73 魔女の裁き(中編)
真希は凛太郎を尾行していた。
思っていたよりも簡単に見つかった。
凛太郎はパチンコをしていたらしく何時間もお店にいたので探す必要は無かった。
しばらく後をつけると凛太郎はキャバクラに入っていく。
トゥルルルル…トゥルルルル…
「もしもし澪、今何処にいる」
その頃、澪は陽翔と一緒に海斗に話を聞いていた。
真希はすぐに呼び出し、凛太郎の尾行を変わってもらった。
★ ★ ★
澪と陽翔は喫茶店に入り、海斗が来るのを待っていた。
カラ~ン
「あっ、海斗~こっちこっち」
「陽翔くん、こちら海斗。前の職場の同僚」
「はじめまして陽翔です」
「ああ、海斗です。澪!どういう事だよ」
「とりあえずお店を出ましょう」
澪と陽翔は海斗を連れて店を出ると、前もって予約した飲食店に入った。
「何か高そうな店だな。しかも個室かよ!一体給料いくらもらってんだよ」
澪は店員に注文をする。
「とりあえず食べましょう。話はそのあとよ」
「いいのかよ。めっちゃ高いじゃん、これ」
「どうぞ、遠慮せず食べて下さい」
「あ、ああ」
そして食事が終わると本題に入った。
「で、池田悠斗の事はどこまでわかるの?」
「ああ、俺が知っていたのは電話で話した通り、課長達が動いている事と発見された事務所が殺害現場ではない。発見者の供述が少しおかしい事だけだ。池田悠斗はLEVEL5の能力者で犯罪履歴は無し、孤児院出身でかなり多額の寄付をしている。今時では珍しい好青年だ」
「殺害現場はわかっているんですか?」
「それがまだだ。ったく、本当はこんな事話せないんだぜ。勘弁してくれよ」
「課長達はどこまで掴んでるのよ」
「さぁ~~~ぱり、でもよ何でそこまでするのかが謎だよなぁ。澪、何か知ってんのか?」
「あなたは知らない方がいいわ」
「何だよ。こんだけ教えたんだから俺にも教えろよ」
「海斗さん、知らない方がいいですよ。知ったら普通の暮らしが出来なくなる」
「………わかったよ。澪、お前そんなに危ない事してんのか」
「危ない仕事はしてないわ」
すると
トゥルルルル…トゥルルルル
真希からの着信だった。
「はい、わかりました」
「真希さんですか?」
「えぇ、これから林田凛太郎の尾行をするわ」
「ちょぅっと待て!林田凛太郎って第一発見者じゃねぇか。俺も行くぞ」
「海斗、あんたは帰りなさい。刑事でいたいんであれば」
「か、関係ねぇ~!俺は行くぞ」
「はぁ~、もう少し頭を冷やしたら」
「澪さん、関わらせたのは俺達の責任です。何とかしてあげましょう」
「わかったわよ。その代わり余計な事をしないでよ海斗」
「わかったよ」
そして店を出た。
言われた場所に着くと真希はいない。
張り込む事30分、ようやく凛太郎が外に出てきた。
凛太郎はタクシーを呼ぶと念のため用意しておいた海斗の車に乗り追跡した。
そしてタクシーが止まりそこから歩くこと30分、人気のない倉庫に入っていく。
「おい、出てこい!わかってんだよ」
3人は大人しく凛太郎の前に現れる。
★ ★ ★
倉庫から約100メートル離れたビルの屋上ではナインがライフルを構えていた。
そしてすぐに澪達3人が狙われた。
凛太郎が上手く誘導して射程内に誘きよせた事でいつでも撃てる状態になっていた。
ナインは凛太郎と澪達の会話を聞き、それによっては3人を射殺する予定だった。
しかし…
「そこまでよ」
「…いいのか。俺は既にお仲間を射程圏に捉えている」
「だから何?所であなた達で間違い無いかしら、悠斗を殺した連中は」
「だったらなんだ」
「あなたはここで終わりよ。一応名前位は聞いてあげる」
ナインはゆっくり立ち上がり振り向くと同時に目にも止まらぬ早さで真希に銃弾を撃ちこんだ。
「なに!」
真希には気配がない。
だからナインは目に頼るしか無かったが、どうやら焦りすぎたみたいだった。
撃ち抜いたのは鏡のように真希が写っている氷だった。
「あなたは逃げられない。ここは私の結界の中。さようなら」
ナインは少し冷え込むと思っていた。
しかし、そこに気付いていれば展開も変わったのだろう。
もう遅い、身体能力は少しずつ奪われ武器も使えなくなった。
痛みがない。
体を見ると氷が腹に突き刺さっている。
暖かい。
流れる血も氷初めてナインは絶命した。
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