4.王子ロイド殿下 3
王宮。それは、王族が日々の生活を行い政治や国家の儀式を行う大きな建物。
私はそこに足を踏み入れていた。
とにかく、あの本を読まないと…。でも、選択肢が出ちゃうよねぇ。いや、意外と大丈夫だったり?今までだって意外と乗り越えられてるし。すごい屈辱だけど。
曲がり角を曲がった一角にある部屋。そこが、ロイドの部屋である。
嫌だな〜。使用人の人に取ってもらいに行っちゃ駄目かな〜。そもそも、図書室にある〝イケメンから逃げる方法〟を全部持っていっちゃうなんて最低すぎん?まぁ、イケメンだから許すけど。
「なんとかして盗み出すか…?それが一番安全作だろうし…。」
「何を盗み出すのかな?」
背後から聞き覚えのある声がした。振り返ると、そこにいたのはロイドだった。私は驚きのあまり目を丸くする。
ぎゃぇぇぇぇぇ!?!?ロイドじゃん!?
「…いつから、いたんですか?」
「君がここに来た頃からかな。」
その言葉に思わず固まってしまう。
つまり、ほぼ最初からじゃん…。
「ひとまず、私の部屋に行こうか。」
嫌な予感しかしないんだけど!
✧✧✧
王子の部屋は派手すぎずシンプルだ。全体的に青色のイメージだと思う。必要最低限の物しか置いていなく、部屋がとても広く感じる。
普段の私なら喜んで匂いとか嗅ぎ回っていただろうに、そんなことできる暇がなかった。選択肢が出ないようにと祈るようにすることが大事だった。
選択肢が出ませんように選択肢が出ませんように選択肢が出ませんように。
「あの、殿下…。例の本はどこに?」
「そこの本棚だよ。」
ロイドは私の背後目掛けて指を指した。背後には、高さのある本棚が立てられていた。あの本は、なんと私の身長からして届かないとても高いところにある。
え、届かなくない?でも、ロイドに頼んだら…選択肢発生しちゃいそうだし。
私はこの部屋の外にあった廃棄されそうな椅子を勝手に取り、その上に靴を脱いで立ち、精一杯本を取ろうとした。…が、ジョゼアの身長は低いためまだ届きそうにない。
…うぐ。あと、ちょっと。
椅子がガクガクと動いている。ロイドは…私が本を取るのに苦戦している様子を楽しそうに眺めていた。
あっの腹黒…。イケメンすぎない!?そういうところも好きなんだけど!…でも、選択肢は出てほしくない。絶対。
私はそんな余計なことを考えていたせいで、バランスが掴めなくなり、椅子から落ちそうになる。
うわぁぁぁ!!!
落ちて衝撃で頭痛のすることを覚悟していたが、その衝撃がのぼることはなかった。いざ、目をぱちっと開けてみると、椅子は近くに転がっていて、誰かが私を支えてくれたようだ。
目の前にはロイドがいて、私の腕を優しくしっかりと支えてくれていた。
「大丈夫?怪我はないかい?」
い、イケメンすぎでしょっ!
するとそのときだった。私の目の前にウィンドウが登場した。
『ーー王子に大丈夫かと尋ねられた。1.服を脱ぐ2.男性の大切なところを蹴る。3.痴漢と言って、顔をぶつ。』
どれも地獄すぎるだろぉぉぉぉぉぉ!!!!!!ムリムリムリ。今回ばかりは選べないって。
砂時計マークは緑から黄色に変わった。
いや、まず服を脱ぐはなしね。これは、外交問題になりかねないし。…2もアウトだよね、流石にかわえそう。3…もやばいよね。もう、全部やばいじゃん!
砂時計マークは黄色から赤色に変わっていた。
もう、どうしたら…!
砂時計の砂が全部落ち、ピピピッとルーレットが回る。
ちょ!どれになっても、まだ覚悟なんて…!
止まったのは、3だった。私は自然と涙目を浮かべ、ロイドに手をあげていた。
「は、破廉恥です!で、殿下!」
あぎゃぁぁぁぁぁ!!!顔面国宝の顔に何やってんの!!!バカバカ!!
私は自分がやったことの愚かさに気づき、思わずその場で顔を赤くし、顔を手で覆い隠す。
もう無理だ。完全にロイド殿下に嫌われた。イケメンに嫌われるとか心病むて。
近くに落ちた例の本を取って、私はすぐさまこの部屋を後にした。
ジョゼアがいなくなった部屋でロイドはフッと笑みを浮かべ、笑っていた。
「…やっぱり、面白いな。」
自分に対し、あんなふうに物を言ったり、行動したりする人間はいないようで新鮮だったらしい。
『ーーピコン。王子からの好感度が16増えました。』




