↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/10

所持品チェックしたら詰んでた

第1章 目覚め編

腰をかばいながら、なんとか立ち上がる。

改めて見回すと、ここは石造りの大きな橋の下だった。低い天井は、橋のアーチの裏側。さっきの水たまりは、川岸のよどみだったらしい。空き瓶は、数えるのをやめた。

「とりあえず、持ち物チェック。基本でしょ」

ボロボロの革ベルトに、小さな袋がぶら下がっていた。

中身は、銅貨が五枚。しわくちゃの布切れ。そして、擦り切れたカードが一枚。

カードには「ギルド」と読める文字があった。

言葉も文字も、なぜか普通に読める。そこだけは、神様(いるなら)に感謝しておく。説明は省かれたけど。

ただ、名前の欄だけが、不自然に真っ白だった。

インクが消えたみたいに、何も書かれていない。登録日らしき数字も、かすれて読めない。ずいぶん古いカードだ。

そのとき、胸の奥が、ちくりとした。

理由は、わからなかった。二日酔いの頭痛とは、位置が違う。

「……気のせい、気のせい。それより、こういうの、ステータスとか出るんでしょ。ステータスオープン!」

何も起きない。

橋の上を、荷車の音が通り過ぎていく。急に恥ずかしくなった。

「……ステータス、オープン」

小声で言い直した瞬間、目の前に、半透明の板が、ぱっと浮かび上がった。

「出るんかい! さっきの恥ずかしいの、返して!」

【ステータス】

名前:(未設定)

年齢:46歳

種族:人間(おっさん)

職業:無職(元・冒険者)

HP:42/120

MP:3/3

【スキル】

・加齢臭(Lv.MAX)

・腰痛(常時発動)

・二日酔い(継続中)

「スキルしょぼすぎない!? てか、加齢臭だけレベルMAXなの何!? いらない努力の結晶じゃん!」

名前が「未設定」なのも、カードの空白と重なって、また胸がちくりとした。

そして、画面の一番下に、灰色の文字が薄く滲んでいるのに気づく。

【ユニークスキル:解放条件を満たしていません】

「……なにこれ。めっちゃ気になるんだけど」

考える間もなく、お腹が、ぐううう、と鳴った。

橋の上から、人の声と、朝の鐘の音が聞こえてくる。町が、近いらしい。

「まずご飯! 考えるのは、その後!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。