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侯爵令嬢は商会に引きこもりたい!  作者: 白月 仄
2話 二章 海に行こう! Side:ウィル
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 取り敢えず、雑貨屋に行って、調味料──コショウを買い、更に売っていたプレイングカード──トランプを買う。次に、本屋に向かって目的の本を買った。そこから又もいろいろと様々な店を回って買い物をして、そして、漢方だが、

「いらっしゃい、どんな薬を所望だい?」

 漢方屋──いや、薬屋に行くとカウンターで作業していた白衣のおっちゃんがニコニコ顔で声を掛けてきた。

「えっと、……──」

「おや、お客さん、その年でアレを使うのかい?」

 オレが手帳を見ながら伝えた漢方はどうやら、

「──そうなんです♡ 彼ったら、激しいんですよ♡」

 ビヴィアが悪ふざけするような漢方だった。勿論、オレはビヴィアにツッコミを入れたがな。


 薬屋を後にして、人の通行に邪魔にならないとこで立ち止まり、手帳を再確認。リストを上から順に、何度も繰り返して確認。

「よし! そろそろ、屋敷に帰るか!」

「ちょい、待ち!」

「あん? なんだよ、ビヴィア」

「これから、ランジェリーショップに行こう♡」

「はぁ? ランジェリー? 今やオレは男だ。なんで、男のオレがランジェリーショップに? ……あ、ああ、なんだ、お前の下着を買いに行くのか」

 オレは一瞬、早とちりをしてしまった。ランジェリーショップなんて、男に生まれ変わったオレには無縁だと。

「違うよ、お嬢さまに贈るのさ♪ 知ってるかい? 男性が女性に下着を贈る習慣のことを!」

「……いや、知らん」

「なら、知るがいい! 私はね、フラグ云々を抜きにしても、ウィル──キミの恋路を応援したいんだ♪ 私がこれまで、お嬢さまを観察した結果として、お嬢さまは現在のところ恋愛に興味は皆無。そこで、だ! 下着──ランジェリーをお嬢さまに贈って、自分に好意があることをアピール! 成功すれば、お嬢さまはキミが贈ったランジェリーを着て、キミに迫ってくれるぞ!!」

「は? 何を言って……──」

 ──くっ。一瞬でも、今の誠がランジェリー姿で迫ってくる妄想をしてしまった……。オレのバカバカバカバカ……。

 オレは自分の妄想を払うため、自身の頭をポカポカと殴る。

「おいおい、ウィル。キミが妄想したのは健全な証拠だよ。何度も言ってるけど、キミはもう男だ。そこは自覚しないと、ね」

 …………結局、オレはビヴィアに押し切られる形で、ランジェリーショップに寄って、誠──いや、お嬢さまへの贈り物を買ってしまうのだった。ちなみに、ランジェリーショップにて、ビヴィアと一波乱あったのは言うまでもない。



 ──さて、街で買い物した日から早くも三日。

 今日から海でのバカンスに向けて出発の日だ。道程は片道で七日。

 馬車は二台に分かれ、馭者は侯爵と奥様の侍従侍女が交代で受け持つそうな。

 先ずは、王都の城壁を出たところで道中の護衛をする傭兵との合流だ。

 馬車の中、オレはお嬢さまの斜向かいに座る。窓の外を見やれば、王都の繁華街を抜け見えてきた王都と外界を隔てる城門。

「……何度見ても、城門はすげーよな……」

 誰となしに独り言を漏らす。

「そうですね」

 隣に座るシャロルが、オレの独り言を拾い応答してきた。

 オレはそのまま、会話を繋げてみる。

「海って、どんなところだと思う?」

 オレは知ってるが、シャロルは知らないだろうから問う。

「そうね……、湖を見た事がありますが、アレより更に広い水辺なのでしょう」

「チッチッチッ、シャロル。そんな、チャチじゃなくて、海ってのはね、途轍もなく広いのよ!」

 ビヴィアが割り込み、ネタばらし。まったく情緒ってもの理解してない。

 そんな事を思っていると、馬車が止まる。

 シャロルが率先して馬車のドアを開けて、誠を下ろした。オレも誠に続いて馬車の外に出る。

 侯爵たちも外に出ていて、どうやら傭兵たちはまだのようだ。


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