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──ひゅーううぅぅーーー! ばぁん!
空に咲いた花は小振りだが、赤、青、緑と色を変え、綺麗な丸い花を咲かせた!
「……なんと!」
「……え? 大爆発は?」
「綺麗い……」
「うんうん、でしょ♪」
「スッゲーな! マジで真ん丸の花火だぜ!」
「流石は、お嬢さまです!」
小さな一発。然れど、ナルタス様とサミラーナは爆弾でなく、ちゃんとした花火に驚く。クリスティーナは見蕩れ、私は花火の出来に満足。ウィルは見慣れた花火に大はしゃぎ、シャロルは私を誉め讃えた。しかし、
「職人たちのプロの業。私は設計図を描いた程度よ」
「ご謙遜を」
シャロルの賛辞を辞退。が、彼女からしたら、全てが私の手柄なのだろう。なので、辞退した言葉を改めて受け取っておく。
「……ええ、そうね。ありがとう、シャロル」
だが、今回の実験は、この程度ではない。私は侍女に新たな指示を出し、モールス信号で打ち上げ場に、更なる指示を出す。
そして、
──ひゅーううぅぅーーー! どぉーおぉん!!
先程とは比べくもない轟音と共に、大輪の花が、夜空に咲く!
しかも、今回は単発でなく、次々と、
──どぉーおぉん! どぉーおぉん! どぉーおぉん! …………。
と、マジックアイテムの打ち上げ花火が打ち上がる!
「……な、な、なんじゃ……!?」
「……え? え? 爆発? 大爆発?!」
ナルタス様とサミラーナばパニックになり、
「……これは……、想像以上に……凄い……です!」
私の指示で元のサイズのマジックアイテムの花火を作らせていたクリスティーナは、その壮大な花火に打ち震えた。
「おおー! 玉屋ー! 鍵屋ー!」
ウィルは前世に戻ったかのように、私には分からなくなったニホンゴではあるが、先ほど以上にはしゃいでいた。
「お嬢さま、これは本当に、凄過ぎです!」
「ありがとう、シャロル」
次々と打ち上げられる花火の様々な色に彩られ、私は感慨深く、実験の成功を噛み締める。
愉しい時間は早いもので、一時間があっという間に過ぎてしまった。最後の特大花火の一輪の余韻が残る中、私は充足感に浸っていた。
「…………はぁー、度肝を抜かれたわい……」
「……いまだに、信じられません……」
ナルタス様とサミラーナは魔法使い故か、いまだに半信半疑。
「これは、イケますね、お嬢さま!」
クリスティーナは既に商人顔で頭の中でそろばんを弾き出しているのが見てとれる。
「いやー、良い物を見せてもらったぜ! ありがとうな、マコ──じゃなかった、お嬢さま!」
ウィルも手放しで大喜び。
「お嬢さま、真に素晴らしい、花火でした!」
「まあね♪」
シャロルの称賛の言葉に気を良くする私。鼻が高いとはまさに現在。
そして、花火は終わったが、やるべきことがまだ残っている。私は席を立つと、サミラーナの手を取り、
「え? え? お嬢さま、いったい何を?」
「決まってるでしょ♪ 新たなマジックアイテムを開発した英雄のお披露目よ!」
サミラーナが拒否するのも構わず、城壁の王都側へ。城壁の下に居並ぶは押しくら饅頭のような民衆。中には見掛けたことがある商会の会長や貴族といった姿もあった。
マジックアイテムの打ち上げ花火の開発者のお披露目を終え、憔悴しきったサミラーナ。
「お疲れさま、サミラーナ。今日から、あなたはスーバニュ商会マジックアイテム開発・販売部門の顔よ♪」
さて、今更ながら、サミラーナは私と同い年で綺麗な出で立ちの魔法使い。彼女を例えるなら、見た目ほわほわだが、出来る女。といったところ。
「……うぅー、私にはそんな大任、無理ですよー……」
「なって、しまったのはしょうがない。まあ、頑張りなさい」
ナルタス様が愚痴を零すサミラーナを励ます。しかし、ナルタス様からの励ましを受けるも、サミラーナは顔をテーブルに伏せるのだった。
──タッタッタッ……。
それは階段を上ってくる音。見れば其処にはビヴィアに付けた侍女。
私は聞く耳があると無言の合図。そして、その侍女は近寄ってくると、
「ビヴィアが、ならず者に拐かされました。アジトは密かに付けて把握済みです」
「そう、ありがとう。
では、後の祭りと行きましょうか!」
私は城壁の上のナルタス様たちに断りを入れて、自らビヴィアの救出に向かう。




