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海へのバカンスとなると、片道一週間の旅路になる。
道路はまだまだ車が走れる程度の舗装は地方へは行き届いておらず、車での移動は不可。鉄道も線路の敷設に難航。故に、遠出の馬車。
それはさておき、
「いらっしゃいませ」
私は現在、車に乗って王都の貴族御用達の服屋に来ている。理由は、
「お嬢さまの水着をオーダーメイドで」
「はい、ありがとうございます。それでは、お客様、どうぞこちらへ」
シャロルが口にした通り、海へのバカンスなら水着ということで、水着など持っていない私の水着を買いに。
──正直、水着なんていらないのに……。
私は店員とシャロルに促されて店の奥へ。そこで、いろいろ測ったり、水着の生地を選んだり、急ぎだった故に型ありの試着モデルで調整したり等々をした。そして、
「では、特急で仕立てますので、出来上がり次第、お届けします」
帰り際に店員はそう言ったのだった。
──私としては特急で仕立てなくてもイイんだけどね。
服屋で水着の注文をした後も、貴族御用達の店を幾つも回り、様々な旅のアイテムを揃えていく。中には、“これは必要か?”という物までシャロルや侍女たちが買っていた。ちなみにウィルとビヴィアには二人で買い物に行かせている。ま、ウィルがいるからビヴィアが勝手な行動にでることはないだろう、というのがシャロルの談。
そんなワケで、買い物をして屋敷へと帰り着いた。
「お嬢さま、足元にお気を付けてください」
「ありがとう」
玄関先で私は車から降り、シャロルを伴って屋敷の中へ。買った荷物は他の侍女たちが運ぶので問題ない。
海へのバカンスへの出発は早かれば三日後。
それまでに荷物の準備をしないと。
自室に戻り、クローゼットの中からトランクケースを引っ張り出して、開く。
「──さーて、バカンスの荷造りをはじめましょう」
旅の途中や海に着いてから着るドレス、予備のドレス、下着、タオル、ハンカチ、化粧道具はシャロルが持つから彼女に預けて、後は──。
「──お待たせしました、お嬢さま。さあ、荷造りを……?」
シャロルが使用人用の扉をくぐって私の部屋に来た。しかし、私は、
「取り敢えずの荷造りは終わってるわ。旅用の化粧品はこっちのテーブルにまとめたからお願いね」
「は、はい!」
あらかたの荷造りは終えていたのだった。シャロルはポカンとしていたが直ぐ様に、化粧品を持って彼女の自室に戻って行った。




