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侯爵令嬢は商会に引きこもりたい!  作者: 白月 仄
2話 三章 バカンス
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 翌日。

 雨。

 部屋の中で日がな一日を過ごす私は、シャロルに、

「シャロル、リャーラさんたちに連絡を取ってもらえる?」

「はい、例の男爵家の次男たちの件ですね」

「ええ。お願いね」

「はい、行ってまいります」

 リャーラさんたちに繋ぎを取ってもらう。彼女たちには王都への帰りでも護衛を依頼しているが、バカンス中はフリー。ならば、ここで雇っておくのが得策というもの。

 シャロルが出掛け、私はホテルの部屋の安楽椅子に腰掛け本を広げる。

「なあ、マコ──お嬢さま、なんか楽しいことしないか? ってか、シャロルは何処に行ったんだ?」

 本を読みつつ私は答える。

「シャロルは傭兵団エターナル・フェニックスの人たちに護衛の依頼に行ったのよ。ほら、昨日、ビーチを大威張りで占拠していた男爵の次男がいたでしょう。アレの逆恨み対策に、ね」

「ふーん、そっか……。

 でさ、お嬢さま、なにか楽しいことしようぜ!」

 視線は本に向けたまま私は、

「楽しいことって? 下らない事は止してよね……」

 ウィルに釘を刺しておく。彼の前世の実のときから、“楽しいこと”が私──前世の僕──にとっては骨が折れる疲れごとであったのは言うまでもない。

「大丈夫! 単にホテルを隅から隅まで探索するだけだからさ!」

 ──うん、下らない事、決定。

「あら、ソレは面白そうね♪」

 ビヴィアがウィルの意見に同意を示す。が、

「あなたたち、迷惑って言葉、知ってる?」

 私は本に栞を挟んで閉じると、安楽椅子から立ち上がり、バカを言う二人の背後に立って、

 ──ゴン!

「いてっ!」

 ──ゴン!

「ひぎゃっ!? 角で叩かないでよ……」

 本の背表紙でチョップ。

「まったく、あなたたちは、大人しくしてなさい!」


 昼になり、ルームサービスで注文して、部屋で昼食を取っていると、──


 ──コンコンコン。


「お嬢さま、リャーラ様たちをお連れしました」

「どうぞ、入ってもらって」

「はい、失礼します」

 ドアを開けて入ってくるシャロルとリャーラさんたち。やはり、貴族のホテルは物珍しいようで、リャーラさんたちは視線を様々な方向へと向いていた。

「こんちには、リャーラさん。先ずは、お昼、ご一緒しません?」


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