71 悠斗の死(後編)
「凛!健太!のぶ!」
健太と信行は既に死んでいる。
悠斗は生きている凛太郎を助けると二人の気配を感じた。
一人はナイン
死角はない
確実に狙われている。
もう一人はセブン
暗闇からゆっくりと現れた。
「あなたはあの時の!ノーネームですか」
「そっ、私はセブン」
「ナンバーズだったんですね」
「気付いていると思うけどさぁ、後ろに気をつけなよぉ」
「僕にその距離からの狙撃は効かないよ」
悠斗は健太と信行の死体を見て怒りが込み上げてくるが一生懸命押さえた。
「凛、狙撃手に気をつけて!」
「ああ」
そう返事をすると凛太郎は右手を硬質化させた。
悠斗は凛太郎の右手を見なかったが、凛太郎はAAAのお陰で能力が上がり鉄以上の硬度になっていた。
「まぁ君1人をさぁ、殺すのなんか簡単だけどさぁ、それだけだとつまんないだよねぇ~」
「あなた達の目的はなんだ!」
「わかんないのぉ?邪魔な君達を殺す事だよ。だから一番弱い悠斗くん、君から狙ったのさ」
抑えていた怒りがどんどん膨らみ抑えきれなくなってくると、悠斗は血が出るほど拳を握り、怒鳴るように話した。
「だったら何故!何故健太と信行を殺した。彼等は関係無いだろ」
「さあ何でだろうねぇ、あんまり覚えていないな」
セブンは本当に覚えていなかった。
彼女にとっては本当につまらない殺しだったのだろう。
その姿を見て悠斗は怒りがどんどん込み上げてくる。
「もういい!だったら僕が相手してやる。これ以上関係ない人達に手を出させない為にもあなたはここで捕まえる」
「捕まえるぅ~~~、つまらないわぁ~。だから一番弱いんだよ。あっこれ、最後の忠告だよ」
「何を訳の分からない事を………」
ゴフッ!
凛太郎の鋼鉄の手刀が、背中から胸を貫いた。
「な、何で?」
後ろを振り向くと凛太郎がうつむきながら手刀を抜いた。
「キャハハハハ。面白い、いいよぉ凛太郎くん。最高だよ、キャハハハハ」
「な、何故だ」
倒れながらも薄れゆく意識の中で、悠斗は凛太郎の裏切りを信用せずにセブンを睨む。
「り、凛太郎に何をした」
振り絞った声が震える。
致命傷だった。
「だ~か~ら~言ったでしょ。最後の忠告って。君はここでサヨナラだよ」
「凛太郎、逃…げ…ろ………」
悠斗の意識は無くなった。
「さっ凛太郎くん、止めを指そうかぁ」
「でももう止めを指す必要なんてないんじゃぁ…」
「君もそんな甘い事を言ってるの?だったら君も要らないかなぁ」
「ちょっと待て!そういう意味じゃあない」
そして凛太郎は意識の無い悠斗の首の骨を折った。
「そう、それでいいんだよぉ。じゃあ悠斗くんの死体を会社に持っていこうか。健太くんと信行くんが殺した事にしちゃおうよ」
そして死体を別々の場所に運んだ。
凛太郎は悠斗の携帯から葵に連絡して、健太と信行が悠斗を殺して逃げたと伝えた。
そして健太と信行がノーネームの仲間になったとも伝えて凛太郎はそのまま逃げる事無くスパイをする事になった。
そして事務所に葵は1人で駆けつけた。
「凛太郎くんだっけ?何度か悠斗が連れてきたメンバーの」
「はい」
「で、悠斗は!」
扉を開けると悠斗が死んでいた。
そして凛太郎は嘘をつく。
「健太と信行がノーネームに入ると言い出しました。俺はよくその組織を分からないのでやめろと止めたんです。悠斗も止めました」
「それで」
「俺達は裏の仕事について細かい事を知らされずに働いてきました。その事実をノーネームって名乗る奴等に教えてもらいました。俺は半信半疑で聞きましたが、二人は素直に聞いてしまい悠斗と揉めました。悠斗は手を出す事はなく、二人を止めたんですが徐々にエスカレートして思わず悠斗を殺してしまい、二人は焦って逃げていきました」
「わかったわ」
「俺は二人を止めることも出来ずに悠斗まで死んでしまって、だからどうしていいか分からず気がつくと1時間以上経過していました。そしてようやくあなたの事を思い出して悠斗の携帯から連絡したんです」
葵は悠斗の死体を確認した後に警察に連絡して、凛太郎の電話番号を聞いてから現場検証に入る。
しばらくして凛太郎を家に帰してから蓮達に連絡をした。
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