へと入っていった。




