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朝食はルームサービスを頼み、部屋でとる。
理由は服装。
一見すると他の夏用ドレスとそう変わりないが、水着とセットのいわゆる着脱が簡単にできるドレス。しかも、水で濡れる前から下の水着がよく見ると透けているタイプ。王都の服屋でテキトーに選んだデザインだが、観光地の海という場所のエッセンスが加わると気恥ずかしさが跳ね上がる。
「あれ? マコ──お嬢さま、水着ですか!? って事は今日はビーチに行くのか?」
ようやく起きてきたウィルが私の格好を見て、俄に色めき立つ。
「ええ、そうよ」
朝食を終え、ナイフとフォークを置き、布巾で口許を拭う。
ちなみに部屋での朝食なので、シャロルとビヴィアも一緒に食べ、両者とも私より先に食べ終えていた。
──ザザー、ザザー、ザザー、……。
波打ち際に座り、海が奏でる潮騒を背景にボーッとする。
──いったい、どれくらい、そうしていただろうか? 時を忘れて、ずっとそうしていると、何故か、ウィルがチラチラと視界に入る。
確か、ビヴィアと海ではしゃいでいたウィル。しかし、現在は、私の視界に入ってきては死角に出るを繰り返し、実に不審だ。
もしかして、私と二人で話したいことでもある? ついさっきの思い付きの事もあるので、丁度いい。
「シャロル! 明日、皆で、このビーチで串焼き──バーベキュー──をしたいから、傭兵団の皆さんとお父様たちに連絡を取ってきてもらえる?」
シャロルは一瞬、外ゆえに私の側を離れるのを躊躇したが、
「……はい、畏まりました。行ってまいります!」
ペコリと恭しく頭を下げると、ビーチから離れた。次は、
「ビヴィア! 明日、このビーチでバーベキューをするのだけど、新鮮な海鮮や食材をホテル側に用意するよう注文してくれないかしら?」
「ええーっ! 私がですか?」
「そうよ。もう少し、働きなさい。あなた普段は寝てるじゃない」
「いや、それ、お嬢さまが原因じゃん!」
「いいから、行きなさい!」
私はビヴィアに睨みを効かせ、一喝!
「……わ、分かりましたよ……。もう、お嬢さまは人使いが荒いんだから……」
ぶつくさ文句を言いながらも、ホテルに戻っていくビヴィア。
さて、シャロルとビヴィアの姿が見えなくなった頃を見計らい、
「──ウィル、私に何か用かしら?」
私とウィルだけになったビーチ。私は波打ち際に座ったまま、不審にウロチョロするウィルをスッと目を細めて捉える。




