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旅二日目。
全員が朝早く、馬車に乗り込み、馬車が走り出す。
早速、プレイングカード──トランプの出番だ。
誠はカードを箱から取り出すと、マジシャンよろしくカードをシャッフルすると、馬車内にいる四人の前に素早く五枚を配った。残りは山札として馬車内のテーブルの中央に置く。
種目はポーカー。チェンジは一回のみのシンプルルール。
「じゃあ、私から」
誠がトップで最初のチェンジ。三枚を捨て、三枚を山札から補充。
次はビヴィア。
「私は一枚、チェンジ」
そう言って、一枚捨て、一枚を山札から取る。
次はオレの番。手元のカードを見やり、
「オレも、一枚チェンジで」
一枚を捨て、山札から一枚を取る。
最後にシャロルが、
「私は全部チェンジです」
彼女は手札を全て捨て、山札から五枚引く。
「さて、勝負よ!」
誠の掛け声で、全員が手札をオープン。その結果は、
「──おっし! ロイヤルストレートフラッシュ!」
オレの勝ち! だ!
「うっわ、運の無駄遣い……」
ビヴィアが茶化してくる。が、誠は、
「凄い凄い! ロイヤルストレートフラッシュなんて、初めて見たよ!」
喜んでくれた。あー、その笑顔が、イイ♪
オレは朝一から誠の笑顔を見られて満足♪
「お嬢さま、まさか……」
「……シーッだよ、シャロル」
誠の笑顔に満足していたオレには、シャロルと誠がそんなコショコショ話していたのは意識の外だった。
暫くはポーカーで暇を潰していたオレたち。昼メシの休憩まで続いたのは、昼メシのオカズを賭けたからだ。
今日の昼メシは一日目に泊まった宿屋の弁当。なんと、三段重の贅沢三昧弁当だ!
その三段重の中には陸地じゃまだまだ高級な海鮮の食品が使われており、その争奪戦がポーカーで行われたのだ。
その結果、
「──はい、お嬢さま、あーん♪」
「……あ、あーん」
シャロルが目星いオカズを総ナメにして、誠に“あーん”して与えていた! 畜生! オレが誠に“あーん”するハズだったのに……。オレも誠に“あーん”したかったのに!
……ゴホン。
オレは書き記した今日の日記のページを閉じる。旅二日目は誠の笑顔が見れたが、あーんができなかったのが最大の禍根だった。
おのれ、シャロルめ!
「どれどれ、おー、日記にちゃんと今日の出来事が事細かに書いてあるね♪」
「勝手に読むな!」
ビヴィアから日記を奪い返して、自分の荷物の中に仕舞う。
「ってか、なんでお前は今日も馬車にいるんだよ? 確か、今日のホテルは余裕があるから、お前も部屋に泊まるんじゃなかったのか?」
「いやね、ウィルが一人で寂しいんじゃないかって、思ってきてやったんだよ♡」
──何が「よ♡」だ。昨日の夜は途中から記憶が曖昧になって、そのまま寝ちまった。そうしたらだ。朝起きると、何故かビヴィアがオレと一緒に寝てやがった。まったく、理解出来なかったね。いや、マジで。だって馬車の中だぜ。一人が寝たらギリギリの片側の座席に二人で寝てたとか、ホント理解に苦しむ。なので、
「はっ、馬車で寝るのは勝手だが、オレが寝てるところに寝るとか無しだからな!」
「ニシシ……、はいはい、分かりましたよ♡」
……うっわ、胡散臭い。




