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侯爵令嬢は商会に引きこもりたい!  作者: 白月 仄
2話 三章 バカンス
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 ──魔法使い──


 だったようです──。

 ま、私が魔法使いと判明したからといって、どうという事もない。ワケで、

「そうなんだ」

 取りわけ何かしらの感想はない。うん、マジでない。なので、

「──じゃあ、幻影(イリュージョン)の札の使い方を──」

「え? スルー!? 実は“魔法使い”だったこと、スルーするの?」

 なぜか、ネイアがそうツッコミを入れてきた。

「いや、別に今さら言われても、な感じだけど」

 正直に答える。

「いやいや、そこは“自分が魔法使いである事に、狂喜乱舞”するのが普通でしょ?」

「……」

 ネイアの言ってることは意味不明だった。故に、私が返したのは無言。

「ネイア、其奴は持たざる者の感情だ。お嬢さまには魔法使いなんて、取るに足らない存在なんだよ」

 リャーラさんの言葉には一理あるが、私は“魔法使いを取るに足らない存在とは思ってない”そこだけは、心の内で反論しておく。口に出したら、ややこしくなるので。

「……もう、済みましたか? アイテムの説明を続けても?」

「え、ええ、どうぞ」

 落ち着いたネイアを見て、私は改めて幻影(イリュージョン)の札の説明をはじめる。

「さて、では改めて、この幻影(イリュージョン)の札の使い方は、札に見せたいイメージをしながら魔力を込める」

 私は幻影(イリュージョン)の札を手に取り、イメージする。

「次に魔力を込めた、この札を──」

 そして、魔力の籠もった札をウィルの胸ありに服の上から貼り付ける。すると、

「お! ウィルがお嬢さまになった!!」

 ビヴィアの指摘通り、ウィルの見た目は私と瓜二つ。但し、

「なんか、地面から少し浮いてね?」

 リャーラさんの指摘通り、幻影をまとったウィルの身長は私よりも高い。故に幻影は床から少し浮いてしまっている。さらに、私は、

「ウィル、あなたの手に触るわよ」

 ウィルにそう言って、彼の手を握る。すると、私の手は私の幻影の腕でなく僅かに離れた宙空を掴む。

「見ての通り、幻影は見た目だけ。実際にはウィルの手はここにあるの」

 そう言って、ウィルに貼った札を剥がす。すると、瞬く間に幻影は消えて元のウィルの姿に。

「いいね、その札! 使えるよ!」

 どうやら、リャーラさんはお気に召したよう。次に私は二つの縦長の長方形を取り出す。

「ソイツは、何だい?」

 こちらにも興味を示すリャーラさん。勿論、私はこの二つの長方形を説明する。

「これはね、マジックアイテムの無線機。簡単に言うと、これを持っていれば離れた場所でも会話ができるのよ」

 ちなみに、このマジックアイテムの無線機は、実はこの試作品のみだったりする。理由は、王都にいるとある研究者たちが似たような物を開発したいたのだ。なので、無線機は試作品で打ち止め。閑話休題。

「マジか!」

 驚くリャーラさんたちに、私は、

「ウィル、コレを持ってベッドルームに行って」

 ウイルに片方の無線機を渡して、ベッドルームに行ってもらう。そして、無線機のスイッチを入れ、

「あー、あー、聞こえますか?」

「ああ、聞こえる」

 実演してみせる。無線機からはウイルの声がハッキリと聞こえ、

「こりゃ、魂消た! コイツは使えるよ!」

 と、絶賛した。



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