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侯爵令嬢は商会に引きこもりたい!  作者: 白月 仄
1話 二章 執事見習いはつらいよ Side:ウィル
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 暫くゴロゴロして、ふと気付く。

「そういや、侯爵家には大浴場があったな。よし、入ろう!」

 思い立ったが吉日。俺はタオルと着替えを持って、屋敷へ移動する。


「確か、大浴場は……お、あった、あった!」

 俺はこの世界の言葉で“男”と書かれた扉を開け中へ。ここの大浴場は湯浴み着が必須で混浴だ。が、確か、今の時間帯はちょうど誰もいない時間。以前に行儀見習いで世話になったときに把握済み。だから────


 ──はい、考えが甘かった。意気揚々と風呂場に入ると、なんと! 誠とシャロルが風呂に入っていたのだ。

 そして、またもシャロルに捕まり、脱衣場で説教。

「聞いているんですか? ウィル!」

「……あ、はい、聞いてます! 聞いてますよ!」

 全裸のままで正座せられ、延々と「言葉遣いがなってない」やら、「お嬢さまとの距離感が近過ぎる」やら、「レーグラ家の使用人として、相応しい態度を」等々、もうガミガミと言われた。

 しかもだ。漸く解放されて、物置小屋に戻ったら、そこにシャロルがやって来て、さらなる説教を垂れて色々とコッテリと搾られた。

 ──まったく、なんなんだよ。俺は誠とは前世からの付き合いなのに……。邪魔しないでよ……。



 んで、翌日。

 昨日の説教地獄で体がガタガタな俺は、パチクリと目を開ける。

 物置小屋に元からあった壁掛けの時計を見ると、既に朝食の時間を回っており、

「……やばっ! 急がなきゃ……」

 急いで着替える。って、マジでヤバくね?

 俺は時計を改めて見て、さらに焦り物置小屋を脱兎の如く駆け出て屋敷へ。

 屋敷に入ると、俺は全速力で廊下を走り食堂へと超ダッシュ。

 その結果、誠の今のお父さん──侯爵に柔和に怒られた。んでだ。侯爵への返答にいい案を思い付いて、返そうとしたらだよ、何故かその場にいた使用人全員から睨まれて、マジでビビった! もうね、本能的に土下座するほどにね。


「──おーい、シャロル。俺の今日の仕事は?」

 朝食後。俺は同じく、誠付きのメイドのシャロルに今日の仕事はなんなのかと問う。すると、返ってきた答えは、

「貴方にしてもらう仕事はありません」

 と言われてしまった。こいつは参った。仕事がないということは、一日、暇である。だが、俺は執事だ。執事の仕事は主──誠の役に立つこと。

 …………おお! そうだ! 確か、誠(フィーリア)は小さい頃に「将来は、マジックアイテムを作る」って言ってたな。

「……よし!」

 俺は誠の役に立つ為、街に出掛ける。いわゆる、リサーチだ。誠(フィーリア)は小さい頃から、常々、「人々が笑顔になれるマジックアイテムを作る」っても言ってたしな。なら善は急げだ。

 こうして、俺は手帳と筆記用具を手に侯爵家から出て、王都にリサーチ──人々が、どんなマジックアイテムを求めているかを探り──に飛び出すのであった。



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