3.王子ロイド殿下 2
王子から、逃げねば…。いや、別に嫌いなわけじゃないよ?選択肢が鬼畜すぎて…。
私は図書館に訪れていた。理由は〝イケメンから逃げる方法〟っていう本を借りるため。その本の表紙は青色で、本棚には何個も溜まっていた。おそらく、人気がないのだろう。
本を使って王子から逃げないと…。他の攻略対象にあったときも便利そうだし。
「ジョゼア!」
私はいきなり名を呼ばれたため、身体をビクッとさせた。その声は聞き覚えのある声である。
振り返った先にいたのは、ロイドだった。
うぎゃぁぁぁぁ!!!!!!な、なんでここに!?
ロイドは本を片手に立っていた。私の目からして、美術館に飾られて良いぐらいの絵になっている。ものすごくキラキラしている。前世の私だったら多分めっちゃ惚れ騒いでた。
でも、今は自分の身が危ないと告げている…!今度はどんな選択肢が出るんだ…。ゲームの内容、全然思い出せん。クソゲーすぎたからか?
頭を抱えていると、ロイドは口を開いた。
「こんなところで会うとは、偶然は凄いものだね。」
ゲームのせいじゃないの?
「あはは…。」
本を抱えすぐにこの場を去ろうとする私の前にして、ロイドは本棚壁ドンをしてきた。
「その本を見せてくれないかい?」
嫌だ嫌だ嫌だ。
ロイドは笑顔で私にそう言ってきた。その瞬間、私の目の前にウィンドウが出現する。
き、きやがった…。ここで!?
『ーー王子から、本を見せてと頼まれた!1.エッチな本なので、と乗り切る。2.ポケットに入っている自身の黒歴史本で乗り切る。3.服を脱ぐ。』
なにこの選択肢!?どれ選んでも地獄すぎでしょ!?待って待って。今回は本っ当に無理。まじで。
私はすかさず自身のポケットをチラリと見た。すると、前世で中学生の頃に書いていた幻の暗黒ノートが潜んでいた。
な、なんでここにあの黒歴史が!?ムリムリムリ。これは、絶対無理。
砂時計のマークが赤色になり、私は1にすることを決意した。
「で、殿下にはまだ早い、え、エッチな本ですので…。」
屈辱だ。なんで私がこんなことを言わなきゃならないんだ。
私の言葉に少々ロイドはムカついたのか、笑顔が死んでいた。いや、悪魔だった。
「そうかな。ぜひ見てみたいものだよ。」
なんとロイドは私に壁ドンをしたまま、本を取り上げようとするのだった。
「あ、ちょっと!」
私は必死に抵抗をした。ロイドのちからに勝てるはずもなかった。…ましてや、あんなイケメンに。
「本、見せてくれないかい?」
彼は耳元でこう囁いたのだ。これは、もう抵抗できないだろう。ましてや、私みたいな面食いイケメンイケボ好きが。
そして、私は力が抜け、まんまとロイドに本を奪われてしまった。
「〝イケメンから逃げる方法〟…ね。これ、本当にそういうジャンルの本なのかな?」
「か、返してくださいっ!殿下にはものすご〜くはやい本なんです!」
それは私が絶対に読まなきゃいけないんだ。返せっ!このイケメン!
私の言葉にどうもムカついたのか、殿下は私の届かないところに本をあげて、口を開いた。
「どうしても読みたいというのなら、私の屋敷に来ることだね。そこなら、君がこの本を読むことを許可しよう。」
「…え?」
私はロイドの言葉に私はアホみたいな声を抜かした。
ロイド王太子殿下の屋敷、すなうち王宮。
いや、絶対ウィンドウまた出そうじゃん。…でも、私はあの本を読まないと…!
『ーーピコン。王子からの好感度が8増えました。』




