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いずれ全能の大魔王へ至る暴食者〜喰らった相手のスキルを奪い、襲い来る敵達を返り討ちにして世界最強へ〜  作者: 無名
第1章 暴食の魔王

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第40話 統率者を屠れ

 「……いた」


 【気配察知】と【夜目】を頼りに森の奥へ進むと、再びコボルト・ジェネラルが率いるパーティーを発見した。


 どのみち近づけば【嗅覚強化】で気づかれるため、早速木の陰から身を乗り出してパーティーを強襲する。


 こちらの存在に気づいたコボルト・ジェネラルが「グルルラァ!」と鳴くと、瞬時にコボルト・ファイターとコボルト・ハンターが動き出す。


 真ん中はコボルト・シャーマンの射線が通るよう開けたまま、二匹が並走。コボルト・シャーマンが魔法陣を展開し、風の弾丸を射出する。


 正面からは風の弾丸、左右からはコボルト・ファイターとコボルト・ハンターが迫ってくる。


 (この攻撃は一度経験した。だから、打開策も同じ!)


 俺が風の弾丸を回避するため低姿勢になって駆け出した瞬間━━コボルト・ジェネラルが「グルルラァ!」と鳴く。


 すると、コボルト・ファイターとコボルト・ハンターが攻撃を即座に中断し、俺の後を追い始める。


 そして、コボルト・シャーマンが再び魔法陣を展開し、風の弾丸を射出した。


 俺は咄嗟に身体を捻って風の弾丸を回避する。しかしその間に、コボルト・ファイターとコボルト・ハンターが背後から迫ってきた。


 (チッ。先に後ろの二匹を始末するか)


 そう思って背後へ振り返ろうとした時、再びコボルト・ジェネラルが鳴く。今度はコボルト・シャーマンを伴って距離を詰めてきた。


 (挟み討ちか! クソッ!)


 俺が背後から迫るコボルト・ファイターとコボルト・ハンターを始末しようと振り返った、その瞬間━━コボルト・ジェネラルの鳴き声が響く。


 するとコボルト・ファイターとコボルト・ハンターが突然動きを止め、安易に接近しなくなった。


 (なっ━━ッ……)


 驚いた俺の後頭部に、風の矢が突き刺さったような鋭い痛みが走る。


 一歩踏み込んで耐えながら、コボルト・ジェネラル達が迫る方へ視線を向けようとする。


 しかし、コボルト・ジェネラルの鳴き声が思ったよりも近くで聞こえた瞬間、コボルト・ファイターとコボルト・ハンターが動き出す。


 俺は慌てて視線を戻すが、直後、後頭部に鈍器で殴られたような衝撃が走る。不意を突かれて思わずよろめくが、ダメージはない。


 ただその間に、コボルト・ファイターとコボルト・ハンターが目前まで迫っており、左からコボルト・ハンターの鋭い爪が、右からコボルト・ファイターの右拳が迫る。


 ザシュッ! ドゴッ!


 咄嗟に頭を守るよう両腕を交差して掲げると、左腕の皮膚が鋭い爪で裂かれ、右腕に重たい衝撃が走る。


 直後、後頭部にも重たい衝撃が走った。振り返らずとも分かる。コボルト・ジェネラルに後頭部を殴打されたのだ。


 俺は今、コボルト・ジェネラル、コボルト・ファイター、コボルト・ハンターの三匹に囲まれた状態。


 前後から絶え間なく猛攻が続く。


 (ッ……)


 【物理攻撃耐性】のおかげでダメージは大したことないが、後頭部や両腕、脇腹に走る衝撃が煩わしい。


 耐えられなくなった俺は「ブモォオオオ!」と雄叫びを上げながら、身体を回転させるように捻り、長剣を振り回す。


 俺が雄叫びを上げた瞬間、コボルト・ジェネラルも負けじと声を張り上げる。直後、コボルト・ファイターとコボルト・ハンターが咄嗟にその場から飛び退いた。


 振り回した長剣は空を斬ったが、とりあえず三匹を引き離すことには成功した。


 俺はすぐにコボルト・ジェネラルへ視線を向ける。


 (まずは、お前からだ!)


 【突進】を発動しながら、全力で駆け出す。それを見たコボルト・ジェネラルは慌てて「グルルラァ!」と叫ぶ。


 その瞬間、コボルト・シャーマンが魔法陣を展開し、風の矢を射出。


 同時に【気配察知】が、後ろから追いかけてくるコボルト・ファイターとコボルト・ハンターの気配を捉えた。


 速度を落としたくないため、風の矢は被弾覚悟で突っ走る。


 風の矢が左肩を抉るが、必死に痛みを堪えて走り抜けると、コボルト・ジェネラルがコボルト・シャーマンを守るように立ち塞がった。


 後ろから迫るコボルト・ファイターとコボルト・ハンターは、まだ追いついてこない。


 なら━━


 (今の内に、ジェネラルとシャーマンを仕留める!)


