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暫くゴロゴロして、ふと気付く。
「そういや、侯爵家には大浴場があったな。よし、入ろう!」
思い立ったが吉日。俺はタオルと着替えを持って、屋敷へ移動する。
「確か、大浴場は……お、あった、あった!」
俺はこの世界の言葉で“男”と書かれた扉を開け中へ。ここの大浴場は湯浴み着が必須で混浴だ。が、確か、今の時間帯はちょうど誰もいない時間。以前に行儀見習いで世話になったときに把握済み。だから────
──はい、考えが甘かった。意気揚々と風呂場に入ると、なんと! 誠とシャロルが風呂に入っていたのだ。
そして、またもシャロルに捕まり、脱衣場で説教。
「聞いているんですか? ウィル!」
「……あ、はい、聞いてます! 聞いてますよ!」
全裸のままで正座せられ、延々と「言葉遣いがなってない」やら、「お嬢さまとの距離感が近過ぎる」やら、「レーグラ家の使用人として、相応しい態度を」等々、もうガミガミと言われた。
しかもだ。漸く解放されて、物置小屋に戻ったら、そこにシャロルがやって来て、さらなる説教を垂れて色々とコッテリと搾られた。
──まったく、なんなんだよ。俺は誠とは前世からの付き合いなのに……。邪魔しないでよ……。
んで、翌日。
昨日の説教地獄で体がガタガタな俺は、パチクリと目を開ける。
物置小屋に元からあった壁掛けの時計を見ると、既に朝食の時間を回っており、
「……やばっ! 急がなきゃ……」
急いで着替える。って、マジでヤバくね?
俺は時計を改めて見て、さらに焦り物置小屋を脱兎の如く駆け出て屋敷へ。
屋敷に入ると、俺は全速力で廊下を走り食堂へと超ダッシュ。
その結果、誠の今のお父さん──侯爵に柔和に怒られた。んでだ。侯爵への返答にいい案を思い付いて、返そうとしたらだよ、何故かその場にいた使用人全員から睨まれて、マジでビビった! もうね、本能的に土下座するほどにね。
「──おーい、シャロル。俺の今日の仕事は?」
朝食後。俺は同じく、誠付きのメイドのシャロルに今日の仕事はなんなのかと問う。すると、返ってきた答えは、
「貴方にしてもらう仕事はありません」
と言われてしまった。こいつは参った。仕事がないということは、一日、暇である。だが、俺は執事だ。執事の仕事は主──誠の役に立つこと。
…………おお! そうだ! 確か、誠は小さい頃に「将来は、マジックアイテムを作る」って言ってたな。
「……よし!」
俺は誠の役に立つ為、街に出掛ける。いわゆる、リサーチだ。誠は小さい頃から、常々、「人々が笑顔になれるマジックアイテムを作る」っても言ってたしな。なら善は急げだ。
こうして、俺は手帳と筆記用具を手に侯爵家から出て、王都にリサーチ──人々が、どんなマジックアイテムを求めているかを探り──に飛び出すのであった。




