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屋敷へと帰り着くと、玄関の扉を開けたエントランスにて、担当中の仕事がなく手の空いてる屋敷の使用人たちがズラリと並び、
「お帰りなさいませ、旦那様、奥様、お嬢様」
スチュワードのゲイルを筆頭とした出迎えを受ける。
「うむ、留守中、ご苦労であった」
「いえ、すべては恙無く」
お父様とゲイルの形式的挨拶を済ませ、そこからはお父様たちや私が、皆に買ってきたお土産を使用人たちに配った。
「──……あー、やっぱり、自室はいいわね~。落ち着くわ……」
私の部屋へと戻り、シワ一つないベッドにダイブ。
「お嬢さま、はしたないですよ」
普段通りに戻ったシャロルが使用人扉から入ってきて、私を注意。
「これくらい、いいでしょ。
それにしても、案外、バカンスも、いいモノだったわね……」
私はバカンス中に描き留めた魔法陣が描かれた用紙を取り出して何度も見やり、ニンマリする。
そして、ふと違和感を覚える。
私はベッドから起き上がり、部屋を見渡す。窓、家具、壁、床、天井と見回し、
「……照明が変わってる?」
私はベッド横に置かれた棚の上に置かれたライトを手に取り、よくよく観察。さらに、壁にかかっているランプも一ずつ見ていく。
「……これは……」
私は数日をかけて屋敷中のランプやライトをすべて見て回った。その結果は、
「──……そういう事だったのね」
「お嬢さま、どうかされましたか?」
追従してきたシャロルの問いに、
「屋敷中の照明が“空気中の魔力を用いるもの”に変わってるわ!」
そう答える。そう、屋敷中の照明が、私が考案した、空気中の魔力を用いるものに取って変わっていた。バカンスに出掛ける前はすべて魔石で動くタイプだったのに、だ。
今年のお父様の長期休暇の静養場所が海になった理由が、コレだったのだ。
──まったく、ゲイルめ、余計な事を! スチュワードの彼としては“よかれ”なのだろうが、商会としては失策に他ならない。此れでは貴族界隈にまで、空気中の魔力で光るタイプのランプを直ぐにでも普及させないと、不味いわね。
元々、貴族界隈に空気中の魔力で光るタイプのランプは早くとも来年からの普及の予定。早い話が、空気中の魔力を用いるタイプの照明が一般庶民に浸透しきってからの話だったのだ。それなのに……。
よし! ゲイルに文句を言いに行こう!