 瞬く間に距離を詰め、コボルト・ジェネラルを真っ二つに両断する勢いで長剣を振るう。


 しかし、コボルト・ジェネラルは身体を逸らして躱すと、鋭く右拳を突き出し、俺の顔面を強打する。


 衝撃で頭が仰け反るが、すぐに射殺すように睨みつけ、長剣を振るう。


 コボルト・ジェネラルは間一髪で躱し続け、コボルト・ファイターとコボルト・ハンターが合流するまでの時間を稼いでいるようだった。


 そう読んだ俺は、途中で【身体強化】を発動する。


 動きのキレが増したことで俺の攻撃に身体が追いつかなくなり、回避に失敗したコボルト・ジェネラルは左肩をバッサリと斬られ、左腕を失った。


 「グルルラァ!」


 突然コボルト・ジェネラルが鳴いたため「反撃か!?」と身構えるが、コボルト・ジェネラルはその場から飛び退くだけ。


 その後ろでは、コボルト・シャーマンが魔法陣を展開し、風の弾丸が射出される。


 (ッ……)


 風の弾丸が俺の胸に着弾し、衝撃と痛みが走る。だがここで攻勢を緩めるわけにはいかず、今度はコボルト・シャーマンに向かって駆け出す。


 と同時に、背後で風を斬り裂く音が聞こえた。寸前までコボルト・ファイターとコボルト・ハンターが迫っていたのだろう。


 俺がコボルト・シャーマンを狙って駆け出すと、狙い通りコボルト・ジェネラルが壁役として前に出てくる。


 走りながら左手を拳銃の形にして【酸弾】を射出。


 コボルト・ジェネラルはコボルト・シャーマンを庇っているため回避できず、鳩尾付近に着弾した。


 「グルル……」


 焼け爛れる痛みを堪えるように低く唸り、右拳を構える。俺は目前まで迫ると、長剣で猛攻を仕掛ける。


 上段からの振り下ろし、横薙ぎ、下段からの斬り上げ。吹き荒れる嵐のように、コボルト・ジェネラルに襲いかかる。


 コボルト・ジェネラルは必死に回避を続け、反撃の隙を窺う。そして、俺が長剣を振り抜いた直後、右拳を鋭く突き出してきた。


 しかし俺は、右拳に額を合わせるように頭突きを繰り出す。


 「グルルラァ……」と怯んだコボルト・ジェネラルの隙を逃さず、今度は右腕を斬り飛ばす。


 そのまま長剣を突き刺すように構え、コボルト・ジェネラルの喉元へ突き出した。


 「グルル……」


 口から大量の血を吐き出したコボルト・ジェネラルは、長剣を引き抜かれると膝から崩れ落ちた。


 (よし。これで厄介な奴は居なくなった!)


 コボルト・ジェネラルが膝から崩れ落ちると同時、コボルト・ファイターとコボルト・ハンターが背後から迫る。


 即座に振り返ると、鋭い爪と左足の蹴りが目前に迫っていた。爪撃は左手で受け止め、蹴撃は長剣を振るって斬り落とす。


 そのまま長剣でコボルト・ハンターの右腕を斬り飛ばす。怯んだ隙に喉元へ長剣を突き刺し、コボルト・ハンターは事切れた。


 左足を斬り飛ばされて体勢を崩したコボルト・ファイターの上に馬乗りになり、首元へ向かって長剣を一閃する。


 (残り一匹)


 統率者と前衛を失ったコボルト・シャーマンは、一歩、二歩と後退り、一目散に逃走した。


 すぐに追いかけ、背後から真っ二つに両断する。


 俺はコボルト・シャーマンの死体を引きずりながら戦場へ戻り、コボルト・ジェネラルの死体も持ってきて、四匹分を積み上げた。


 (ふぅ……本当に、統率された集団というのは厄介だな。それに今回のジェネラルは対応力が凄かった。冒険者相手に何度も集団戦を経験していたのか?)


 思わずそう思ってしまうほど、臨機応変に動けていた。


 コボルト・ジェネラルが瞬時に判断し、他の三匹がその指示に素直に従う。そこに迷いはなく、対応も素早い。


 しかし、欠点もある。


 統率者が倒されれば意識を統一できなくなり、一気に連携が崩れるのだ。


 (もし今後も集団を相手することになったら、まずは統率者を狙うべきだな。そうすれば、数的不利も覆せる可能性がある)


 この狩場での戦いは、非常に為になるものだった。


 積み上げた死体に手を伸ばし、肉を食いちぎり、骨を噛み砕き、臓物を咀嚼する。


 (レベルもスキルレベルも上がらずか……もっともっと狩るべきだな)


 さらに強くなるため、渇きを満たすため、俺は暗い森の中を走り回る。


 コボルト・ジェネラルが率いるパーティーを見つけると、迷わず強襲。真っ先に統率者を狙う戦法で、狩り倒していく。


 二つ目のパーティーは、コボルト・ジェネラルを優先的に狙い、仕留めた。


 四つ目のパーティーは、遠距離攻撃手段を潰すため、コボルト・シャーマンから狙った。


 戦闘を重ねるごとに統率者の思考が予測できるようになり、被弾の回数も少なくなってきた。


 八つ目のパーティーは、ほぼ無傷で勝利した。


 そして、十個目のパーティーを殲滅した直後━━


 『【魔力操作】Lv.5にUPしました』


 『【格闘術】Lv.6にUPしました』


 『【統率】Lv.5にUPしました』


 奥に進むにつれて個体数も少なくなっているようで、気づけば付近に新たな気配はなくなっていた。


 (スキルレベルは上昇したが、レベルは一つも上がらなかったな。やはり格下を狩り続けても、効率が悪いか)


 となると、できれば格上と戦いたい。


 俺は新たな敵を求めて、さらに森の奥へ向かった。

 読了後、リアクション、ブックマークなど、是非よろしくお願いします。

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