↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いずれ全能の大魔王へ至る暴食者〜喰らった相手のスキルを奪い、襲い来る敵達を返り討ちにして世界最強へ〜  作者: 無名
第1章 暴食の魔王

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

8/54

第8話 衝動の変化

 大きく深呼吸してから夜空を見上げると、月明かりが森に差し込み、葉や枝によって光が細くなりながら、点々と地面を照らしていた。


 視線を左腕に移すと、上位種の攻撃を受け止めてダメージを負ったせいか、小刻みに震えている。


 下位種に殴られた頭も少し痛むし、体力を消耗したせいか、立ち上がろうとしても足腰に力が入らない。


 十分な休息が必要なようだ。


 【気配察知】で周囲を探ってみるが、上位種との戦闘以前におよそ100匹ほど討伐していたため、有効範囲内に生物の気配はない。


 周囲の警戒も済ませたので、上位種戦でどれほど成長できたのかを確認するため、「ステータス」と念じてステータスウィンドウを表示した。


 レベルは『9』から『14』まで上昇し、10の大台を突破。能力値の平均は『32』から『41』まで伸びた。


 一番伸びた能力値は『技術力』で『59』、次いで『物理攻撃力』と『物理防御力』が『53』。


 命懸けの戦いが報われたようで、自然と口元が緩む。上位種と命を賭して戦った甲斐があるというものだ。


 現状確認は済んだ。


 次は、この狩場でまだ成長の余地があるのかどうかを考える。


 この狩場の魔物から得た【棍棒術】【気配察知】【逃走】の項目をタップし、保有経験値とレベルアップに必要な経験値を比べた。


 【棍棒術】と【気配察知】をスキルレベル『6』まで上げるには、魔物をおよそ300匹以上討伐する必要がある。


 (100匹討伐するのに数時間はかかるのに、300匹ともなれば……)


 苦労する未来を想像して、思わず顔が顰む。


 さすがに、それだけの数を討伐するのは難しい。


 時間をかければいずれスキルレベルを『6』まで上げられるだろうが、100匹ほど討伐しただけで狩場の魔物はかなり減っていた。


 このまま300匹も狩り続けるのは、体力的にも精神的にもきつい。


 それに、ある程度レベルを上げた既得のスキルを育てるより、新規スキルを獲得して育てた方が、能力値への補正も大きい。


 多大な時間をかけて粘るメリットはないな。


 では、【逃走】はどうか。


 【逃走】をレベル『5』まで上げるには、魔物をおよそ40匹討伐する必要がある。その程度なら、夜通し討伐を続ければ達成できるだろう。


 なら、方針は決まりだ。


 とりあえず、あと40匹は狩ろう。


 方針が決まったところで、再び身体の調子を確かめてみる。


 (……もう少し時間がかかりそうか)


 もう少し休息が必要なので、次はスキルポイントに意識を向ける。現在のスキルポイントは『14』。


 スキルポイントの項目をタップしてみると、新たなウィンドウが表示された。


 羅列されている文字を上から下へ眺めると、スキルポイントを消費して獲得できるスキルの一覧だと分かった。


 [魔法系]には【火魔法】や【水魔法】、[戦闘系]には【剣術】や【身体強化】など、多種多様なスキルが存在する。


 改めて異世界に転生したことを実感するとともに、「全てのスキルを扱えるようになりたい!」と思った。


 しかし、今の自分に必要なものを考えると、[魔法系]と[感覚系]、[耐性系]は後回しでいい。


 [魔法系]はもし詠唱が必要なら、この世界の言葉を知らない俺には扱えない可能性が高い。


 調べるとなれば人間の街へ行って本や誰かに確認する必要があり、魔物である俺にはハードルが高すぎる。


 [感覚系]は【気配察知】、[耐性系]は【物理攻撃耐性】で事足りているし、必要なタイミングで適宜獲得していけばいい。


 となると、まず[戦闘系]で【格闘術】と【身体強化】を獲得すべきだろう。無手でも戦えるようにしつつ、切り札として身体能力を強化できるようにする。


 次は[補助系]で【看破】を獲得する。


 今まで本能で特攻して運良く撃退できたが、搦め手を使う相手だったら命がなかったかもしれない。


 今後そういった状況を未然に防ぐためにも、【看破】は重要だ。相手の能力値や所持スキルを事前に把握できれば、上位種戦でも無茶な攻め方を避けられるだろう。


 ちなみに、スキル名の項目をタップすると、効果の詳細が表示される仕様のようだ。


 今必要なスキルは決まった。早速、スキルポイントを消費して獲得する。


 『【格闘術】Lv.1を獲得しました』


 『【身体強化】Lv.1を獲得しました』


 『【看破】Lv.1を獲得しました』


 残りのスキルポイントは『11』。


 獲得したスキルの中でレベルを上げておくべきなのは、【格闘術】と【身体強化】だ。


 【格闘術】は格闘技術の熟達速度に補正がかかるし、【身体強化】は身体能力の強化倍率が上昇すると思われる。


 まず【身体強化】をレベル『2』まで上げてみると、詳細説明が変わり、強化倍率が『×1.1』から『×1.2』に変化した。


 スキルポイントにはまだ余裕があるので、念のためレベル『3』まで上げておく。


 次に【格闘術】をレベル『2』まで上げる。詳細説明に変わりはないが、熟達速度は確実に上昇したはずだ。


 とはいえ、全くの素人である俺には「殴る」「蹴る」しか分からない。まずは体重を乗せて殴ることから覚えるしかない。


 残りのスキルポイントは『4』。


 新規スキルが必要になった時のために、残りはとっておく。


 さて――もう一度、身体の調子を確かめる。左腕の震えは収まり、足腰にも力が入るようになった。


 (……これなら、もう大丈夫そうだな)


 膝に手をついて立ち上がり、肩を回したり腰を捻ったり、その場でジャンプしてみたりと、硬くなった身体を解す。


 【気配察知】で周囲を探ると、少し離れたところに三匹の気配を捉えた。


 体力が回復したところで、【暴食】の衝動――渇きと食欲が、俺の理性を侵食し始めた。


 ただ、少し違和感があった。


 確かに本能が理性を侵食してきているが、なんというか……抵抗力が増したような感覚がある。


 いつもであればあっという間に理性がなくなるのに、今回はまだ保てている。


 (もしかして、レベルが上がったことと関係があるのか?)


 レベルが10の大台を超えて、『魔法防御力』や『状態異常抵抗力』――ゲームで言う『精神』が上昇したことで、理性そのものが強くなったのかもしれない。


 もし予想が当たっているなら、なにがなんでもレベルを上げないと。


 本能のままに突っ込んで不要なダメージを負うのは、もうごめんだからな。


 レベル上げと【逃走】のレベルアップのため、そして体力を消耗させて本能を抑制するため、俺は【気配察知】を頼りに駆け出した。

 読了後、リアクション、ブックマークなど、是非よろしくお願いします。

 「面白い!」や「お疲れ様です」など一言でいいので、コメントを書いて頂けると、励みになります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。