↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君の心の奥をのぞきたい  作者: みやあきら
9/10

【第二章】②あるいはモノローグ

 完全に吹っ切れたのか、ニノくんの話すペースは早くなり、饒舌になっていた。僕が、

「どういうこと?」

と聞き返すと、間髪を入れずに続きを話し出した。

「いざ彼女に挿入しようとすると、おちんちんが萎えちゃって挿入できなくなるんです。入れようとすると、急にしぼんじゃって、全然挿入できないんです。彼女も手でしごいたり、咥えたりして固くしてくれるんですが、硬くなっても入れようとすると勃起がおさまるということを何度繰り返すようになりました」

「今現在、君は彼女と定期的にセックスをすると言っていたよね」

「はい、今も性欲が高まると彼女とセックスをしています」

「今は彼女にちゃんと挿入出来ているんだよね。いつからそうなったの」

「実際に彼女に挿入できるようになるまでは、大抵彼女が手でしごいたり、咥えてもらった口に射精して終わりという状態がしばらく続いていました。ちょうど3年生の夏休みのときからです」

「2学期になって大学進学が具体的になってくると、彼女の成績だと上智大学の指定校推薦を受けられるということが分かったんです。同じ塾に通っていたんですが、僕はどこの大学の指定校推薦も取れそうになかったので、そのまま塾を続けたんですが、彼女はお金がもったいないという理由で塾を辞めました。そのため夜は彼女がひとりになる時間ができたんです」

「10月の金曜日の夜、塾から帰ったら彼女がいないということがありました。母親に聞いたら『友達と遊んでくる』と言って夕方から出かけたと言っていたらしいです。でも結局、その日は帰ってこなくて、みんなが心配したんですが、とりあえず様子をみようと。翌朝、起きたら、母親が『香澄ちゃんは、明け方に始発ぐらいの時間に帰ってきたよ』と聞かされました。お酒を飲み過ぎて具合が悪くなったっていってたというんです」

「彼女は高校生なのに、お酒を飲むんですか」

「まあ親の晩酌の際に少し貰うという程度だったんですが、結構そういう機会はあります。ただ、彼女の両親はお酒が好きで強いんですが、僕の母親はアルコールに弱くてほとんど飲みません。僕もお酒を飲むと顔が真っ赤になって、心臓がドキドキするので、お酒は好きではありません」

「確かに君の彼女は大人っぽい雰囲気があるから、見た目でそういう店に入店を断れることもないかな。彼女の友達もそんな感じですか。みんな同じ高校なのかな」

「その子は奥田っていうんですが、高校の同級生です。ただ、彼女は学年でも悪い意味でも目立つ子で、むしろ彼女はとは全く逆のタイプです。茶髪と金髪をコロコロ入れ替えたり、派手なネイルをしたり、必ずメイクをして登校してくるので、先生方も匙を投げている感じですね。そんなんだから、見た目の年齢は解り難いかなと思います。でもなぜ優等生で体育系の彼女が、いわゆるギャルの奥田と知り合い、友達付き合いを始めたのか、いまいち僕にはわからないです」

「それで土曜日の午前中に、大抵お互いの両親が一緒に買い物に出かけてるんですが、この日もそうだったんで、両親が出て行ったあと、彼女に家族がどれだけ心配したのか解っているのかと文句を言いに行こうとしたら、彼女の方が先に僕の部屋にやってきたんです」

「部屋に入って僕の顔をみるなり、彼女は号泣しはじめて『私たち別れましょう』と突然言い出したんです」

「どういうことって聞くと、彼女はしゃくりあげながら昨夜初めてあった人に処女を奪われた。貴方を裏切ってしまった。もう貴方とは結婚できないから、別れた方がいいと思うというんです」

「なんでそんなことになるんだよって理由を聞いたら、奥田に渋谷で遊ぼうと声を掛けられて、時間もあるし出かけた。ダーツバーで飲んでいたら、奥田の知り合いだという中年男性が現れて、別の店で飲み直すことになった。でも飲んでいるうちに急に眠くなって、気が付いたらラブホに連れ込まれていた。隣にその中年男性が寝ていて、股間に痛みがあるので触ってみたら出血していた。そのうち男性が起きて、大丈夫痛くないとか、ちゃんとセックスできたよねとか言われてパニックなった。とりあえず、直ぐにラブホを出て電車で帰って来たのだけれど、もう貴方を裏切ってしまった。だから、私たちは別れるしかないと思っているって言うんです」

「君はそれでも別れていないんだよね」

「はい、僕も物凄くショックを受けたんですが、いろいろと考えたんです。彼女とこのまま別れたらどうなるのか、ふたつの家庭はどうなっていくのか、今のこの幸せは続けられるのか。そう考えて彼女を許すことにしたんです」

「かなり辛い判断だったんじゃないかな」と僕は問いかけた。

「ええ、でも生まれた時からずっと一緒にいる家族を裏切ることはできません。そしてこのことは僕にも原因があるように思うんです。僕がちゃんと彼女との性行為ができていればこうはならなかったんじゃないかって」

「僕は一晩さんざん考えて、翌日彼女に別れることはない、お前がこうなってしまった原因は僕にもあるように思う。だからこのことは忘れようって言ったんです。彼女は『いいの? 本当にいいの?』って言って僕に覆いかぶさってきました。そして、そのあと彼女を抱いたんです。不思議なことにその時、僕は初めて彼女に挿入できました。そして、彼女の中に射精することができたんです。不思議と焦りとか不安とかはなく、なぜか自然にそうなったんです」

「彼女は号泣して、感謝の言葉を何度も何度も言っていました。『他の人とセックスをした私のことを許してくれてありがとう』って。その後、僕らは定期的にセックスをするようになりました」

性的な話をすることの羞恥心が薄れてきたのか、ニノくんは少し饒舌になってきていた。

「11月になって具体的な志望校が決まってくると、僕はその対策のために忙しくなってきました。彼女の方は上智大学の指定校推薦の出願も終わり、月末の面接の対策をするぐらいで割と時間があったようです。この頃、何度か彼女が夜遅くまで帰ってこないということがありました。どうしたのって聞いたら、友達と遊んでいたというんです。小さな頃からほとんど友達のいないことを家族みんなが心配していたから、終電までには帰ってくるし、夜遊びとはいえ、友達と呼べる人ができたのは、むしろ良いことのように双方の両親は思っていたようです」

「12月に上智大学に合格すると、彼女は僕の勉強をみてくれるようになりました。一緒に過去問を解いたり、得意の英語を教えてくれました。2月に僕の第一志望の東洋大学に合格したことで、入試も終わりました、その直後にショックなことが起きたんです」

「入試も終わったので、彼女と止めていたゲームを僕の部屋でしていました。彼女がトイレに行くために部屋を出た直後、彼女のスマホにラインのメッセージがポップアップで出てきたんです。そこには『森田さん』という人からのトークが表示されていました」

「見る気は無かったんですが、自然と目に入った画面に『この間は気持ちよかったよ。来週また会ってくれる』って書いてあったんです」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。