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旅三日目。
今日は馬車の中のテーブルに所狭しとジャンクフードが占領していた。理由は二日目に泊まったホテルの厨房が突如として使えなくなったのだ。ホテルの厨房は全部マジックアイテム仕様で、魔石で動くタイプののキッチンのコンロが朝になってウンともスンともいわなくなったのだ。ま、トラブルも旅の醍醐味の一つだ。
オレはテーブルの上に所狭しと並ぶ、フィッシュバーガー、ミートパイ、ポテトにポテチ、他多数とあるジャンクフードの中で、ポテチを手に取りパクリと食べる。
「……もう、湿気てる……」
ポテチは買った時はパリパリだったが、今やフニャフニャであった。が、そんなに悪くないかも……。
誠はフィッシュバーガーを頬張り、シャロルはポテトをちまちまと食べていた。
ビヴィアに至っては、ミートパイの上にポテトとポテチを載せて食べていた。肥るぞ……、お前。
「あん? なによ、その目は、そんなにがっつくと肥るとでも言いたそうな目ね」
ビヴィアがオレを睨む。ってか、オレ、そんなに分かり易かったか? ま、いいや。
馬車の中に木霊するムシャムシャという咀嚼音が今日のBGMだった。
オレは日記をそこまで書き終えて、顔を上げると、
「にょっ!? シャ、シャロル? 何の用だよ?」
夜の馬車の中、いつの間にやら、宿屋で誠の側に仕えている筈のシャロルの姿があった。
「こんばんは、ウィル。あなたにお話がありまして……」
オレは執事になってからシャロルと二人きりになるのを苦手としていた。理由は散々な説教の所為だと思うが、いつもシャロルの説教中に意識が混濁し、気付くとすっげー疲れていたのだ。故に、馬車の中で二人きりというこの状況は、本能的にヤバい! 何がヤバいのかは分からないが、兎に角、ヤバい!!
「ウィル、そんなに緊張しないでください。ほら、リラックスですよ♪」
「お、おい、なんで、いきなりマッサージなん……か……──」
あー、又だ。マッサージによる程良い指圧で、意識が朦朧としてきた──。
気付くと、既にシャロルの姿は馬車の中にはなく、また疲労が体に蓄積しているのだった。
旅四日目。
今日は馬車の中で七並べで白熱した。が、途中でビヴィアが物騒な事を口走り、場の空気がシラけそうになった。
一旦、日記を書く筆を置いて今夜は馬車の中に誰も来ないことに、一抹の寂しさを感じていたオレ。
「……改めて、独りってのは寂しいもんだな……」
夜の摘まみのビスケットを一枚口の中に放り込み、バリボリと噛み砕く。そして、再び、筆を取り日記を書き綴る。




